こんにちは、テラシマユウカです。
9月になって私が所属するGANG PARADEが全国10カ所12公演を巡るツアー〈PARADE GOES ON TOUR〉が始まりました!
全国ツアーを回るのはすごく久しぶりなので、普段中々行く回数の少ない地方でライブをできるのがすごく嬉しいです。その土地ならではのお客さんの雰囲気だったりと場所で全然違った空間が出来上がるのが私はすごく好きです。
2019年9月21日 福岡 DRUM LOGOS
2019年9月22日 広島 CLUB QUATTRO
2019年9月29日 大阪 なんばHatch
2019年10月5、6日 北海道 PENNY LANE24
2019年10月12日 宮城 仙台Rensa
2019年10月20日 新潟 NEXS NIIGATA
2019年11月4日 東京 中野サンプラザ
と全国様々な場所に幸せを届けに行きます、まだチケットある箇所ございますので気になった方は是非!
Vol.13『アス』
☆3.9/☆5.0点中
“わたしたち”がやってくる
アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごす為、幼少期に住んでいた、カリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。
早速、友人達と一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われた事で、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。
やがて、家族の身に恐ろしい事が起こるという妄想を強めていくアデレード。
その夜、家の前に自分達とそっくりな“わたしたち”がやってくる…。
監督・脚本を手掛けたのは、『ゲット・アウト』でアカデミー賞脚本賞を受賞したジョーダン・ピール。
製作を務めたのは、『ゲット・アウト』『ブラック・クランズマン』『セッション』でアカデミー賞作品賞にノミネートされたジェイソン・ブラム。
主演を務めたのは、『それでも夜は明ける』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴ。
この作品を鑑賞するにあたって、
“Hand Across America”と”エレミヤ書第11章11節”は頭に入れておくと解釈の助けになるかもしれません。
“Hand Across America”は1986年5月25日に実際に起きた出来事。ニューヨークからカリフォルニアまで隣接するアメリカ全土で継続的な人間のつながりを形成するために何百万人もの人々が手を取り合い列を作って、飢餓への支援基金を募りました。
劇中ではこの事件が象徴的に描かれており、ゾクッとさせられるシーンでもあります。
そして”エレミヤ書第11章11節”。
「それゆえ主はこう言われる、見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない」という言葉があります。
私はこの2つを知らなかったので、鑑賞後に調べてなるほどー! と散りばめられていた要所要所の表現にめちゃくちゃ納得しました。
予告編やポスターから、主人公家族とそっくりのクローンかドッペルゲンガー的存在に襲われ殺されそうになっていると見て取れましたが、自分とそっくりなら思考も同じなのではないのか、思考が同じなら行動も読まれるので立ち向かえないのではないのかなどなど予想を膨らませ鑑賞前からワクワクさせられました。
心霊的なホラーを期待していると拍子抜けしてしまいますが、気持ち悪くて不気味な展開の連続で序盤にナチュラルに張られている伏線が回収され最初から最後まで余すとこなく面白い。不気味な中にもなんだか段々と笑えてきてしまう所もあったりと監督がコメディ業界出身なだけあって、ただ怖いだけじゃない緩急のあるホラーでした。
この作品には大きなテーマとして”二面性”というものがあったと捉えられました。
自分と似た何者かとの対峙の他に、アメリカが抱える社会問題も遠回しに描かれている部分もあったので『アス(us)』というタイトルには”わたしたち”という意味だけではなく、”U.S.(United States)”という意味も込められているのかもしれないと感じます。
本当の自分とは一体何なのか、本当の敵は誰なのか、本当に解決しなければならない問題とは。など深く考えさせられる作品でした。
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テラシマユウカ
2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。