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【連載】テラシマユウカ「それでも映画は、素晴らしい。」Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』

StoryWriter

皆さん、こんにちは。

最近、日本アカデミー賞の発表がありましたね。映画好きとしてとても胸熱イベントでした。

最優秀作品賞に輝いた『万引き家族』、公開中に観に行った作品です。

家族の温かさ、社会と底辺の狭間での生活、日常を描いているようで非日常な光景を目の当たりにさせられて鑑賞後しばらく余韻が抜けませんでした。

特に樹木希林さんと安藤サクラさんの演技が脳裏に焼き付いています。安藤サクラさんは最優秀主演女優賞、樹木希林さんは最優秀助演女優賞、とお二人とも素晴らしい賞を受賞されています。

“家族”の在り方について考えさせられる素晴らしい映画でした。

樹木希林さんが出演されている、『日日是好日』も合わせて是非、ゆっくり味わって観てみてはいかがでしょうか。

* * * * * * * * *

ということで、

今週はBiS、アヤ・エイトプリンスのオススメ映画をご紹介します!

Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』

 

大晦日のパーティで偶然出会い一緒にデュエットを歌ったトロイとガブリエラ。意気投合した二人ですが、冬休みが終わると会えなくなってしまいます。しかしトロイはガブリエラを忘れることができずにいました。

そんなある日トロイの学校に転校生がやってきます。なんとそれはあのガブリエラだったのです! しかしバスケ少年であるトロイと優等生のガブリエラの間には接点があまりありません。二人をつなぐ唯一のもの、それは歌でした。

そこで二人は学校のミュージカルのために共にオーディションを受けます。今までずっとミュージカルの主役を務めてきたシャーペイは、ライバルが現れたことに腹を立て、弟のライアンと共に二人をおとしめようと様々な計画を立てて回りますが、どうもうまくいかない模様。

果たしてミュージカルの主役は誰の手に渡るのか!? そしてトロイはバスケを、ガブリエラは科学部を続けながら歌を歌うことができるのか?そしてトロイとガブリエラの恋の行方は…?

2006年にディズニーチャンネルのオリジナルムービーとして放送された作品です。

学生時代に音楽の授業で鑑賞して以来、久しぶりに観ました。ハイスクール・ミュージカルを観て、アメリカらしさ全開の学校に憧れた記憶があります。昔、シアトルの大学で数日間授業を受けた時に似た開放感のある無機質でない教室で、日本のよくある教室とは違った雰囲気が好きです。

トロイ役のザック・エフロンとガブリエラ役のヴァネッサ・ハジェンスは当時、実際に交際をしていたと話題になっていました。

トロイ役のザック・エフロン、実は第1作目では歌声はドリュー・シーリーという方が担当しており、ザックの声ではないそうです。2作目からはザック自身が歌っています。以前ご紹介した『ヘアスプレー』にもザックは出演しており、素晴らしい歌声を披露しています。

この作品では、高校生にありそうな思春期っぽい人間関係が繰り広げられています。自分が所属するグループ、チームの特色とは違ったことをやってみたくても周りが認めてくれなかったり、やりきれなかったり。周りの人間に染まるのではなく、いかに自分らしく生きれるかという本質が見えてきます。

仲間を気にして、自分らしく好きな事を出来なかったりする繊細な時期は必ずしもみんな通るのではないかと思います。

そんな、周りを気にして隠していた事を暴露しちゃうシーンがどんな子にも可愛いとこあるな、とみんな愛おしく見えてきて特に好きです。お菓子作りが趣味なバスケ部の子がギャップ萌え。”今までどおりが一番!”という仲間の声にはもどかしい気持ちになります。

https://youtu.be/Mh3Tu-zyNqY

そしてバスケの決勝戦中のトロイ、学力コンテスト中のガブリエラ、ライバルでミュージカルの主役を狙うシャーペイとライアン姉弟の最終オーディション。その3場面が切り替わりごちゃ混ぜになるシーンは過去に何度観ていてもドキドキソワソワします。

ラストにキャスト勢揃いで歌い踊る”We’re All in This Together”は代表的なシーン。

https://youtu.be/gbrbUfYSt0E

ライバルでおとしめようとしていたシャーペイとライアン含め、皆がラストでは心一つになりとっても感動的です。個人的な思い出ですが、体育祭でこの曲を踊ったのでとても思い入れがあります。

この作品を数年前に観た時の方が”青春”というものにグサグサと刺された気がしたので、できれば若い思春期の頃に観るべき作品かな、と思います。同時に、大人になるにつれて純粋な気持ちを忘れつつあるという現実に少し寂しくなりました。

純粋で真っ直ぐに分かりやすい、そんな青春ミュージカル映画でした。

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次回はいつも取材して頂いたりなどお世話になっているフリーライター平賀哲雄さんオススメの映画をご紹介します!

※「それでも映画は、素晴らしい。」は毎週火曜日更新予定です。

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)
【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
【連載】Vol.8『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(推薦者:松隈ケンタ)
【連載】Vol.9『シカゴ』(推薦者:ユイ・ガ・ドクソン)
【連載】Vol.10『トイ・ストーリー3』(推薦者:T-Palette Records 古木智志)
【連載】Vol.11『青春の殺人者』(推薦者:岩淵弘樹)
【連載】Vol.12『時計じかけのオレンジ』(推薦者:BiS ムロパナコ)
【連載】Vol.13『トレインスポッティング』(推薦者:蒲鉾本舗高政高政社長)
【連載】Vol.14『ドリーマーズ』(推薦者:美容室code+LIM ワタロー)
【連載】Vol.15『トゥルー・ロマンス』(推薦者:UGICHIN)
【連載】Vol.16『メリー・ポピンズ』(推薦者:ヤママチミキ)

テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

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