【連載】WAgg Vol.15 サアヤイト「いろいろな事を吸収して、殻を破った自分を楽しみにしている」

2019年3月に行われたWACK合宿オーディションに参加するも、2日目に脱落を言い渡されたサアヤイト。普段の活動の中でメンバーに対してうまく言葉が伝わらず誤解されてしまうことがあるという彼女は、合宿にどのような気持ちで臨んだのか。他のメンバーの合格には素直におめでとうと声をかけ、悩んでいるメンバーにはそっと寄り添うサアヤイト。そんな彼女に話を訊いた。

インタヴュー&文:西澤裕郎
構成:横澤魁人
写真:外林健太


WAggの顔に泥を塗ってしまったら、と怖かった

──WACK合宿オーディションを振り返ってみて、どんな1週間でしたか?

サアヤイト:常にカメラが回っている事に緊張していました。その事に違和感があったし、言葉もあまり出てこなくて。普段おかしいと言われる部分はあまり出なかったかなと思います。

──常に言動には気をつけていたということ?

サアヤイト:はい。他の人と喋っていると、会話が通じないことがよくあって。そうならないように合宿中はずっと気をつけていました。WAggのメンバー間でも、普通に話しているつもりが、相手に「言っている意味が分からない」って言われることが多くて。話す時に、意味が広すぎる言葉を遣ってしまうんですよね。「人生の中で」とか「世界中で」とか。そういう言葉を日常的に使っているから誤解されてしまうんだと思います。

──WACK合宿オーディションに参加するにあたって、行くかどうかで悩んだりはしましたか?

サアヤイト:行くかどうか、悩んでいた事はありました。合宿でWAggを知ってもらうきっかけにしたいなと思いつつ、WAggの顔に泥を塗ってしまったら、とずっと怖かったんです。合宿の1ヶ月くらい前に渡辺(淳之介 / WACK代表)さんに「WAggは普通のグループとは違うから」と言われて、混乱していたというのもありました。

──渡辺さんに、「グループとして考えすぎ、もうちょっと個人としても頑張った方がいいんじゃないか」と言われて、みんな混乱してバラバラになりそうだったと他メンバーのインタビューで伺いました。

サアヤイト:WAggとしてライヴをさせてもらっている中で、グループとしての昇格は難しいけれど。だけど8人いてこそのWAggだから、みんなが大切でもあるし…… という考えで混乱しちゃったんですよね。

──WACK合宿オーディション直前、WAggの雰囲気が変わったということがありましたか?

サアヤイト:ギスギスした空気みたいなものは行く直前になって結構伝わってきて。会話はしているんですけど、ちょっと前とは違う感じがするなというのはありました。

──サアヤイトさんはWACK合宿オーディションへ参加するにあたって、どのような意気込みで臨んだんでしょう?

サアヤイト:WAggを広めたいなという気持ちでした。正直、他のグループへ昇格したいとはあまり感じていなかったかなと思います。

──体調の面ではどうでしたか? 足を怪我していたということを聞きました。

サアヤイト:合宿に行く1週間ぐらい前、練習中に捻挫をしてしまって。靴下の下にテーピングをしていました。それを言い訳にしたくなかったので、痛み止めを飲んだりもしました。

考える余裕がなかったなと思います

──2018年の合宿を描いた映画『世界でいちばん悲しいオーディション』では、脱落した候補生の姿も描かれていました。あの映画を観て、自分はこうやって臨もうという対策はした?

 

サアヤイト:私、ご飯が全然食べられなくて、残してしまう事が多いんです。なので、合宿に向けて、ご飯残しでポイントを減点されないように、なるべくいっぱい食べようって、合宿前食べる量を徐々に増やすようにしました。だけど、初日のご飯を残しちゃって…… 合宿中は、ご飯の時間もとても集中してました。2日目にウタちゃん(ウタウウタ)が「一緒に対策考えようね」って言ってくれて。みんな豆腐に醤油をかけて食べている中、自分だけ切って味噌汁の中に入れたり。スープを左手で持ってご飯を食べてからスープを飲むっていうのをやっていたり。飲み物もなるべく取らないという事をやっていました。

──サアヤさんは2日目の夜に脱落ということになりましたが、自分の名前が言われたときはどんな気持ちだったんでしょう。

サアヤイト:びっくりという感じはしませんでした。WAggの中であまり自信がある方ではないので、発表の時間は不安に思っていて。呼ばれたときにもあー呼ばれてしまったなって。でも脱落者の救済措置があると言われたので、まだ落ちていないんだと気持ちを切り替えて、救済措置の円周率の暗記に取り掛かりました。

──暗記は得意な方ですか?

サアヤイト:得意です。でもそのときパニックに陥ってしまっていて、桁の意味がわからなくなっちゃったんですよ。暗記用に渡された紙に、20桁で1ブロックにまとまっていたので、その1ブロックを1桁だと勘違いしていて。それで朝の4時くらいに、「どうしよう7桁しか覚えてない!」ってなって。頭がおかしくなってたんですよ。

──7ブロックを7桁しか覚えてないと勘違いしていたと。それで他の候補生と比べて焦ってしまった、と言う事ですね。

サアヤイト:そうです。それで、どうしようってずっとなっていて。そしたらWACKの先輩が「諦めないで」って来てくれたり、キイロコバンパイアちゃんから「エナジードリンクあげるよ」って言われたり。それをずっと飲みながら勉強をしました。

──マリン・バさんも一緒に敗者復活戦に参加しましたが、どんな心境でしたか?

サアヤイト:あまり(マリン・バのことを)考える余裕がなかったなと思います。

──必死でしたからね。

サアヤイト:もう落ちるのが怖くて。お風呂から出た時に、カメラマンさんが「脱落した気持ちはどうですか?」って訊いてきたんです。まだチャンスはあると思ってはいたんですけど、その時は円周率を覚えるしかない! って必死で、頭の中が真っ白になっていて、言葉が出てこなくて。カメラマンさんに心境を伝えられなくて、無駄な時間を作ってしまったと後悔しています。

海に飛び込もうかなってくらい絶望が大きかった

──サアヤイトさんは、その敗者復活戦に敗れ、脱落してしまった訳ですが、帰り道では、どんなことを思いながら東京に向かっていたんでしょう?

サアヤイト:福岡から東京まで4時間くらいあるんですけど、その時間は何も考えないようにずっと寝ていました。途中で起きて、Story Writerで合宿の記事を読んだりもしました。

──どのような気持ちで帰っていた?

サアヤイト:海に飛び込もうかなって思うくらい絶望が大きくて。ずっと応援してくれていた人に、本当に申し訳ないという気持ちでした。

──自分のことというよりも、応援してくれたファンの人とかそういう人への気持ちが強かったんですね。

サアヤイト:それが強かったです。

──WAggメンバーの愛さんは、サアヤイトさんが帰ってくるのを迎えに行ったって言っていました。愛さんと再会した時はどのような気持ちになりましたか?

サアヤイト:「いつもの愛ちゃんだ」って思って、安心しました。合宿中は、WAggのみんながいつもと違う感じだったので。いつもの愛ちゃんがいて、良かったって思いました。

──東京に戻ってきてからは、どのように過ごしていましたか?

サアヤイト:先輩からいっぱい連絡が来ていて、「おつかれさま」とか「ご飯食べた?」とか「愛ちゃんと会った?」とか。東京に帰ってすぐはパニックを起こしていたし、どうしよう先輩に顔を見せられないとか、次に会ったときになんて言えばいいんだろうとか、戸惑っちゃっていて。言葉に悩みながら返信をしていました。

──帰ってきてから、ニコ生で自分がいた場所で起こっている出来事を、画面越しに観てどんなことを思いましたか?

サアヤイト:候補生は、今こういう気持ちかなあとかをずっと考えていました。自分がこの立場だったら、こういう気持ちに今なっているなとか思ったりもして。自分だったらどういう言葉をもらったら心が休まるかなとか思って、合宿に落ちた次の日ぐらいから、WAggのみんなにLINEを送りました。合宿中に見ているか分からないけど、「おつかれさま」とか「投票したよ」とかいっぱい書きました。

──自分の事以上に周りの人への気遣いがしっかりしていますよね。他の落ちた子の事を気遣ったり、受かった子の所に行ったりもしていましたよね。

サアヤイト:自分がこの立場だったら、こう思うなあと考えている所はあります。これはやるのとやらないのだったら、どっちかというとやった方がいいなとか。そういうのを結構考えていて。

──気になるのは、サアヤイトさん自身の気持ちで。サアヤイトさんは人の気持ちに寄り添えるけれど、悔しいとかそういう気持ちはあまり出さないように抑えているのか、それ以上に他の人のことが気になってしまうのか、そのあたりはどうでしょうか?

サアヤイト:どうなんだろう……。でも自分のしたいようにやっていると言う感覚ではあるんですよね。というのも、合宿で脱落しちゃった日にずっと泣いていたら、楽になれて。その次の日から自分のダメだったところを観返したり、ダンスの研究とかをしたりしていました。いつもは落ち込むと、結構引きずってしまうので、気持ちを切り替えようとしていました。

「おめでとう」って言いたかった

──久しぶりに8人で立ったフリーライブ〈WACK EXHiBiTiON〉はどうでしたか?

サアヤイト:楽しかったし、過去最高に全力でできたかなと思います。渡辺さんに自分がなんで落ちたのか理由を訊いたんですけど、「1番始めから全力じゃないんじゃない?」、「もっとやれたんじゃない?」という事を言われて。そこに納得して、ライヴではもっと本能的にやれたらいいんじゃないかなと思ったんです。

──その言葉に納得できたということは、自分でもそう感じていた部分があったんですね。

サアヤイト:思い返せば、ダンスももっと全力でやれば良かったとか、声ももっと大きく歌えたかなと思うし、食事も吐くほどの勢いで食べれば全然食べられたと思う。マラソンも1位は取れたけど、終わった後にみんなが倒れている中、自分は歩いていました。もっと全力でやっていればというのは結構あると思います。

──今後のライヴは、どのような気持ちで臨んでいきたいですか?

サアヤイト:渡辺さんに電話で自分のどこが悪いかとかを訊いた時に、「殻を破れてない、まだ堅い」って言われて。それで確かに自分はWAggのグループの中で個性もないし、なんでこのグループにいるんだろうって思ってしまったので、渡辺さんに「私ってWAggでどういう存在なんですか?」って訊いたんです。そしたら「俺はWACKとして一緒にやりたいから、サアヤを入れた」って言われて。その時、絶対に殻を破りたいなと思ったし、1つ1つ全力でできるようにしようって思いました。

──WACK合宿オーディションの最終日、結果発表でナルハワールドさんがGANG PARADEに昇格となりましたが、どのような気持ちになりましたか?

サアヤイト:すごく嬉しかったです。自分の事のようにめっちゃ喜びました。やったー! って。ナルちゃんは本当にかわいくて、いい子なんです。遠征に行く時、泊まる部屋がいつも一緒なんですけど、ナルちゃんはいつもありのままでいてくれるので、こっちも素で話せるんです。

──合格発表の時、ステージ脇でナルハワールドさんを待っていたのは、その気持ちを伝えたかったんですね。

サアヤイト:「おめでとう」って言いたかったからですね。

WAggが本当に好き

──イモウト(仮称)がWAggに加入するという発表もされましたが、その時はどのような気持ちでしたか?

サアヤイト:イモウトは1回合宿のダンス審査で同じグループだったんですけど、その時にどういう子か分からなくて、どう話せばいいのかも分からなかったので、未知の存在だなと思っていました。

──今はもう喋れるようになりましたか?

サアヤイト:はい。イモウトと喋っていると、同じ匂いがするなって思う時があります。言葉遣いが自分と似ていて、まるで自分を見ているような感じがします。動きとかも似ていて。腹筋するときの動きも「1番始めのときの私だ!」って思って、嬉しかったです。

──これからの2人の絡みも楽しみですね。イモウトが入って、新しい8人になりますが、その新しい8人でのWAggはどんなグループにしていきたいですか?

サアヤイト:今までWAggは仲の良さがあまり伝わっていなくて。イモウトが入ったグループはもっとみんなに仲の良さを含めて、グループの良さを伝えていけるようにしていきたいなと思います。

──自分たちの中でのWAggと、外から見られているWAggが結構違っていたんですね。

サアヤイト:違ってました。合宿中も「仲悪いの?」ってTwitterとかで結構書かれていて。え!? って驚いていました。自分が言ったら変かもしれないんですけど、WAggが本当に好きなので。自分の好きなものをちゃんと伝えていけたらなと思います。

──外に向けて殻を破って、新しいサアヤイトさんが見られることを楽しみにしています。

サアヤイト:合宿で落ちた数週間後くらいからずっとわくわくしているんです。自分の弱点を克服して、「自分が全力で行動し続けたらどうなるんだろう?」って。自分はもっとできると信じているし、だからいろいろな事を吸収して、殻を破った自分を楽しみにしているという感じです。


これまでのWAggインタビューをあわせてチェック!
WACKを揺るがす8人の女の子たち──アイドル育成プロジェクト“WAgg”初インタビュー
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」
Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」
Vol.6──愛「もっともっと意識を高く持ちたい」
Vol.7──サアヤイト「8人の個性が伝わるようなグループにしたい」
Vol.8──ハナエモンスター「8人で会場を埋められる存在になりたい」
Vol.9──マリン・バ「人に必要とされる存在にならなければいけない」
Vol.10──ナルハワールド「ギャンパレに新しい何かを与えられる存在になりたい」
Vol.11──ア・アンズピア「WAggのグループとしての結束を固めて突き進んでいきたい」
Vol.12──ハナエモンスター「上に行かないといけないなという気持ちは変わらない」
Vol.13 ──ウルウ・ル「WAggでデビューさせたいと思われるぐらいいいグループにしたい」
Vol.14 ──愛「今のWAggを最強にして、次は新しい最強を作っていきたい」


WAgg PROFILE

マリン・バ / ウルウ・ル / ウタウウタ / ア・アンズピア /ナルハワールド / 愛 / サアヤイト / ハナエモンスター

■WAgg Official HP
http://www.wagg.tokyo/

・WAgg Official Twitter
WAggidol

・WAggメンバー Twitter
マリン・バ : @MARiN_WAgg
愛 : @L0VE_WAgg
ア・アンズピア : @ANZU_WAgg
ウタウウタ : @UTA_WAgg
ハナエモンスター : @HANAEMON_WAgg
サアヤイト : @SAYA_WAgg
ナルハワールド : @NARUHA_WAgg
ウルウ・ル : @URUURU_WAgg

WAgg「WAggs」

2019年5月26日(日)東京都 TSUTAYA O-nest ※セントチヒロノイモウト(仮称)お披露目公演
2019年6月2日(日)名古屋 CLUB 3STAR IMAIKE
2019年6月16日(日)大阪 club MERCURY
2019年6月23日(日)東京 TSUTAYA O-Crest
2019年6月30日(日)仙台 LIVE HOUSE enn2nd

料金:4,000円(tax in.)(オールスタンディング/入場整理番号付/入場時にドリンク代別途必要)
※未就学児童入場不可
※ダイブ/サーフ/モッシュ/リフト禁止
チケット:http://w.pia.jp/t/wagg/

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