こんにちは、テラシマユウカです。
皆さんは本屋には行きますか?
私は何も用事が有らずともふら〜っと立ち寄ることがよくあります。
極々たまに読みたいものがあって目的を持って行く事はありますが、基本的にその場でびびっと来た本を購入しています。
映画はこの時間のこの作品を観よう! と思って映画館に行く事しかないのですが、本はそれとは違って何が欲しいとも決めずに行くようにしています。
服や化粧品などもそうなのですが、私はフラフラショッピングを楽しむのが苦手で店員さんに話しかけられるとうまく会話できなくて申し訳ない気持ちになってしまうのもあり、ある程度購入するものを決めてから向かう事ばかりなので本屋は唯一、目的なくフラットにいける場所でとても好きです。
最近は、本を全く読めていないので何か良い新しい出会いがないか探している最中です。
Vol.9『存在のない子供たち』
☆4.6/☆5.0点中
「両親を告訴する。僕を産んだ罪で」
わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から、「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。
学校へ通うこともなく、兄妹たちと路上で物を売るなど、朝から晩まで両親に劣悪な労働を強いられていた。唯一の支えだった大切な妹が11歳で強制結婚させられ、怒りと悲しみから家を飛び出したゼインを待っていたのは、さらに過酷な“現実”だった。果たしてゼインの未来は―。
今年観た映画で最も衝撃的で、深く考えさせられ心を震わされた作品でした。
貧困ゆえに親からまともな愛情を受けられず、「自分を産んだ罪」で両親を訴えた12歳の少年の姿を通して、中東の貧困・移民問題を映し出したヒューマンドラマ。アカデミー賞にノミネート、第71回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門審査員賞を受賞するなど高い評価を得ています。制作のための調査期間に3年を費やし、監督自身が目撃し経験したことを盛り込んでフィクションに仕上げた作品です。
ゼイン役のゼイン・アル・ラフィーアなど出演者の多くが、役柄に似た境遇にある一般人をキャスティングしており、ナディーン・ラバキー監督も検事役で出演しています。主人公を演じたゼイン・アル・ラフィーアと、妹サハル役のセドラ・イザムは、実際にシリアからレバノンに大量に流れ込んできた難民で、2人とも役柄同様に日銭を稼ぐ仕事をしていました。出演者の大半が一般人ということもあり、より一層リアリティが増している気がしました。
貧困に悩まされる難民、その中でも特に子どもたちを取り巻く実態に照準が当てられています。
難民としてシリアから逃れてきたゼインの両親は、まともな職に就くこともできず荒んでおり将来も考えず計画性無く次々と子どもを産んでしまいます。子ども達は学校にも行けず働かされ、困窮した生活を強いられ両親は金欲しさに子どもを売り渡したり女の子は無理やり結婚させられたりします。
日本でも決して少なくはない問題ですが、児童虐待など子どもに関するニュースを見るたびに何故、育てられないのに子どもを産むのかと常々疑問を抱いていました。普通に生きていけることへの感謝を忘れてはいけないとひしひしと痛感させられます。
生まれてくる環境を選べない子どもが、子どもらしく生きれない、決して他人事で済ましてはいけない無い理不尽な現実が存在している事に悔しい気持ちでいっぱいです。
生まれてから当たり前のように自分の”存在”というものがあったので、”存在”すら社会に認められていないという事実が思いもしませんでした。
自分よりずっと幼いゼインは強く逞しく賢明に生きていて、でも、そんなゼインが一瞬見せる涙にその過酷さを思い知らされます。ネタバレになるので詳しくは控えますが、最後のゼインの表情に涙が止まりませんでした。
そして何よりも、人間は必ず愛されるべきであると感じます。
未熟な自分には伝えきれない人生において重すぎるものが詰まっていてとてももどかしい思いで、あまりにも劣悪で過酷な環境に悲しみに暮れてしまいますが、多くの人に目を向けて欲しい映画です。
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Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
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テラシマユウカ
2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。