【連載】テラシマユウカ「それでも映画は、素晴らしい。」Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

こんにちは、テラシマユウカです。

5月26日に日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを終え、ひと段落したということで映画館に行きたい気持ちが滅茶苦茶に強くなっている今日この頃です。

ここ最近全くと言って良いほど映画館に行けておらず、観たい映画が積もりに積もっています。

賭ケグルイ、愛がなんだ、ある少年の告白、天国でまた会おう、ハロウィン、名探偵ピカチュウ……などなど。

特に『ある少年の告白』、『天国でまた会おう』は予告を見た瞬間から心を鷲掴みにされ、ずーーっと楽しみにしていました。

 

 

そして『賭ケグルイ』は原作マンガが大好きで待望の映画化ということで絶対に見逃せない作品です。

観に行けた作品からぽつぽつと感想を書いていきたいと思っています。

という事で募る気持ちもありつつ、今週は5/26にGANG PARADEに加入したナルハワールドのオススメ映画をご紹介します!

Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

2012年。少年時代を養護施設で過ごした敦也は、幼馴染の翔太、幸平と悪事を働いて1軒の廃屋に逃げ込む。そこはかつて人々が悩み相談をすることで知られていた「ナミヤ雑貨店」だった。今はもう廃業しているはずだったが、シャッターの郵便受けに何かが投げ込まれる音を聞く。それは、悩みを持つ人からの相談の手紙だった。何と、その手紙は1980年に書かれたものだった。敦也たちは戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書く。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、その背景にある敦也たちがいた養護施設と浪矢の知られざる関係。

そして、これまで誰かの為に何かを真剣に考えたことなど一度もなかった3人が気付いていく他者とのつながり。

敦也たちが雑貨店の秘密をすべて知った時、1980年にいる浪矢との手紙のやり取りでもう一度再生する希望をもつ。

悩みを相談した人々をつなぐ奇妙な運命。その日、敦也たちに起きたのは、時空を超えたたった一夜だけの奇蹟だった。

東野圭吾作品の中でも、「最も泣ける」と評判だった原作小説。時代を超えた連作群像劇の中で、複雑に絡み合ったストーリーがラストに劇的な収束を迎える展開は、東野圭吾作品の真骨頂とも言えます。

原作小説は過去に読んだことがあったのですが、映画は初見でした。どちらかというと一本の映画と言うよりは、何本かのショートドラマが連なってひとつの作品になっている様な映画です。

ナミヤ雑貨店に備え付けられた牛乳箱や、閉じられた店のシャッターから手紙を入れる所など節々から細かい昭和的懐かしさを感じます。

ファンタジー色が強く、時空を超えて手紙のやり取りをするという疑問しか生まれない設定で若干モヤモヤが残る部分もありましたが、ストーリーの構成も時代設定もしっかりと固まったものがあったので話の筋はしっかり通っています。

終わりに向かうに連れて散りばめられた伏線が次第に回収され、前半で色々な方向に広がったストーリーが線で繋がっていきスッキリする面白さがありました。

ナミヤ雑貨店の店主が子どもにとんちを効かせておもしろおかしく返していた悩み相談。大人達からも”ガチ”の人生相談が来るようになり、重い相談は掲示板に貼るのではなく個別に牛乳箱を介して返事をしていきます。その相談は店主の返事ひとつで人生を変えてしまう可能性がある切羽詰まったものばかりで、他人の相談に乗るということは難しく想像以上に責任重大だということが伝わってきました。

ひょんな事から時代を超えて手紙相談に乗ることになった敦也、翔太、幸平の3人ですが、親からの愛も知らず自分のやりたい事も見つからないまま成長してしまった彼等がナミヤ雑貨店と出会い、他人の相談に乗る事で自分自身とも向き合う事になり、他人の様々な人生を見て、行動を起こせば必ず可能性が開けていく事を学んだ彼等の姿が描かれています。

この作品はキーになる登場人物と伏線が多く、原作を読んだ私からすると小説を映画化する難しさが見えた作品に感じましたが、原作を忘れて映画だけで観る分にはとても綺麗にまとめられており素晴らしい作品でした。

ナミヤ雑貨店に手紙を送った登場人物達のその後が描かれている最後のシーンでは、今までの全てが綺麗にまとめあげられており皆んな前を向いて進んでいる姿に感動しました。

最後には全ての人が幸せになる作品でした。

* * * * * * * * *

最近急に夏に向かって暑くなってきたと言うことで、いよいよホラーの季節。

次回は、テラシマユウカのオススメホラー映画特集をご紹介します!

それでは、また来週。

※「それでも映画は、素晴らしい。」は毎週火曜日更新予定です。

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
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【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
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【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
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【連載】Vol.27『ザ・マジックアワー』(推薦者:ごんちょく)
【連載】Vol.28『下妻物語』(推薦者:キャン・GP・マイカ)

テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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