WAggの個別インタビュー2周目の第4回目に登場するのは、ハナエモンスター。2019年3月に行われたWACK合宿オーディションに参加するも、4日目で脱落、悔し涙を飲んだ。普段のグループ内では自分の意見を積極的に言うハナエだが、先輩が参加した合宿内では自分を全面的に前に出すことができなかったという。この合宿を通してハナエは何を感じ、どんな課題を持ったのか。話を訊いた。
インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太
思っていることはあるけど、全部は言えなかった
──率直に、WACK合宿オーディションを振り返ってみてどうでしたか?
ハナエモンスター:正直、得たものはすごくたくさんあったんですけど、つらかったことも多くて……いい思い出ばかりではないです。
──何が1番つらかったですか?
ハナエモンスター:練習の時間がつらかったです。WAggメンバーや候補生だけのグループだったら自分の意見や思っていることを言えるんですけど、先輩と一緒になったとき、あまり自分から前に出ることができなくて。思っていることはあるけど、全部は言えなかった。そこに対しての後悔もあるし、つらかったなというイメージです。
──WAggの8人の中だと思えることは言えるのに、先輩がいると言えないと。
ハナエモンスター:WAggの中ではたぶん1、2番目くらいに物言う人なんですよ。だけど、先輩がいると気を遣っちゃって、なかなか言い出せませんでした。
──それはかつて所属していた学校の部活動の影響もあるのかもしれないですね。よくも悪くも上下関係が厳しかったということを言っていましたもんね。
ハナエモンスター:それはあると思います。合宿では先輩が「今はチームだから敬語遣わなくていいよ」って言ってくださったんですけど、ずっと敬語で喋っちゃいました。
──候補生に対してはどのような姿勢で取り組もうと考えていたんでしょう。
ハナエモンスター:候補生に対しては、先輩として積極的に教えていました。でも、先輩がいるところでは自分のことで精一杯になっちゃって……。この合宿は、もっと先輩方と話して距離を縮められたらもっと合宿オーデイションの中で成長できてたのかなと思うので、そこは後悔があります。
他人事じゃないんだって
──ちょっと遡って話を聞きたいんですけど、合宿前に行くかどうかで悩んだりはしましたか?
ハナエモンスター:私は最初から行くって決めていました。今まで「やればよかった」と思うことが人生において多くて。行かずにニコ生で観ていたら後悔する気がしたので、悩まず行こうと思っていました。去年まで画面越しに観ていた合宿に行けることがすごく嬉しかったです。
──2018年の合宿を描いた映画『世界でいちばん悲しいオーディション』では、合格者と脱落者の裏側が描かれてますが、あの映画を観て対策はしましたか?
ハナエモンスター:何回も観ました。アン(※ア・アンズピア)ちゃんもやっていたんですけど、映画に出てきたあまりお手本にしちゃいけないシーンを見終わった後に一生懸命メモしてました。
──合宿に行くにあたって、自分の中で大切にしようと決めていたことはありますか?
ハナエモンスター:まずスタッフさんに好かれなきゃいけないなということを映画で学んだので大切にしていて。あと、帰りたいとかマイナスの言葉は、絶対渡辺さんに見透かされていると思ったのでポジティブにいこうと決めていました。
──自分で気をつけないとネガティブになってしまいがちなんですか?
ハナエモンスター:「むりー」とか言っちゃうんですよ。普段は気をつけてスタッフさんと接していているんですけど、たまに余計なこと言っちゃったりするので、そこを気をつけなきゃなって。
──今回から、スタッフが一緒に働きたくない投票というシステムが取り入れられましたが、どんな気持ちで合宿中、向き合っていたんでしょう?
ハナエモンスター:私は挨拶が1番大切だと思っていて。挨拶と人に迷惑をかけたり面倒くさがられないようにすれば、働きたくないと思われることもないと思っていたので、あまり気にしてはなかったです。
──合宿2日目にして、マリン・バさんとサアヤイトさんが脱落者として名前を呼ばれてしまいました。あの瞬間、どういうことを思ったんでしょうか?
ハナエモンスター:こんなに早く結果が出ちゃうんだなって。正直、WAggは3、4日目ぐらいまで残って、1人ずつポツポツ脱落者が出てくるのかなと勝手に思っちゃっていたので、まさかこんなに早くメンバーが欠けちゃうんだというのは驚きでした。悲しい複雑な気持ちにもなったし他人事じゃないんだって。
──脱落者発表のとき、どんな気持ちでしたか?
ハナエモンスター:名前を呼ばれたら終わりなので、怖くてそわそわしていたんですけど、次にWAggで誰か落ちちゃうのかなということも不安でした。
半年間で何も変わっていないなって
──初日、2日目くらいは、WAggの集客が落ちていることやパフォーマンスのことも渡辺さんから言われていました。どんな気持ちで聞いていたんでしょう?
ハナエモンスター:私たちが今悩んでいることを全て言われた、という感じでした。本当に集客が伸び悩んでいて、どうしたらいいかが分からなくて。合宿に行く前、渡辺さんから集合がかかって「WAgg8人でデビューさせることは考えていないかな。活動の仕方をもうちょっと改めた方がいいんじゃない?」って話をもらっていて。私たちは渡辺さんの伝えたかったことと違う解釈をして「個人戦なんだ」と思っちゃったんですよ。そこからしばらく個人個人バラバラに進む感じがあって、それが合宿では仲悪いように観られていたみたいで。本当は全然仲が悪くないので、そこは間違っていたなと思います。
──合宿前の定期公演でも、チーム感は崩れてきてしまっていた?
ハナエモンスター:MCで自分の目標を語ったり、自分のことばかりになってしまっていたところはあると思います。メンバー1人1人がTwitterで1万人フォロワー達成する目標があったんですけど、グループ全員で話し合って頑張るというか、「じゃあ今日はこうしようね」というのもあまりできていなかったのかなって。
──どのタイミングでそういう状態に気がついたんでしょう?
ハナエモンスター:渡辺さんから「仲悪く見える」と指摘していただいたり、ニコ生のコメントやTwitterを観ていても、仲悪く見えていたようなコメントが多くて。マリンちゃんが人とコミュニケーションが取れる人なので、候補生とか先輩方に積極的に話しに行っていたんですね。でも、私や他の子たちはあまりそういうことができなくて固まっちゃったんですよ。それが、マリンちゃんを仲間外れにしている感じに見えちゃっていたらしくて。私たちも積極的に話しに行けばよかったなって反省しています。 この間、渡辺さんに「合宿どうでしたか?」って訊いたんです。そしたら「出るときは前に出るけど、出ないときは本当に出ない。全てにおいて平均点。だから目立ってない」って言われて。さっき話したみたいに、先輩がいるときにも前に出られていたら、もっと目立っていたのかなと思いました。
──それが今のハナエさんにとっての課題点?
ハナエモンスター:顔出し前のインタビューで、「私は平均点で生きてきたから凡人になりたい」って言ったんですけど、この半年間で何も変わっていないなということに改めて気づいて。そこは課題が1つ見つかったなって思います。
「primal.」は特に歌詞と合宿が重なる部分があった
──最終日の〈WACK EXHiBiTiON〉で、久しぶりに8人揃ってライヴを行いました。振り返ってみると、どんなライヴでしたか?
ハナエモンスター:会場に入る前、1回全員で集まったんですよ。時間的に会えなかった人は電話で参加して。「明日のエキシビションのライヴはこの8人の最後のライヴだと思って臨もう」って話をして、その気持ちでライヴしました。なので、感情はめちゃくちゃこもったライヴになっていたかなと思います。
──今までのWAggは、100kmマラソンや24時間イベントといったドラマが起きる企画をやってきていなかったので、曲とグループの物語が結びつきづらかったと思うんですけど、合宿を経たことで、いつものライヴとは違うものになったのかなと思いました。
ハナエモンスター:「primal.」の最後に〈見えない〉って歌詞があって、そこの振りが愛ちゃんと手を合わせて目を合わせる振りだったんですけど、2人でうるうるきちゃって。「primal.」は特に歌詞と合宿が重なる部分がありました。
──先ほど「8人最後のライヴになるだろう」と言っていたのは、誰か昇格する人が出るだろうと思っていたんでしょうか?
ハナエモンスター:8人中3人が残っていたので、誰かしら何かの動きがあるんだろうなとは思っていて。誰が落ちた落ちていない関係なしに、成長の結果を見せるために、そして感情を入れるためにも、この8人で見せられる最高のものをやろうと思っていて。そのために、合宿の全てをぶつける気持ちと、今までの後悔と、これからどうなるか分からない気持ちをぶつけました。
──ナルハワールドさんがGANG PARADEに昇格する発表がされたときはどんな気持ちだったんでしょう?
ハナエモンスター:WAggから昇格者が出ることはグループの目標だったので、自分のことのようにめちゃくちゃ嬉しかったです。ただ、半年間この8人でやってきたし、最近ナルちゃんともめっちゃ仲良くなったので悲しい気持ちや、さみしい気持ち、新しい体制になる恐怖もありました。また0から新グループとして始まる恐怖はありました。
──同時にイモウト(仮称)のWAgg入りも発表されましたね。
ハナエモンスター:8人で作り上げたものがすべてではないけど、ちょっとずつ変わっていくというのが怖いという気持ちもあるし、楽しみという気持ちもどっちもありました。
研修生グループという枠から抜け出したい
──現体制でのライヴも残りわずかですが、どんなライヴにしたいですか?
ハナエモンスター:もっとこの8人を観ておけばよかったと後悔させるような最高のライヴにしたいです。今まで観てきたお客さんにも、この8人じゃなきゃ嫌だと思わせられるライヴにしなきゃいけないなと思います。
──そのためには、バラバラな方向を向いてしまった状況を変えなきゃいけないと思います。そのあたりは、合宿が終わって変わってきましたか?
ハナエモンスター:今チケットがどのくらい売れているかということを、定期的にウタちゃんとかが自分で調べてLINEグループに載せてくれるんですよ。今これぐらいの数字だから、もっとTwitterで宣伝するべきなのかなとか、どうすればいいんだろうというのを全員で考えるようになりました。Twitterの使い方も話して、どうしたら観てもらえるのかとか結構話し合っています。
──5月26日にはイモウト(仮称)が入って新しい体制になる訳ですけど、WAggをどんなグループにしていきたいですか?
ハナエモンスター:心機一転、新しいものを見せられたらなと思います。毎回毎回、最高を更新していかなきゃと思っているので、うわ、この8人もやばいじゃん! この8人の方がやばくない? って思わせないと、前には進めないと思うので1期のWAggを越えていく勢いで、2期のWAggも頑張ります。
──WAggはメンバーがグループの仲間でありながら、ライバルでもあるわけじゃないですか。そんな状況の中で何が1番活動のモチベーションになっていますか?
ハナエモンスター:前は個々が別々の場所を見ていたんですけど、今は切磋琢磨し合って、助け合って自分たちを高め合うようになっていて。ただ、ライヴではみんな同じでは意味がないので、自分が主役だと思ってやっています。
──最終的に、先輩グループに昇格したいという気持ちは強いですか?
ハナエモンスター:昇格もそうなんですけど、研修生グループという枠から抜け出したくて。研修生だと、女川みたいにWACKだけで出るライヴに出られなかったり、出れたとしても5分、10分とかなので。研修生グループからは抜け出すというか、上に行かないといけないなという気持ちは合宿前も今も変わらないです。
──可能性の話ですけど、この8人で、BiSやGANG PARADEと同じようなグループになりたいなという気持ちもどこかにあるんでしょうか?
ハナエモンスター:あります。例えば、合宿にT-Paletteの古木さんがいたので、もしかしたらWAggがT-PaletteさんからCDリリースが出来るかもしれない、ここが見せ場なんじゃないかという話をしたりしてて、めちゃくちゃ頑張りました。全然諦めている訳じゃなくて、もしかしたらワンチャンスあるかもという気持ちはあります。
──1人ずつ昇格するのもそうですし、グループごと上に上がるというのも考えて日々切磋琢磨しているんですね。
ハナエモンスター:一緒に歩んできたみんなで上に上がれるのが本当は1番いいのかなと思っています。いろんな可能性があると思うので、常にできることを考えてやっていきたいです。
これまでのWAggインタビューをあわせてチェック!
WACKを揺るがすかもしれない8人の女の子たち──アイドル育成プロジェクト“WAgg”初インタビュー
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」
Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」
Vol.6──愛「もっともっと意識を高く持ちたい」
Vol.7──サアヤイト「8人の個性が伝わるようなグループにしたい」
Vol.8──ハナエモンスター「8人で会場を埋められる存在になりたい」
Vol.9──マリン・バ「人に必要とされる存在にならなければいけない」
Vol.10──ナルハワールド「ギャンパレに新しい何かを与えられる存在になりたい」
Vol.11──ア・アンズピア「WAggのグループとしての結束を固めて突き進んでいきたい」
WAgg PROFILE
マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / ア・アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター
■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/
・WAgg Official Twitter
@WAggidol
・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
ア・アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg
WAgg「WAggs」
2019年5月4日(土・祝)宮城県 enn 2nd
2019年5月6日(月・振休)愛知県 RAD HALL
2019年5月12日(日)新潟県 柳都SHOW!CASE!!
2019年5月19日(日)埼玉県 浦和ナルシス ※ナルハワールド卒業公演
2019年5月26日(日)東京都 TSUTAYA O-nest ※セントチヒロノイモウト(仮称)お披露目公演
料金:4,000円(tax in.)(オールスタンディング/入場整理番号付/入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可
※ダイブ/サーフ/モッシュ/リフト禁止
チケット:http://w.pia.jp/t/wagg/