「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するWACK所属の13人組アイドル・グループGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の1人1人のパーソナルに迫る短期集中連載がスタート。毎回1人ずつ、どんなファッションを好み、どんな音楽や漫画やゲームなどに影響を受けてきたのか、ギャンパレでの歌詞や振り付けについてなど、これまでの単独インタビューとは違った切り口からメンバーに迫る。
第10回は、2021年3月のWACK合宿オーディションで合格し、GO TO THE BEDSで活動をスタートさせたチャンベイビー。PARADISESへグループごとのレンタルトレードをするなど、激動の1年を経て2022年1月1日よりGANG PARADEとしての活動を始めた彼女の好きな漫画やファッションへのこだわり、自身の考えについてまで話を聞いた。
取材&文:西澤裕郎
写真:まくらあさみ
矢沢あいさんの世界観に憧れがある
──StoryWriterではいつも私服で撮影をさせてもらっているので、今日の服装のこだわりや、どういうものを身につけていることが多いのか教えてもらえますか?
私は古着一点ものが好きで、人と被らないものが好きなんです。
──古着の中でもストリート感のあるものとはちょっと違う感じですよね。
ちょっとレトロな感じの格好が好きですね。あとは矢沢あいさんの漫画が好きで、矢沢あいさんの世界観に憧れがあるんです。オン眉の女の子が漫画によく出てくるんですけど、それをずっとやりたくて今回私もやりました。
──そういうルーツがあったんですね。髪型も結構変化している印象があります。
一回全部パーマにして、みんなにモジャモジャって言われていたんですけど、私はふわふわだと思ってやっていて(笑)。でも、人とかぶらないのがいいなって気に入ってます。
──現在の髪型も美容師さんに伝えてやってもらったんですか?
最初にパーマをかけたときはあまり気に入ってなかったんですけど、一周回ってパーマいいなって思うようになって。次の髪型を何にしようかなって思っていたときに、WACKの中でこの長さでこんなふうにパーマをかけてる人はいないなと思って。それでパーマのキャラ付けしてこうかなと勝手に思いつつ、ちょっと変えたい気持ちもあったのでオン眉をやってみようかなって感じで今の髪型になりました。
──チャンベイビーさんならではの髪型で似合っていると思います。
この髪型をしている人がなかなかいないから、美容師さんに伝えるための画像もなかなか見つけられなくて口頭で伝えてやってもらいました。街を歩いていると窓とかガラスに反射した自分の頭が面白すぎて笑っちゃいます(笑)。
──お化粧も自分に合ったスタイルという感じがしますよね。ナチュラルな感じというか。
ナチュラルだねって言われたりするんですけど、仕込みタイプです(笑)。ナチュラルに仕込んでいる。こだわりはすごく強いです。
──自分の中のこだわりがしっかりあるんですね。
自分のなりたい像みたいなものがあって、それに忠実なだけなんです。
──なりたい自分の像って、具体的にどんなものなんでしょう。
具体的に誰っていう人はいないんですけど、強いて言うなら矢沢あいさんの漫画に出てくる人みたいになりたいっていうのはあって。
──矢沢あいさんの漫画に登場する人物のどういう部分に惹かれているんでしょう。
漫画にもよると思うんですけど、1人1人のキャラに合った一貫性がすごくあるというか。登場人物みんな全然違う格好をしているんですけど、全員しっくりくる格好をしているというか。真似できそうにないからこそ、すごくいいなって思うんです。ロリータみたいな格好をしている子も出てくるんですけど、私だったら好きでも日常生活で着れないなとか思っちゃったり、急にそんな格好をしたらどう思われるんだろうとか考えちゃうから格好いいなと思って。
──ちなみにいま、ネイルはどんなデザインにしているんですか?
いまは魚なんですよ。サンゴとかいます。爪を見て心が躍るからキラキラしているのが好きで。短いネイルが好きなんですけど、ゴツゴツ目が割と好みですね。衣装に合わせてネイルをしてもらうときもあるんですよ。ギャンパレ再始動のときの衣装が赤でバーンって感じだったから、そういうときはネイリストさんにお任せが多いです。
芯を持って強く生きているのがかっこいいなと思う
──いまギャンパレの活動が忙しいと思うんですけど、どんなに忙しくても好きで必ずチェックすることがあれば教えてもらえますか?
それこそ矢沢あいさんの漫画がすごく好きで、遠征先に1冊だけ漫画を持っていったりするんです。時間もなかったりして持ってるだけのことも多いんですけど、矢沢あい展で買ったトートバッグに詞を入れて持ち歩いたり、インタビューをチェックしたりもします。あとは韓国に住んでいたことがあるので、韓国のお洋服とかも見るのが好きです。韓国のブランドの服をインスタで見たり。あと最近ハマっている韓国のアイドルの女の子の情報を見たりとか。
──本を持っていくのはお守りみたいな意味合いもあるんですか?
それもあるし、勉強になることが多いんです。主人公に自分を重ねて見たときに響く言葉とかが多くて。例えばどこか素直になれないときに、素直になれない主人公を見てセリフに胸を打たれるとかってことがよくあります。
──矢沢あいさんを好きになったきっかけは覚えていますか?
音楽や服、映画とかは親の影響で好きになったことが多いんですけど、矢沢あいさんだけは親の影響じゃなくて。きっかけは思い出せないんですけど、ずっと好きです。
──読み始めたころ、どの作品が特に印象に残っていますか?
やっぱり『NANA』かな。一番有名だし、読んだことがなかったときから『NANA』だけはずっと知っていて。『NANA』を読んでハマった気がします。
──どういう部分に一番惹かれますか。
ファッションとかもそうなんですけど、絵で得る情報でも服とかすごくかわいいなって思うし、さっきも言ったみたいに人間的に理想の女の子みたいな部分ですね。
──チャンベイビーさんは、どんな人間になりたいっていう理想があるんでしょう?
私は人目とか気にしちゃうタイプなんです。そうじゃなくて服装とかもそうだし、芯を持って強く生きているのがかっこいいなと思うんです。言葉にすると薄っぺらい感じなんですけど、夢に向かって頑張ってる人が出てくる話も多くて、熱いものがあるってすごいことだなって。それに向かって頑張っている人がかっこいいなって思うんですよ。私もそうなりたいです。
抱えきれないほど大切なものがいっぱいある
──チャンベイビーさんもWACK合宿オーディションで、がむしゃらに課題に向かい合って合格を勝ち取り、ギャンパレで真っ直ぐに活動していると思うんですけど、GANG PARADEはチャンベイビーさんにとってどんな場所になっていますか?
ギャンパレが13人になって初めてのツアーを回らせてもらっていたときに、良い空気が流れていたり、良い形になっていっているのを感じながらも、私個人的にどういう頑張り方をしたらいいかわからないときが一瞬あって。10人のときは私も新メンバーでしかなかったから、新メンバーが入ってきたときに私はどうしたらいいんだろうみたいな気持ちになってしまって。
──思い悩んでいた時期があったんですね。
わかりやすく言うと、キャ・ノンが同期なんですけど、自分が支えてもらった分今度は私が支えてあげたいみたいなことをアフタームービーで言っていて。それがかっこいいなと思ったんですけど、私はそこまで立派な人間になれなくて。13人になったとき、私に何ができるんだろう、どういうふうにしたらいいんだろうって全然わからなくなっちゃった。今までだったら頑張れていたことも、どこかで諦めちゃうみたいな瞬間があったなって思っちゃったりもして。でも春ツアーの追加公演でマネージャーさんが「自分らしく頑張ればいいんだよ」って言ってもらえてから、自分らしく、自分の出せるベストで頑張ればいいんじゃないかと思えるようになって。もちろん悪いところはよくしていかなきゃいけないんですけど、今までの頑張り方を変えなくていいんだと思ってから、ちょっと心が楽になったというか。それで自分らしく頑張ろうと思えるようになりました。
──チャンベイビーさんはもともとGO TO THE BEDSで活動をはじめたわけで、PARADISESにレンタルトレードした後、ギャンパレのメンバーとして活動することになったときは戸惑いのようなものもあったんじゃないですか。
私がGO TO THE BEDSに入りたいって希望して合格したような形だったから、PARADISESにトレードするときもギャンパレになるときも、見てくださっているお客さんが心配してくれて。私も最初、GO TO THE BEDSからPARADISESに行くのを知ったときは複雑な気持ちだったけど、トレードして活動してみたらPARADISESが自分の中ですごく大切な存在になっていったんです。だからGANG PARADEになるときも、もちろんPARADISESから離れる寂しさみたいなものはあったんですけど、自分の中でどんどん大切な存在になっていくだろうなって思ってたから、楽しみだなっていう気持ちが大きかったです。
──実際、ギャンパレが大切な存在になってきている?
そうですね。ギャンパレになったときにGO TO THE BEDSとPARADISESはどうなってしまうんだろうっていう気持ちがあったけれど、そのときの楽曲を今こうして歌わせてもらえてるから、もう抱えきれないほど大切なものがいっぱいあるなっていう感じです。三つもグループを経験してるから、大切なものがたくさんあります。
マイペースに自分らしく頑張って生きていけたら
──作詞に関して、歌詞はどういうプロセスで書いているんでしょう?
私は言葉が得意な方ではないので、映画とか人との会話でいいなと思う言葉があったら頻繁ではないですけどメモをしたりしていて。デモをいただいてからテーマを考えて、この言葉がいいんじゃないかなと当てはめたりして考えていく感じです。
──映画も結構見たりする?
超詳しいとかでは全然ないけど、映画も好きなのでよく見ます。
──今までで影響受けた作品があれば教えてもらえますか?
わかりやすく『レオン』のマチルダの髪型がかわいいなとか、そういう程度の影響を受けたりはあるんですけど、ぱっと出てこない……。好きな映画や影響を受けた作品は絶対あるんですけどぱっと出てこないってことは、ないです(笑)。
──そんなことないと思いますよ(笑)。ちなみに、矢沢あいさんの漫画以外で好きなカルチャーとかってありますか?
超ぼやっと言ったら、かわいいものがめっちゃ好きです。私服であまりかわいい格好をしないからなのかもしれないんですけど、かわいい物がとにかく好きで。わかりやすく言ったらピンクとか、わかりやすくかわいいものに惹かれるところがあります。なので、シルバニアファミリーの赤ちゃんが好きです。あと、ランダムがめっちゃ好きなんですよ。シルバニアファミリーの赤ちゃんもランダムがあったりするんですけど、ガチャガチャも一時期すごい狂ったようにやっていました。
──何が出るのかドキドキ感みたいな。
止められなくなっちゃう(笑)。同じガチャガチャを何十回もやったりして。今はガチャガチャを前にしたときに自制心が利くようになったなって思います。
──シルバニアファミリーの赤ちゃんは、かわいいですよね。
めっちゃ可愛くて。最初は妹がハマってて、だぶった赤ちゃんをもらったんですよ。そしたら私もハマっちゃって。ちょっと大人になったからこそ、おもちゃって必要ないからこそ欲しくなっちゃうみたいな感じはあります。
──ギャンパレで活動していく中で、達成したい夢だったり目標、表現したいことなどがあれば教えてもらえますか?
大きなところでライブがしたいです。久しぶりにこの間東京ドームにライブを見に行ったんですけど、そのときに大きい場所でライブするのってすごく難しいんだろうなと漠然と思って。やっぱり一体感とかって広ければ広いほど難しいんだろうなとか勝手にいろいろ考えつつ、ライブハウスとはまた違った楽しさがあるんだろうなと思ったんです。私はライブハウスがすごく好きなんですけど、ライブハウスが好きだからこそ大きいとこでやってみたいし、大きいとこでやったらライブハウスをもっと好きになるんじゃないかって気持ちにもなりました。
──この記事を読んで、チャンベイビーさんを気になってる人に、自分のどんなところを見てほしいなと思いますか?
いまって生き急いじゃう世の中じゃないですか? そういうときに、ゆっくりしてる私をみてほしいなと思いますね。私はマイペースな人間なので。
──意外とマイペースなんですね。
すごくせっかちなところもあるんですけど、マイペースに生きてきたんです。私、3人兄妹の長女なんですけど、長女っぽくないとか、末っ子っぽいって言われるんですけど、なんでだろうなって思ったら、すごい自由に育てられてきたからだろうなと思って。自由に生きてきた人間として、マイペースに自分らしく頑張って生きていけたらいいなと思っています。
GANG PARADE 短期集中連載 一覧
Vol.1 ヤママチミキ編「1人ぐらいは自分のことを必要としてくれる人がいるんだよ、って伝えたい」
Vol.2 ユメノユア編「自分を救ってくれた、支えてくれたのは音楽だった」
Vol.3 キャン・GP・マイカ編「常に憧れられる存在でありたい」
Vol.4 テラシマユウカ編「不安定だからこそ面白い」
Vol.5 ココ・パーティン・ココ編「私の職業はアイドル、って言えてるのが本当に幸せ」
Vol.6 月ノウサギ編「自分を通してキャンパレを好きになってもらえたら嬉しい」
Vol.7 キラ・メイ編「遊び場を大きくしていきたい」
Vol.8 ユイ・ガ・ドクソン編「今までたくさんの人からもらったものへ恩返しをしたい」
Vol.9 ナルハワールド編「積み重ねてきたものを全部良いものにして大きいステージに立つ夢を叶えたい」
■リリース情報
GANG PARADEメジャー4thシングル『Priority』
2022年11月16日(水)リリース
価格:1,100円(tax in)
品番:WPCL-13427
収録内容:
1. Priority
2. MELT
購入リンク:https://GANGPARADE.lnk.to/4thSG
メジャー4thシングル「Priority」
9月19日(月)各配信サイトにて配信開始
https://gangparade.lnk.to/Priority
■ツアー情報
〈EVERYTHING MUST GO TOUR〉
2022年11月2日(水)@宮城 Rensa
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:G/I/P https://www.gip-web.co.jp/t/info
2022年11月10日(木)@東京 Zepp Haneda
開場/開演 17:30/18:30
お問い合わせ:KM MUSIC 045-201-9999
■イベント詳細
〈Even without BiSH, this is WACK〉
2022年11月23日(水祝)@千葉 幕張メッセイベントホール
時間:Open/Start 13:30/14:30
出演:ASP/BiS/ExWHYZ/GANG PARADE/豆柴の大群
[問] KM MUSIC 045-201-9999
料金:【通常チケット】全席指定 7,000円(税込)(入場時にドリンク代別途必要)
WACK 公式WEBサイト:https://www.wack.jp/
オフィシャルサイト:https://www.gangparade.com/