【連載】テラシマユウカ「それでも映画は、素晴らしい。」Vol.28『下妻物語』

こんにちは、テラシマユウカです。

先日、インディーズでずっとお世話になっていたT-palette Recordesの古木さんの結婚式がありました。

目の前に広がる素晴らしい空間に包まれて、私自身胸いっぱいに幸せが満たされました。会場にいた全ての人の顔がニコニコで、まるで夢の国にいたようなひと時でした。

人間は幸せを感じている瞬間が人生において一番大切な時間であると、私は思います。

ご結婚おめでとうございます!お幸せに!

ということで今週はGANG PARADEのメンバー、キャン・GP・マイカのおすすめ映画をご紹介します。

Vol.28『下妻物語』

茨城県の下妻市に住む竜ヶ崎桃子は、ロリータ・ファッションをこよなく愛する孤高の高校生である。もう一人の主人公・白百合イチゴは、レディース(暴走族)の一員であり、桃子の父親の作ったベルサーチの偽物を買いに来たことをきっかけに、桃子の家に出入りするようになる。イチゴは、世話になった暴走族の総長・亜樹美の引退の際、代官山にいるらしい有名な伝説の刺繍家に「亜樹美さんありがとう」と書かれた特攻服を着て送り出したいと思い、資金を稼ぐために桃子を引き連れパチンコ屋に繰り出す。桃子は初めてのパチンコであったが、偶然連チャンし、易々と自分の服代とイチゴの刺繍のための資金を稼ぎ出す。イチゴは代官山に詳しい桃子を伴い伝説の刺繍家を探しに行くが、その刺繍家を見つけることはできず、イチゴは深く落ち込む。見かねた桃子は自分が刺繍を請け負うと約束。不眠不休で刺繍をし、見事な刺繍入りの特攻服が仕上がった。その出来栄えの素晴らしさにイチゴは感動を覚え、感謝を伝えた。その言葉を聞いて桃子は今までに感じたことのない不思議な感覚を覚え、これをきっかけに、二人の間に友情が芽生え始める。

ある日、桃子は、お気に入りのボンネットをネズミにかじられてしまい、その穴を誤魔化すために刺繍を入れる。そのボンネットをつけて、代官山にある行きつけのロリータ・ファッションのショップである「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」を訪れたことが桃子に幸運をもたらす。そこで社長の磯部に刺繍の腕を認められ、やがて次の新作ワンピースの試作品の刺繍をすることになった。天にも昇る気持ちで刺繍を入れるが、緊張と迷いがありなかなか仕上げられない。迷いの中、桃子はどうしてもイチゴに会いたくなりイチゴを呼び出す。イチゴは、暴走族のレディースの集会に行く予定であったが、友達として必要としてくれた桃子と会うことを優先する。集会に穴をあけたイチゴはレディース仲間集団と対立、族をやめると打ち明けたことで「ケジメ」をつけるために呼び出される。家に帰り、「ケジメ」が何であるかを知った桃子は意を決し、乗ったこともない 原チャリで暴走し、イチゴの元へ駆けつけるのだった―。

ロリータとヤンキーという意外な組み合わせの二人の女子高生が主人公。この二人の間に芽生えていく友情を描いています。

邦画のシンプルな面白さがある作品、そしてとにかく深田恭子さんが可愛いくてしょうがない。超ぶりぶりのロリータを着て振り切った姿が最高で、田んぼばかりが広がる田舎とのギャップが効いています。そしてイチゴを演じる土屋アンナさんは、口も態度も悪いけど真っ直ぐで情に熱いヤンキー。

深田恭子さんも土屋アンナさんも格好は違えど、イメージぴったりでおかしい設定もすんなりと飲み込めてしまいました。

ゴスロリの桃子、ヤンキーのイチゴ、鈍臭いヤクザ親父、元ヤンの眼帯お婆ちゃん、おカマっぽいゴスロリ店長、あり得ない長さのリーゼント男龍二、ジャスコ信者、登場人物みんなキャラクター性が強すぎて個性の殴り合い。そうそうたるメンバーで繰り広げられる馬鹿みたいなストーリーは、とても元気を貰えます。

個人的に、”ジャスコ”というワードが懐かしすぎて胸熱でした。

桃子とイチゴの掛け合いによるテンポの良さ、そしてたまにアニメーションが入ることにより映像に華やかさも加えられています。

自分の好きな世界にどっぷりで個性的な桃子ですが、見た目によらず冷静で他には無関心、自分の世界以外の人間を馬鹿にしています。好きなものには盲目的に浸っていながらも一歩外から世界を見て物を言っている点も桃子のおもしろさでした。

そして物語の主軸は桃子とイチゴの、接点なんてあるはずなかったふたりが次第に心を開いていく友情物語です。自分の世界で理想通り生きれればいい、友達なんていらない桃子とその世界にズカズカと入り込んでくるイチゴ。イチゴは勝手にべらべら喋りつづけ、体裁なんて気にしない桃子は包み隠さず本音で返事する。お互いの個性やスタンスを崩さないまま、様々な事を乗り越え次第に心を開いていくという上っ面じゃない関係が生まれていきます。

馬鹿馬鹿しい中にもグッとくる台詞やシーンがちゃんとポイントとしておさえられていて、「人間は大きな幸せを目の前にすると、急に臆病になる。幸せを勝ち取る事は、不幸に耐える事よりも勇気がいる。」という幼少期の桃子の言葉が印象的で頭に残っています。

ロリータとヤンキー、全くの正反対であるふたり。自分の個性を恥じない、好きなものへの熱量や真っ直ぐさがあるという共通点を持った人間はいつしかお互いを認め合い尊重し合えるという事を教えてくれる作品でした。

何も考えず気楽に観たい映画、頭を空っぽにして元気を出したい時に是非。

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来週はGANG PARADEの新メンバー、ナルハワールドのオススメ映画をご紹介します!

それでは、また来週。

※「それでも映画は、素晴らしい。」は毎週火曜日更新予定です。

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テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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