【連載】WAgg Vol.19 アイナスター「まずは目の前にあることを丁寧に、ちゃんとやり遂げたい」

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BiSHや豆柴の大群などが所属する事務所WACKが次世代のアイドル育成を目指し結成した研修生グループ、WAgg。これまでに、ナルハワールドがGANG PARADEへ昇格、ウルウ・ルがCARRY LOOSEのメンバーとしてデビュー、ハナエモンスターが豆柴の大群のメンバーとしてデビューするなど、即戦力として活躍するメンバーを輩出している。

そんなWAggに、新メンバー2名がサプライズ加入した。2020年2月8日(土)、宮城県・女川町で開催された〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉のステージに事前告知なしで登場した新メンバーの名前は、キラ・メイとアイナスター。そんな新メンバー2人への初インタビューを敢行。後編はアイナスターのインタビューをお届けする。

インタヴュー&文:西澤裕郎
写真:外林健太


何もしないで後悔する自分を嫌いになる方が怖かった

──〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉が、アイナスターさんの初ステージとなりました。お客さんが満員の会場で、事前告知なしのサプライズでと登場となりましたが、どのような気持ちでステージに立ったんでしょう。

アイナスター:女川がすごく素敵な場所で、WACKにとって大切な場所ということも分かっていたので、すごく楽しみにしていました。もちろん、すごく緊張していたんですけど、楽しみの方が大きくて。ずっと憧れていたステージに立てた嬉しさが何よりも大きかったです。

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──WAggのオーディションに合格して活動をスタートさせたわけですけど、どうしてオーディションを受けようと思ったんでしょう?

アイナスター:もともと音楽がすごく好きだったんです。小さい頃からピアノやギター、吹奏楽もやっていて。バンドの曲もよく聴いていたんですけど、特に全力のパフォーマンスをするアイドルに惹かれて魅力を感じたんです。と同時に、好きだったアイドルの方たちが一生懸命パフォーマンスをしているのを観て、私は何を頑張れているんだろうと悔しくなったときがあって。その時、WAggのオーディションが始まったんです。なので最初は、どうしてもアイドルになりたいからというより、このまま何もしないで後悔する自分を嫌いになっちゃう方が怖くて、親にも誰にも言わないで受けました。一次審査が通ったあとでお母さんに言ったら、だんだん現実味が湧いて、私はアイドルになりたかったんだなと思って。だから、受かったときはすごく嬉しかったです。

──自分が頑張っていないかもという気持ちは、どうして出てきたんでしょう。

アイナスター:小学校の時からピアノの伴奏をしたり、中学校の時は合唱の指揮と伴奏をやっていたり、学級委員もずっとやっていて、常に自分から動いていくのが当たり前だったんです。誰かがやるんじゃなくて、自分がやることが何より嬉しいことだと思っていたし、常に頑張っているということが自信になっていた。進学して、環境も変わっていくうちに、根のネガティブというか暗い部分に気づいて。そういう部分を自覚していくうちに、「あ、自分ってこんなに自信なかったんだ」「こんなに暗かったんだ」と、どんどん自己嫌悪というか今日もダメだったってなっていき、人間関係も上手くできなくなってしまって。考えすぎてしまうというか、真に受けやすいんです。音楽を聴いてすぐ心が動いたり、感受性が豊かな方だねとか言われるんですけど、良い意味でも悪い意味でも、私は他の人よりも感じすぎてしまうんだなと思って。

──今まで全速力で駆け抜けてきた反動もあるのかもしれないですね。

アイナスター:とにかくがむしゃらにやっていたので、そういう自分にも気づいていなかったのかもしれないです。自分が行動していくことによって考え方が変わったり、成長している実感もすごくあったし、周りの人にも恵まれていて。親や、信頼できる友だちや、尊敬する先生とかもたくさんいたんです。そういう人たちにたくさん影響されて、周りの人たちのおかげでも成長できる環境にあのときはいたんだと思います。

──周りからは優等生に見られていた?

アイナスター:はい。でも、クラスで1番うるさいねって言われるタイプです(笑)。

──うるさいっていうのは声が大きいってこと?

アイナスター:例えば授業で発言をするとか、プレゼンテーションのスピーチとかが授業であるんですけど、そういうのを楽しみにしているタイプなんです。

──注目されるのは好き?

アイナスター:それはまたちょっと違うんです。自分でもまだはっきりとは分からないんですけど、他人に見られすぎてしまうのは、ちょっと嫌というか。

WACKのアイドルになりたかった

──アイドルの話に戻ると、具体的にどんなアイドルが好きだったんでしょう。

アイナスター:AKBさんを観て、漠然と「あー好きだな」というのはあったんですけど、興味を強く持ったのは、たまたまYouTubeのおすすめに出てきたライヴ映像を観たときだと思います。自分が今まで見たことがなかった世界がそこにあったというか。最近はMVとかにも興味を持つようになったんですけど、ライヴの方が必死さが伝わるというか、一生懸命な感じが出ている気がするんです。

──特によく観ていたグループはいますか?

アイナスター:私立恵比寿中学さんが好きでライヴ映像をよく観ていました。BiSHさんは、エビ中さんが対バンをしていたときの映像を観て知ったんです。最初に、「PAiNT it BLACK」と「HiDE the BLUE」のライヴ映像を観て、すごく素敵だなと思って。どんどん知っていくうちに「NON TiE-UP」だとか、そういう曲も知るようになって、自分にはないものや一生懸命さ、エビ中さんとも共通するのが、必死になっている部分で、そこに魅力を感じていきました。

──そしてアイナスターさん自身、オーディションを受けるわけですが、どうしてWACKだったんでしょう?

アイナスター:アイドルになりたかったというよりは、WACKのアイドルになりたいなと思うようになったんです。

──WACKだったら、アイナスターさんが追い求めていた必死さとか一生懸命さを体現できるんじゃないかという。

アイナスター:はい。

──最初は親にも言わずに応募したと言っていましたが、それはどうしてだったんですか?

アイナスター:私の親はすごく理解があって。今まで私が無理にでもこれをやりたいとか、こうしたいって言ったら、絶対に応援してくれていて。WAggのオーディションに関しては、最初自分は絶対になれないと思っていたし、そういう気持ちでやりたいって言うのはモヤモヤするというか、嫌だなと思った部分もあったんです。

なんで周りの人はこんなに普通に毎日生きれてるんだ、って

──初めてWAggのメンバーと会ったときの印象はいかがでしたか?

アイナスター:事務所に来てくださいって言われて行ったんです。そこでドアを開けたら、今までニコ生とかYouTubeで観てきたメンバーがいて。最初は信じられない気持ちでした。あと、友達から「あまり、グループの仲とかは良くないんじゃない?」って言われて、そうなのかなと思ってちょっと怖かったんですけど、実際は本当にメンバー同士もすごく仲がいいしみんなやさしくしてくれました。

──もうメンバーとは打ち解けられた?

アイナスター:女川で初めてファンの方と関わったときの様子を観て、メンバーから「あんなにうるさいと思っていなかった」って言われて。お披露目までは、ダンスとかもついていくのが精一杯で、全然できていなくて。落ち込んでる自分が嫌なんですよ。どんどん暗くなっちゃうというか、迷惑をかけちゃっている自分が嫌になっちゃって。それでメンバーには静かだと思われていたんだと思います。自分でもどれが素かはちょっと分からなくて。めっちゃ暗いのもうるさくしちゃうのも、自分だなって思うんです。

──落ち込んでいる自分が嫌、という気持ちもすごくわかるんですけど、それを考えすぎると苦しくならないですか?

アイナスター:めっちゃなります。本当に苦しくて。なんで周りの人はこんなに普通に毎日生きていられるんだ、ってずっと思っています。私はさくらももこさんの『COJI-COJI』がすごく好きで、苦しくなった時はずっと読んでいました。さくらももこさんの本を全巻集めて読んだり、ひたすら音楽を聴いていたり、ギターを弾いていたり。そういう間は嫌なこと忘れられる。自分の好きなもの、アイドルとか、音楽とかギターとか、そういうものに浸っているときは全部嫌なことを忘れられるから好きで、嫌な気持ちも薄まっていったりするんです。

──ステージに立ってライヴをしている時もそういう気持ちになれる?

アイナスター:女川の時はそうでした。渋谷での定期公演と〈WACK TOUR 2020 “WACK FUCKiN’PARTY”〉の福岡公演では、最初の方で間違えてしまってパニックになっちゃったりとかして。立ち位置だけは完璧にしようと思って気を張りすぎちゃったり、考えすぎちゃってできなくなっちゃって。本番中も「やってしまった……」とか思いつつ、顔に出しちゃいけないって思うと余計落ち込んでしまうというか。WAggに入るまでは、スピーチだったり、吹奏楽とかでも、間違えても間違えてないフリとかするの結構得意だったんですけど、うまくできなくなってしまって。

──それはグループでの活動だからというのもあるかもしれないですね。

アイナスター:前までは、スピーチを間違えたりとかしても私だけのことだったけど、今はWAggのクオリティが低いと思われてしまうかもと思ってしまって。例えば、私が立ち位置を間違えちゃったら、本当はそこにいるはずの子が行けなくなっちゃったり、行きづらくなっちゃったりするから。

──まだライヴ4回の段階でそこまでいろいろ考えているというのは、グループのことを考えられているからだと思いますよ。

アイナスター:こんなことばかり考えている時間があったら、やれって自分に対して思うんですよ。ただ、気持ちの整理がつかないと動き出せなくて。前までは、すごく勉強を頑張って、進学も自分が思っていたよりも良いところにできたんですけど、どんどん暗いところが出てきて。そしたら勉強もできなくなっちゃって。テスト前とかでも心が沈んで、やらなきゃって思っても頭がどっかいっちゃっているし。あまり良い方向に行かなくなっちゃうというか。だから、暗い気持ちのまま必死に振り付けとか覚えても、結局次の日になったら覚えられてなくて。やっぱりこういう気持ちの状態のままやると、ダメなんだなと思って。考えすぎちゃったり、真に受けすぎたりするので、考えている暇があるなら、そんなこと切り替えて覚えろよって自分で思うんです。

──アイナスターさんが好きだったアイドルは、ステージ上では笑顔でいたり、ネガティブなところとかあまり見せない子の方が多かったのかなと思うんですけど、自分もそうありたいと思う?

アイナスター:思います。ただ、それもすごく魅力だと思うし、そこに惹かれていた部分もあるんですけど、WACKを好きになって、WACKを知っていくうちに、例えば人間関係があまり上手くできないとか、そういう方たちもアイドルになっているんだなと思って。そこが救いだったというか、共感できる部分がありました。

心が動いていくのは、すごく楽しみです

──WAggは、ナルハワールドさんがGANG PARADEへ昇格、ウルウ・ルさんがCARRY LOOSE、ハナエモンスターさんが豆柴の大群のメンバーになるなど、将来は別の舞台へと羽ばたいていく可能性が高いグループです。アイナスターさんが持っている、WAggの活動を通しての夢とか目標を教えてください。

アイナスター:今はWAggについていくのが精一杯で、足を引っ張っちゃうというか、できないところがたくさんあるので、目の前のことを頑張るのが第一だと思っています。未熟すぎて、どこかのグループに所属させてもらうという想像がまだできなくて。想像しても、足引っ張っちゃうだろうなって思っちゃうんですよ。だから今は漠然と何かを追うというより、目の前にあることを丁寧に、ちゃんと取り組んでいくのが先かなって思います。

──3月にはWACK合宿オーディションが開催されます。WAggのメンバーは自由参加となっていますが、アイナスターさんはどうするか決めていますか?

アイナスター:きっと参加すると思います。良い意味でも悪い意味でも、めちゃめちゃ心が動くと思うし、感情がついていかないぐらい、いろいろなことが起きると思うんです。2月にお披露目して、3月に合宿という経験をできる人ってあまりいないと思うし、入ってすぐなので候補生の人と大きな差はつかないと思うんですよ。もしかしたら、もともとアイドルをやっていた候補生の子とかも来るかもしれないし、歌やダンスが得意な人もたくさん来ると思う。そういう面で、私はまだ何もできないかもしれないけど、チャンスを無駄にしたくない。合宿中も何回も自分のことを、あーやだなって思うと思うんですよ。だけど、その中でもきっといろいろ感じ方とかは変わってくると思うので。心が動いていくのは、今からすごく楽しみです。


これまでのWAggインタビューをあわせてチェック!
WACKを揺るがす8人の女の子たち──アイドル育成プロジェクト“WAgg”初インタビュー
Vol.1──ナルハワールド「素直さや元気さを出していきたい」
Vol.2──マリン・バ「WAggで1番になりたい」
Vol.3──ウルウ・ル「WAgg8人で、いいねって思われたい」
Vol.4──アンズピア「今の目標は、楽しむこと」
Vol.5──ウタウウタ「一体感を作りながら個性を乗せていけるグループにしていきたい」
Vol.6──愛「もっともっと意識を高く持ちたい」
Vol.7──サアヤイト「8人の個性が伝わるようなグループにしたい」
Vol.8──ハナエモンスター「8人で会場を埋められる存在になりたい」
Vol.9──マリン・バ「人に必要とされる存在にならなければいけない」
Vol.10──ナルハワールド「ギャンパレに新しい何かを与えられる存在になりたい」
Vol.11──ア・アンズピア「WAggのグループとしての結束を固めて突き進んでいきたい」
Vol.12──ハナエモンスター「上に行かないといけないなという気持ちは変わらない」
Vol.13 ──ウルウ・ル「WAggでデビューさせたいと思われるぐらいいいグループにしたい」
Vol.14 ──愛「今のWAggを最強にして、次は新しい最強を作っていきたい」
Vol.15 ──サアヤイト「いろいろな事を吸収して、殻を破った自分を楽しみにしている」
Vol.16──ウタウウタ「もっとWAggを良いものにしたいという気持ちが強くある」
Vol.17 ──ナアユ「自分が思っている以上にWAggが大好きだし、大きくしなきゃ」
Vol.18 ──キラ・メイ「私の名前をみんなに知ってほしい」


WAgg PROFILE

■WAgg Official HP
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・WAggメンバー Twitter
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ナアユ:@NAYU_WAgg
キラ・メイ:@MAY_WAgg
アイナスター:@AiNAS_WAgg

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