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【連載】WAgg ソロ・インタビュー Vol.9 マリン・バ「人に必要とされる存在にならなければいけない」

StoryWriter

BiS、BiSH、GANG PARADE、EMPiREのマネジメントを行うWACKが手がけるアイドル育成プロジェクト『WAgg』。「その後の進路はBiSに行ったり、BiSHに行ったりとか色々考えます」とアナウンスされており、WACKの将来を担う可能性に満ちたグループとなっている。

2018年9月9日にデビューを果たしたWAggは、定期公演でのライヴを中心に活動を続け、2019年3月24~30日の6泊7日にわたり長崎県の離島・壱岐島で行われた〈WACK合宿オーディション〉に参加(※愛を除く7人)。ナルハワールドがグループ初のGANG PARADEへの昇格を果たした。また、候補生のセントチヒロノイモウトのWAgg加入が決定した。

そんなWAggへのソロ・インタビュー連載2周目がスタート。

第1回目は、マリン・バ。WACK合宿オーディション2019に向け、過去に行われたオーデョションの傾向と対策をまとめるなどエネルギーと行動力に溢れるマリンは、合宿2日目、3日目で脱落者として名前を呼ばれてしまう。そして合宿4日目の朝、WAggメンバーの中で最初に帰路につくことに。そこで気づいたことを活かすため帰り道実家に寄って東京へ向かったというマリンは何を思い、どんな行動を起こしたのか。合宿のことから話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太


WAggが自分のゴールじゃない

──まずは合宿の話から訊きたいんですけど、マリンさんは合宿に向けた対策ノートを作るなど、かなり準備をして臨んでいましたよね。

マリン・バ :先輩グループに昇格するために過去の合宿を見直したんです。受かった候補生がどのくらいマラソンを頑張っていたのか、どれくらいデスソースを取りにいっていたのかを2017年の分は動画を観ながらノートに書いて。2018年はStoryWriterのレポートを印刷して、そこに書いていました。

──合宿に参加するにあたっての1番の目標はなんだったんでしょう?

マリン・バ :今年の1月に、ボイトレの先生から「今年の目標を決めなさい」って言われたんです。そのとき「今年中に絶対先輩グループに昇格したい」という目標を書いて、その手段として3月の合宿で最後まで残るということを決めていたんです。なので、先輩グループに入りたいと思って行っていました。

──先輩グループに入りたい気持ちもありつつ、WAggというグループへの愛着も湧いているのかなと思ったんですけど、そのあたりはどうでしょう。

マリン・バ :8人でライヴをするのは楽しいし、すごくバランスのいい8人だなと思っているので、他のグループみたいに「この8人でメジャーに行きたいんです」って言えたら分かりやすいのかもしれないけど、新年に渡辺さんからWAgg全員が呼び出されて「合宿で8人の中から合格者が出る可能性が高いから、8人でデビューは考えづらいよね」ってことを言われたんです。8人でいるときはグループのことを考えないといけないけど、WAggが自分のゴールじゃないから、自分が先輩グループに行きたいということも考えないといけないなと思って。

──WAggで活動してきた7ヶ月で、マリンさんはどういう部分を強化してきましたか?

マリン・バ :最初はダンスを頑張っていたんですよ。あるとき、歌割りが減った時期があって、歌もやらなきゃなと思って。合宿が近づいてきてからは、グループの先輩方はどういう人をほしいんだろうってことをずっと考えていました。各グループにエースはいるから、新しく加入することによってプラスになる後輩がほしいのかなとか考えたり。

──WAggでの活動当初から将来はプロデューサーになりたいということを話してくれていますが、そこはまったくブレていない?

マリン・バ :踏み台と言ったらダメですけど、そのためのワンステップだから、人に必要とされる存在にならなければいけないということはずっと思っています。

気持ちの部分は同じだったかもしれない

──そういう気持ちを持って臨んだ合宿、最初は松隈さんのスタジオでの歌唱審査がありました。だいぶ目立っていましたけど、動画は観返しました?

マリン・バ :あそこだけ観返していないんですよ。

──かなり目立っていましたけど、歌唱審査の手応えはどうだったんでしょう。

マリン・バ :手応えはないですよ! だって私、スタジオの中で候補生が歌っている間、立って見ていただけじゃないですか(笑)。あれで手応えを感じていたらやばくないですか(笑)?

──いや、あの動画は観返した方がいいと思いますよ。非常にシュールに映っていて、おもしろかったし、爪痕を残したなって(笑)。

マリン・バ :そうなんですか(笑)? 「サビで振り返って」とか「歌っている候補生の子を見ていて」って言われたので、じーっと見ていて。めっちゃ動じる子か、まったく動じない子のどっちかしかいないのが印象的でした。

──候補生の子たちは、マリンさんにどう映りましたか?

マリン・バ :シンプルに歌が上手いなと思いました。面と向かっているとき、覚悟して遠くから来たんだろうなと思って。私ももっと頑張らないとって。自分は〈WAggオーディション〉を受けに来たとき、親に「落ちたら交通費はバイトして払ったら」って言われたんですよ。私も背水の陣でオーディションに来ていたから、そのときのことをちょっとだけ思い出しました。

──候補生の子たちからしたらWAggは先輩な訳で、マリンさんはどういう気持ちで候補生と接していたんでしょう?

マリン・バ :気持ちの部分は同じだったかもしれないです。自分たちも「先輩グループに入れてください」って行く訳じゃないですか? 先にWACKに入ってはいるけど、帰宅する可能性もあったわけですし。

パニックになりました

──マリン・バさんは、合宿2日目の結果発表で脱落者として名前が呼ばれました。そのときは、どんな気持ちだったんでしょう?

マリン・バ :「なんで?」という気持ちはありませんでした。たしかに「今日、悪かったな」と思いました。冷静に考えると、ダメだったなって。

──何が悪かったなと思ったんですか?

マリン・バ :余裕がなかったんです。自分たちのチームの候補生を勝たせなきゃと思ってダンス審査の順位のことばかり考えてしまって。2回最下位になって、細かいダンスを厳しく教えたり、グループとして整って見せようとすることだけが合宿での正解ではないんだって。だから呼ばれたときは動揺はしませんでした。

──とはいえ、ショックですよね?

マリン・バ :ショックでした。

──そこから敗者復活(※一晩円周率を暗記して脱落者の中で一番長い桁を言えた1人が復活)に気持ちを切り替えて、円周率を一晩中覚え続けたわけですけど、電話番号みたいな感じで覚えたって言っていましたよね?

マリン・バ :前半は語呂合わせにして、途中は電話番号として考えて、最後は昔のクラスメイトの誕生日と照らし合わせていました。私、小中学校時代の人の誕生日を結構覚えていて。新しい人は覚えられないんですけど、小中の人の誕生日が頭から離れないんですよ。それを見て、誰々くん、誰々ちゃん、誰々ちゃん…… っていう風にして覚えて、朝だけで30桁足しました。最初は100桁しか覚えていなかったんですけど。

──100桁でもすごいと思いますよ。敗者復活戦に臨んだ4人の中で、1番手で円周率を言うポジション選びも戦略的だったんですか?

マリン・バ :はい。最初に言おうと決めていたので渡辺さんの1番近くに座ったんですよ。

──そして見事敗者復活を遂げた3日目の夜、再び脱落者に選ばれてしまいます。2日連続で名前を呼ばれて、どんな心境だったんでしょう。

マリン・バ :その日から「候補生が一緒に仕事したくない票」というのが始まり、私が選ばれていて。そこで、ちょっとパニックになりました。「スタッフさんが一緒に仕事したくない票」はあったけど、なにそれ? って。候補生の子からマリン・バのグループ入りたくないなと思われていたのかなと思って……。

──気持ちは折れなかった?

マリン・バ :円周率のときに折れていますよ(笑)。その日の敗者復活は大貧民だったんですけど、私はルールを知らなかったのでウタちゃんと何回か一緒にやって。消灯のときにトランプが没収されたので、そこからは勝ち方を調べていました。

──円周率のときのように、どんな戦略を立てたんでしょう。

マリン・バ :前日の大貧民の練習で、ポリ・ウブが全然参加していなかったんですよ。だから強いのか弱いのか分からなくて。念の為、絶対にポリ・ウブの横には座らないでおこうと思ったんです。どういう手を見せてくるのか見てから私がカードを出した方がまだ勝ち目があるのかなと思って。そういうことを考えて、自分の席を選んで座りました。

こじれた関係を少しでも戻したいなと思って

──やれることをやり尽くしましたが、大貧民では勝つことができず、東京に戻ることになりました。帰りの道はどんなことを思いながら帰ったんでしょう?

マリン・バ :合宿を通して、グループとしてやっていかないといけないのに、候補者に仕事をしたくないと思われていたことの原因を考えていたんです。すぐにはわからなかったけど、実は親ともあまり仲が良くなかったから、親のところに行って報告しようと思って。それで実家を経由して東京に戻りました。ちゃんと親に「ありがとう」って言って、こじれた関係を少しでも戻したいなと思って。

──ちゃんと自分の気持ちを伝えて関係は少し修復した?

マリン・バ :帰り際に、パパとママは泣いていました。

──マリンさんは自分の気持ちをちゃんと伝えられる人だなと思うんですけど、どうしてご両親とあまり関係がうまくいっていなかったんでしょう。

マリン・バ :当時、私が塾にいっぱいいっていて、あまり家にいなかったんですよ。ママも忙しくてお互いすごくイライラしていて。その状態から、たいして話もしないまま上京してきたから関係が悪かったんです。

──それが、ずっと心に引っかかっていた?

マリン・バ :いや、そこまで考えられていなくて。けど、合宿で脱落したとき、渡辺さんから「今じゃなかった」って言われたんです。そこで今自分がしてこなかったことはなんだろうと思ったら、人間関係を作ってこなかったことなのかなと思って。WAggも仲が良いんですけど、人前に出たときにそういう関係を出せなくて。メンバー間をオープンにできる関係が作れなかったのかなとか思って、実家にも帰ったし、壱岐に戻ったときにも部屋でWAggメンバーと話しました。

──ナルハワールドさんがGANG PARADEに昇格しました。その発表を聴いたときはどんな気持ちだったんでしょう?

マリン・バ :意外でした。

──意外?

マリン・バ :“ギャング”じゃないじゃないですか(笑)? それが意外で、びっくりしました。

──あはははは。

マリン・バ :1番ダメなのは、WAggから7人が参加したのに1人も合格者が出ないことだったので、そこはよかったなと思って。あんなに大人数で行ったのに、1人も動きがないっていうのはダメじゃないですか。

──WAggというグループから合格者が出たということは、この先の希望にもつながりますしね。

マリン・バ :素晴らしいことだと思います。WAggは即戦力を育てるグループだから。メジャーデビューするGANG PARADEに即戦力として加入するメンバーが出たのはいいこと。ナルちゃんもそうですし、合宿を通して他のメンバーもちゃんと踊れるんだぞということを多少は見せられたんじゃないかなって。

──候補生の中から、セントチヒロノイモウトがWAggに入るということに対してはどんなことを思いましたか。

マリン・バ :イモウトは、1番目に見えて分かりやすい変化があったと思うんですよ。声も出るようになったし、表情が変わったりもして。イモウトの合格後のコメントも読んだんですけど「まだ力不足だから研修生グループのWAggに合格したと思うから、もっと頑張りたい」みたいなことを言っていて。今後は、「合宿のときに比べてイモウトが化けたよね」って言われないと私たちの成功にならないなと思います。渡辺さんが、イモウトは変わると思ってWAggに入れたと思うので変えなきゃいけない。

ライヴも1個1個がチャンス

──ナルハさんが卒業するまでに、今の8人を完成させたい気持ちはある?

マリン・バ :私たちは研修生なんですけど、この8人じゃなきゃダメだって形を作った上でナルちゃんが旅立っていくというのがベストだと思っていて。ナルちゃんがギャンパレに行くのは嬉しいけど、この8人がいいんだよと思ってくれる人が増える1ヶ月にしたいです。

──合宿が終わったばかりですが、現状はどこに目標を定めていますか?

マリン・バ :せっかく合宿に参加させていただいたので、4月中にちゃんと動画を観返して、自分のどこがダメだったか、もっとこうしたらよかったというところを考えられるようにしたい。あと、渡辺さんは「WAggにとって、合宿だけがチャンスじゃない」って言っていて。今までもWAggは先輩グループのオープニング・アクトに出させてもらっていたにも関わらず、先輩グループに「ほしい」と思ってもらっていなかった。ライヴも1個1個がチャンスなので、それを意識してやっていきたいです。

──結果的に、合宿参加はポジティブに未来に繋がるようなものになったと思いますか?

マリン・バ :それこそ合宿後のインタビューでも言ったんですけど、グループとして関係性を作れないとか、気持ちに余裕がなくなるとか、感情が前に出すぎるというのは、仮に合宿最終日まで残ったとしても東京に戻ってぶつかる問題だったと思うので、そこ気づけたことはとてもよかったなと思います。めちゃくちゃ悔しいですけどね。

──前のめりな気持ちはすごく重要だし、エネルギッシュだとは思うんだけど、どうやってコントロールしていくかで大きく変わるかもしれないですね。

マリン・バ :今週のボイトレで先生に「自分の前のめりさは、オーディションの場とかでは長所なのかもしれないけど、グループになったら短所になるかもしれない。それを学びました」ってことを言ったら、「それは短所じゃなくて、別の力だから」って言ってもらって。前のめりな自分を持ったまま、グループのことを考えて、あまり前に出さないということをプラスしたいなと思います。

──合宿を機にWAggも知られて、ここからみんな飛躍していってくれることを楽しみにしています。

マリン・バ :合宿を通して、メンバーの半分のTwitterフォロワーが1万人にいったんですよ。でもまだライヴに来たいって気持ちにまでさせられてないなと思っていて。合宿で知ってくれた人にライヴまで来てもらうためには、いいライヴをしなきゃいけないんですよ。いいメンツが揃っていますだけじゃなくて、いいメンツでこんなライヴをしていますということを伝えないといけない。去年以上にライヴを頑張るので、お披露目以来来ていないという人にも、合宿で知ってくれた人にもライヴに来てもらえるよう頑張ります。


これまでのWAggインタビューをあわせてチェック!
WACKを揺るがすかもしれない8人の女の子たち──アイドル育成プロジェクト“WAgg”初インタビュー
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」
Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」
Vol.6──愛「もっともっと意識を高く持ちたい」
Vol.7──サアヤイト「8人の個性が伝わるようなグループにしたい」
Vol.8──ハナエモンスター「8人で会場を埋められる存在になりたい」


WAgg PROFILE

マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター

■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/

・WAgg Official Twitter
WAggidol

・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg

WAgg「WAggs」

2019年5月1日(水・祝)大阪府 ROCKTOWN
2019年5月4日(土・祝)宮城県 enn 2nd
2019年5月6日(月・振休)愛知県 RAD HALL
2019年5月12日(日)新潟県 柳都SHOW!CASE!!
2019年5月19日(日)埼玉県 浦和ナルシス ※ナルハワールド卒業公演
2019年5月26日(日)東京都 TSUTAYA O-nest ※セントチヒロノイモウト(仮称)お披露目公演

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