2019年3月に行われたWACK合宿オーディションに参加、最終日まで残るも昇格には至らず悔し涙をのんだウルウ・ル。相手が候補生でも「どんな子にも同じ立場で接するように気をつけていました」と語るウルウ・ルは、多くを語らないかもしれないが自分の信念を持って活動に臨んできた。誤解されることも多いという彼女は、合宿を通して何を得たのか。ウルウ・ルの2回目の単独インタビューを行なった。
インタヴュー&文:西澤裕郎
構成:横澤魁人
写真:外林健太
どんな子にも同じ立場で接するよう気をつけていた
──WACK合宿オーディションに参加するにあたって、行くのを辞めようかなと悩んだりしたことはありましたか?
ウルウ・ル:あまりなかったですね。不安はたくさんあったんですけど、悩むんじゃなくてその不安を潰していこうという気持ちで合宿に挑みました。もともとマラソンも全然走れないし、不安な箇所や気持ちがたくさんあったので、その気持ちを全部抱えて合宿に行くと絶対メンタルが持たないだろうなと思って。みんなやっていたとは思うんですけど、毎日走れば走れるようなると思ったので、マラソンは走って準備をして不安をできるだけ潰して臨みました。
──2018年の合宿を描いた映画『世界でいちばん悲しいオーディション』では、ニコ生などで表に出ないようなところも描かれていました。あの映画を観て、自分はこうやって臨もうという対策はしましたか?
ウルウ・ル:あの映画を見て、どんなことになったとしても、諦めてもういいやとは絶対にならないぞと決めて合宿に臨みました。
──WACK合宿オーディションを振り返ってみて、何を1番思い出しますか?
ウルウ・ル:ダンス審査の練習の時間のことを思い出します。候補生の子が年下の子だから優しくするとか、妹扱いをするとかはしたくなくて。どんな子にも同じ立場で接するように気をつけていました。同じ立場として接していたからこそ、候補生の子が気軽に質問してくれたのかなと思っていて。同時に、周りの人から見たら、優しく教えている風に見えないのかなとか、周りの目線が気になったりはしました。渡辺(淳之介/WACK代表)さんと話したときにも「その場での行動の正解が分からない」って言ったんですけど、正解が分からなくて。
──これまで貫いてきた他人との接し方がカメラに映ったとき、どう見られるか気になっていたと。スタッフ投票もあったわけですしね。常にカメラで撮られるというのはどうでしたか?
ウルウ・ル:私は結構毒舌だったりもするので、「クールだね」とか、勘違いされることも多くて。普段生きている中では、それで嫌われるってことはないんですけど、カメラに一部分が映って勘違いされて嫌われるのはめっちゃ怖いなってずっと思っていました。
──今年は「スタッフさんに気に入られなきゃダメだよ」ということを去年以上に言われていた合宿だったと思ったんですけど、ウルウ・ルさんはどうやって受け止めていました?
ウルウ・ル:それはあまりよく分かってなくて。基本的な挨拶とかは、絶対しなきゃいけないと思ってしていたんですけど、自分からスタッフさんに話しかけたりとかはあまりできなかったかな……。 スタッフさんと話して、いい子だなって思われなきゃいけないのに、話しかけたとしても会話を続ける能力が低いので、自分でも下手くそだなと思っていました。
足がしびれていることに集中していました
──合宿を振り返ってみて、1番しんどかったことや辛かったことは何でしたか?
ウルウ・ル:毎日WAggのメンバーが落ちていくのがつらかったです。一緒に練習したグループの候補生の子とかも落ちていくのを見ているのもつらかった。
──2日目には、マリン・バさんとサアヤイトさんが脱落者として呼ばれました。あの瞬間はどんな心境でしたか?
ウルウ・ル:発表の瞬間、頭が真っ白になりました。感情がぐちゃぐちゃというか、あの時のことは今でもよく思い出せないですね。
──毎日、WAggのメンバーが脱落していく中、脱落者発表の時はどんなことを考えながら結果を待っていたんでしょう。
ウルウ・ル:ほおっておくと、自分が落ちることを予想したり全部の可能性を頭で考えてしまうタイプなんです。考えていたらそうなっちゃう気がしたので、正座をして足がしびれていることに集中していました。違うことを考えていた方がいいのかもしれないと思っていたので。
──足をしびれさせることに集中していたんですね(笑)。ウルウ・ルさんは最終日まで残ることができた訳ですけれど、最後まで残れる自信はあったんでしょうか?
ウルウ・ル:いや、ダンス審査とかもあまり上位を取れていなかったので、毎日怖いなって思っていました。
──逆に、合宿中で1番楽しかったこと、わくわくしたことはなんでしたか?
ウルウ・ル:最後のダンス審査で、WACKの先輩方とWAggのメンバー2人とBiSHの「オーケストラ」をやったんですけど、それは楽しかったです。
──色々な曲を発表していた中で、「オーケストラ」が1番楽しかった理由ってなんなんでしょうね。
ウルウ・ル:合宿の途中までは、自分がやりたいパートがあっても、自分が歌うより他の子が歌った方が全体がよくなるならと思って、候補生の子にパートを譲って歌ってもらったりしていたんです。でも、渡辺さんと面談をした時に、「失敗をしてもいいから恐れないでやってみたり、言ってみたりした方がいい」って言っていただいて。「オーケストラ」では落ちサビをやりたいとずっと思っていたので、パートを決めているときに「やりたいです」って言ってやらせていただきました。自分のやりたかったパートができたし、一歩踏み出せた感じがして、すごく嬉しかったです。
──勇気を振り絞って、自分の希望を言えたんですね。
ウルウ・ル:ここで自分がしたい事を言えないと、この先何も上手くいかないなと思って。
戦友なのかなと思って
──WAggでの活動初期と比べて、声もすごく出るようになったと思います。WAggでの活動を通して、自分に自信がついたり、変われたと思うところもあるんじゃないですか。
ウルウ・ル:WAggで活動し始めた頃の私は、本当に自信なさげな顔をしていて、会う人、会う人に心配されてたんです。ダンスが本当にできないし、覚えられなくて、スタッフさんにも「大丈夫?」って心配されて。合宿中も、変な踊りとかしてもらって励ましてくれたことが2回くらいあったんですけど、それだけで涙が出そうになったりもしました。合宿に行くまで、自分はそんなに弱い人間ではないと思っていたんですけど、今思うと自信がなくなっていたんだと思います。あと、自信がなさそうな顔をしていると、周りの方々にもそう見えちゃうんだなとも思ったので、明るい顔をして自信を見せていこうとか意識するようになりました。歌とかを褒めてもらったりするようになってきて、自信がつくようになりました。
──活動当初の自分を振り返ると、そんなに自信なさげだったんですね。
ウルウ・ル:めっちゃ幸薄そうですよね(笑)。GANG PARADEさん、EMPiREさんと3マンライブをしたとき、カミヤサキさんに「めちゃくちゃよくなったね」って声かけていただいたり、MAYU EMPiREさんに「変わったね」とか言っていただいて。サキさんもMAYUさんも最初の頃教えてくださっていたので、そういう言葉で自信がつきました。
──WAggのメンバーは、グループの仲間でもあり、ライバル関係でもあると思うんですけど、ウルウ・ルさんはWAggのメンバーのことをどういう風に捉えているんでしょう?
ウルウ・ル:合宿前に、渡辺さんから「グループ全体を考えすぎるより、個人で考えてみた方がいいかもね」って言われたんです。どういうことかなと悩んだんですけど、個人で考えすぎてもいけないけど、グループで考えすぎてもいけない。戦友っていう言葉があるじゃないですか。それなのかなと思って。そう捉えています。
──合宿最終日に行われたフリーライブ〈WACK EXHiBiTiON〉では、久しぶりに8人揃ってライヴを行いました。どんな気持ちで臨みましたか?
ウルウ・ル:Twitter上でも、「合宿で成長したね」って言ってもらっていたので、成長した姿をちゃんと見せなきゃいけないなと思っていました。でも緊張したらその成長を見せられないとも思ったので、いつも通りの気持ちでやろうと思ってライヴに臨みました。
──〈WACK EXHiBiTiON〉でのライヴの手応えはどうでしたか?
ウルウ・ル:ライヴをしたのは3曲だったんですけど、私はサビに歌割りがない3曲で。Aメロ、Bメロとかを自分の得意な音程だからこそしっかり歌わないといけないなと思っていました。そのイメージ通りにはできていたんじゃないかな。久しぶりに8人でやったのにこれまでに増して揃っていると実感できたし、楽しかったです。
泣かないように涙腺をめっちゃ締めていました
──ライヴ後、合格者発表がありました。ステージ上ではどんな心境だったんでしょう?
ウルウ・ル:全部淡々と進んでいったっていう印象ですね。発表までは先輩方のライヴをずっと観ていて、発表の直前にステージに出たんですけど、慌ただしく何も思う暇もなかったので、そこも無という感じでした。
──もしかしたら自分の名前呼ばれて、先輩グループに昇格するかもしれないという欲は出なかった?
ウルウ・ル:そういうときに何も考えないようにしてしまうタイプなんですよ。だから0、無という感じで。
──ナルハワールドさんがGANG PARADEに昇格と言われたときはどんな気持ちでしたか?
ウルウ・ル:「すごい!」って素直に思いました。おめでとうという気持ちと、うわー本当に昇格者が出るんだって。
── 嬉しい反面、この8人がもう最後なのかという寂しさもあったんじゃないですか?
ウルウ・ル:おめでとうと思ったあとに、ナルちゃんがいないステージのこととかがパッと頭の中に浮かんできました。うまく想像がつかないというか。あーいなくなっちゃうのかって思うと、 ナルちゃんの昇格は嬉しいんですけど、よく分からない自分がいました。
──最終的に、先輩グループへの昇格者としてウルウ・ルさんの名前は呼ばれませんでした。それに対してはどんなことを思いましたか?
ウルウ・ル:発表が全部終わって、7日間が急に終わった感じがして……。こんな急に終わってしまうものなんだと思ったら気持ちがついていかなくて。あのときのWAggはナルちゃんの昇格が決まって、おめでとうの空気だったじゃないですか。それなのに自分のことを考えて、そこで泣いたりとかしたら絶対ダメだなと思って、泣かないように涙腺をめっちゃ締めていました。先輩が「おつかれさま! 頑張ってたね」って言ってくれた時、ちょっとボロって泣きそうになったんですけど、すぐ引っ込めて。ここで泣いていたら絶対やばいと思っていました。
──涙はずっと我慢しきれたんですか。
ウルウ・ル:サアヤイトが部屋に来てくれて話した時、「我慢していると、その気持ちを一生引きずるから、我慢しないで全部泣いちゃった方がいいよ」って言ってくれて。お家に帰って泣かなきゃいけなかったと思うんですけど、サアヤイトがそうやって言ってくれて、その後すぐにめっちゃ泣いちゃいました。
今までで「1番よかった」と言われるライヴにしたい
──合宿が終わって1ヶ月くらい経ちましたけど、自分の中での次の目標は見えましたか?
ウルウ・ル:ダンスが課題だなと思っています。スタッフさんに「ウルウ・ルは体型的に手足を伸ばしていてもわかりづらかったりするから、もっと激しく動いた方がいいよ」って言われていて。歌も課題です。それと、WAggとしてダンスの細かいところがやっぱり揃っていないので、ちゃんと揃えたいです。
──ナルハワールドさんを入れた8人でのライヴも残りわずかです。8人体制最後のライヴはどんなライヴにしたいですか?
ウルウ・ル:後悔がないように、今までで「1番よかった」と言われるライヴにしたいです。
──5月26日にはセントチヒロノイモウト(仮称)が入ってきて新しい体制になるけれど、新しい体制のWAggはどんなグループにしていきたいですか?
ウルウ・ル:ナルちゃんがいたときとはまた違うWAggになると思います。ナルちゃんがいた時期も「よかったね」って言われたいんですけど、イモウトが入ったWAggも「この8人もめっちゃいいね」って言われたいです。
──合宿を通してメンバーの昇格や入れ替わりなど様々な経験をしたわけですけど、先輩グループに昇格したいという気持ちは強くなっていますか?
ウルウ・ル:そうですね。そのためには、WAggがいいグループにならないといけないと思っていて。なので、WAggでデビューさせたいと思われるぐらいいいグループにしたいという気持ちもあります。同時に、先輩グループに行きたいという気持ちも両方あります。
これまでのWAggインタビューをあわせてチェック!
WACKを揺るがすかもしれない8人の女の子たち──アイドル育成プロジェクト“WAgg”初インタビュー
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」
Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」
Vol.6──愛「もっともっと意識を高く持ちたい」
Vol.7──サアヤイト「8人の個性が伝わるようなグループにしたい」
Vol.8──ハナエモンスター「8人で会場を埋められる存在になりたい」
Vol.9──マリン・バ「人に必要とされる存在にならなければいけない」
Vol.10──ナルハワールド「ギャンパレに新しい何かを与えられる存在になりたい」
Vol.11──ア・アンズピア「WAggのグループとしての結束を固めて突き進んでいきたい」
Vol.12──ハナエモンスター「上に行かないといけないなという気持ちは変わらない」
WAgg PROFILE
マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / ア・アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター
■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/
・WAgg Official Twitter
@WAggidol
・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
ア・アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg
WAgg「WAggs」
2019年5月12日(日)新潟県 柳都SHOW!CASE!!
2019年5月19日(日)埼玉県 浦和ナルシス ※ナルハワールド卒業公演
2019年5月26日(日)東京都 TSUTAYA O-nest ※セントチヒロノイモウト(仮称)お披露目公演
2019年6月2日(日)名古屋 CLUB 3STAR IMAIKE
2019年6月16日(日)大阪 club MERCURY
2019年6月23日(日)東京 TSUTAYA O-Crest
2019年6月30日(日)仙台 LIVE HOUSE enn2nd
料金:4,000円(tax in.)(オールスタンディング/入場整理番号付/入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可
※ダイブ/サーフ/モッシュ/リフト禁止
チケット:http://w.pia.jp/t/wagg/