watch more
StoryWriter

こんにちは。初挑戦の舞台「プレイハウス」の本番初日を明日に控え、絶賛脳内パニック中のテラシマユウカです。

この記事が公開される日には既に初日から数日経っているのですが、今は最後の稽古が終わり帰路に着いている途中です。

つい昨日、家の電気が止まりただ暗闇に耐え忍ぶ夜だったので今日は帰ったらお風呂に浸かりながらじっくりと舞台の段取りを振り返りたいと思っています。

いつもライヴをしている私にとっては異質すぎる環境で、最初舞台をやるというお話を聞いた時には自分に出来るなんて想像もつかなったことが、台本で文章として頂いたものが次第に形になっていくのがとても面白く、食らいつくので精一杯でしたが刺激的な稽古の日々でした。

そんな演劇とライヴという全く違った形に触れることによって、パフォーマンスに対する考え方や姿勢の違いが伝わってきてとても勉強になっています。

元々私はミュージカルが好きで、ちょくちょく1人で観に行ったりとしていたので自分がミュージカルにまさか出演するなんて胸熱で今にも涙が出そうです。稽古で最後のシーンが終わって舞台袖にはける度にエモーショナルになってしまいます…。

8/25〜9/1 東京芸術劇場
9/28 森ノ宮ピロティホール

東京だけでなく、私の地元大阪でも公演があり嬉しさとちょっぴり緊張。この最高の機会、劇場に足を運んで下さるひとりひとり最大限に楽しませていきたいと意気込んでいます!

https://stage.parco.jp/web/play/playhouse/

Vol.10『永遠に僕のもの』

☆4.0/☆5.0点中

公式HP:https://gaga.ne.jp/eiennibokunomono/

 

1971年、重大事件で逮捕された少年に世界は魅了され欲情した─

天使のように美しい17歳のカルリートスは、なぜ、〈悪〉として地上に舞い降りたのか─?

「みんなどうかしてる。もっと自由に生きられるのに」

そうつぶやきながら、鍵の開いた窓からするりと留守宅の豪邸に入り込み、勝手にレコードをかけて軽やかに1曲踊ると、ジュエリーなどの戦利品を手に、盗んだバイクで帰宅する17歳のカルリートス(ロレンソ・フェロ)。1971年、ブエノスアイレス。真面目で善良な父と愛情に溢れた優しい母(セシリア・ロス)は、カルリートスの悪事に気付いていたが、まだやり直しが出来ると信じて息子を転校させる。新しい学校で出会ったラモン(チノ・ダリン)という青年に、カルリートスはいきなりケンカを売るが、それは彼の気を引くためだった。彼の野性的な魅力に、ひと目で心を射抜かれたのだ。ラモンもまたカルリートスの輝くようなブロンドの美しい姿で平然と罪を犯す、そのギャップに強く魅せられる。荒々しい魅力を放つラモンと意気投合したカルリートスは、二人で様々な犯罪に手を染めていく。欲しい物は何でも手に入れ、目障りな者は誰でも殺す。息をするように、ダンスを踊るように、ナチュラルに優雅に。だが、カルリートスは、どんなに悪事を重ねても満たされない想いに気付き始める──。

実在の連続殺人鬼をモデルにした映画。1971年から1972年にかけてアルゼンチンで強盗と殺人を次々と犯した「カルロス・ロブレド・プッチ」という、当時まだティーンだった少年について描かれています。アルゼンチンでは知らない者は居ないそうで、犯罪の凶悪性もさることながら、この少年がまるで天使のように整った顔立ちの美貌を持つ美少年であったがゆえに、「黒い天使」などと称され、多くの人を魅了していました。

当時の犯罪学には犯罪学の父と呼ばれたロンブローゾという学者が唱えた、その人物の外見など生まれつき持っているものが犯罪に直結するという考えがあり、それが一般的な時代だったので、カルロス・ロブレド・ブッチの登場は世界に大きな衝撃を与えたそうです。

そんな殺人鬼をモデルにした作品ですが、ほとんどの要素が創作であり、実在するカルロスとは違う”カルリートス”というキャラクターが新たに生み出されています。

「みんなどうかしてる。もっと自由に生きられるのに」

というカルリートスの台詞がありますが、実際にどうかしてるのは明らかにカルリートス自身であり、犯罪含め全ての行動が自分が何をしているのか分かっていないキャラクターという印象でした。あまりにも純粋な狂気、悪意無く積み重ねられていく悪事に観ている側も一体彼が何をしているのか、悪とはなんなのか倫理が分からなくなっていきます。カルリートスは無意識のうちに自分の欲のままに生き、他人を理解しようとせず自分の行動が理解されない事をもどかしく感じているのかもしれません。

また、そんな中でも時折見せる年相応の少年らしさや家族への愛によって更にズブズブとカルリートスの沼に落とされます。

そしてこの残酷で美しいカルリートスを演じたのは、映画初出演にして初主演のロレンソ・フェロ。一目でわかる艶っぽさとその中にまだ残る幼さのバランスが絶妙で目が離せなくなりました。神から授かったであろう素晴らしくセクシーな唇と、すこしぷにっとした体型が至高。学校で出会う、ラモンも負けず劣らずセクシーでロレンソ・フェロとは対照的な大人びた色気があり双方とも目の保養です。

特に、盗みに入った宝石店で見つけたイヤリングをつけて相棒のラモンに見せるシーンが印象的。シーンのひとつひとつが美しく尊くて、文字で説明するには勿体なさすぎるので是非とも映像で体感して頂きたい、思わず感嘆してしまうカルリートスの姿を目に焼き付けて欲しいです。

そして『永遠に僕のもの』と同日に公開された『HOT SUMMER NIGHTS』も同じく目の保養だという噂を友人から聞いたので是非とも観に行きたいと思っています。この二作品の半券でポスターなどが当たる奇跡の美少年コラボキャンペーンというのもやっているので激アツ。

終始ロレンソ・フェロの美しさに魅了され、まるで夢の中にフワフワ浮かんでいるような時間を過ごせました。映像と音楽も相まって独特な心地よい雰囲気に浸って楽しめる作品です。

美少年好きには見逃せない一作、劇場で。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』

「それでも映画は、素晴らしい。」のバックナンバーも合わせてチェック!!

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)
【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
【連載】Vol.8『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(推薦者:松隈ケンタ)
【連載】Vol.9『シカゴ』(推薦者:ユイ・ガ・ドクソン)
【連載】Vol.10『トイ・ストーリー3』(推薦者:T-Palette Records 古木智志)
【連載】Vol.11『青春の殺人者』(推薦者:岩淵弘樹)
【連載】Vol.12『時計じかけのオレンジ』(推薦者:BiS ムロパナコ)
【連載】Vol.13『トレインスポッティング』(推薦者:蒲鉾本舗高政高政社長)
【連載】Vol.14『ドリーマーズ』(推薦者:美容室code+LIM ワタロー)
【連載】Vol.15『トゥルー・ロマンス』(推薦者:UGICHIN)
【連載】Vol.16『メリー・ポピンズ』(推薦者:ヤママチミキ)
【連載】Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』(推薦者:アヤ・エイトプリンス)
【連載】Vol.18『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(推薦者:平賀哲雄)
【連載】Vol.19『天使にラブ・ソングを…』(推薦者:テラシマユウカの母)
【連載】Vol.20『少年は残酷な弓を射る』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.21『ローマの休日』(推薦者:エビナコウヘイ)
【連載】Vol.22『湯を沸かすほどの熱い愛』(推薦者:セントチヒロ・チッチ)
【連載】Vol.23『あの日々の話』
【連載】Vol.24『万引き家族』(推薦者:ハルナ・バッ・チーン)
【連載】Vol.25『クレイマー、クレイマー』(推薦者:テラシマユウカの父)
【連載】Vol.26『プラダを着た悪魔』(推薦者:LEBECCA boutique ブランドディレクター、赤澤える)
【連載】Vol.27『ザ・マジックアワー』(推薦者:ごんちょく)
【連載】Vol.28『下妻物語』(推薦者:キャン・GP・マイカ)
【連載】Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(推薦者:ナルハワールド)
Vol.30『ホラー映画オススメ10選』
vol.31『きみに読む物語』(推薦者:ももち)

テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

PICK UP