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StoryWriter

こんにちは。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?

台風は大丈夫でしたでしょうか?

台風の夜はメンバーのココ、マイカ、ナルハと「本当にあった怖い話」を仙台のホテルで観ました。

普段ホラー映画ばかり観ているので本怖は軽いギャグみたいな風にしか感じないので一人だと面白くないのですが、メンバーと一緒に観るという面白さ込みでとても楽しめました。

Vol.17『JOKER』

☆4.6/☆5.0点中

公式HP:http://ningenshikkaku-movie.com/

 

いつも言われてきた。

「どんな時も笑顔で」と。

俺には使命があるらしい。

人々を楽しませることだ。

だが、世の中は__。

本当の悪は、人間の笑顔の中にある。

「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。

都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気あふれる〈悪のカリスマ〉ジョーカーに変貌したのか?

切なくも衝撃の真実が明かされる!

第76回ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞を受賞した、アカデミー賞スタッフ・キャストが挑む、衝撃サスペンス・エンターテイメント。

ただ”狂気に満ち溢れている”という一言では物足りない、精神的に抉られる問題作でした。

残酷な描写やエロ表現ないながらもR15+指定されており、子供にはこの作品を観せないでと警告までしている理由がよく分かりました。R18でも良かったのではないかとも感じます。

『JOKER』はバットマンやダークナイトなどでおなじみのDC映画のキャラクター「ジョーカー」にスポットをあてた映画です。これまで『バットマン』(1989年)のジャック・ニコルソン、『ダークナイト』(2008年)のヒース・レジャー、『スーサイド・スクワッド』(2016年)のジャレッド・レトなど、数多くの俳優が演じてきました。今回は”ホアキン・フェニックス”が演じています。勿論のこと、過去作品のジョーカーとは全くの別物となっています。

今作は複雑な感情になるものの、ストーリーは至ってシンプル。

ホアキン・フェニックス演じるアーサーは、貧民街で母親の世話をしながらコメディアンを目指している。しかし彼は突然意味もなく笑い出す癖があり、人とコミュニケーションが上手くとれません。周囲からも「気持ちが悪い」と虐げられ、ときには暴行も受けてきました。

社会の不条理や、自身の過去が明かされていくうちにアーサーが抱いていた「他人を笑わせたい」という夢が少しずつ歪んでいき、アーサーが突発的に犯してしまったある罪を機転にアーサーは「ジョーカー」へと成長していきます。

『ダークナイト』でジョーカーを演じたことによってヒース・レジャーが鬱になってしまったという噂がある様に、今作でジョーカーを演じたホアキン・フェニックスの圧倒的な狂いっぷりに終始胸を鷲掴みにされその説得力が凄まじかったです。あんなにも切なく辛い笑い声を出せる彼の怪演あってこそ、この作品の深みがあったのだとヒシヒシと感じます。

等身大のアーサーという人間をたんまりと見せられ続けたこともあり、ジョーカーに変貌していく彼に感情移入せずにはいられませんでした。

コメディアンを目指すアーサーは人を笑わせるのではなく、人から笑われているばかりで。人の心をジワジワとへし折っていく過程の描写や「これまで生きてきて自分が存在しているのかも分からなかった」というアーサーの台詞が頭から離れません。

誰もがジョーカーになり得るし、誰もがジョーカーを生み出してしまう。

ピエロとなって不条理な社会を喜劇として嘲笑し踊り狂う。

自分の価値観や考え方が分からなくなってしまう程の強烈な映像を見せつけられました。

声を大にしてオススメはできないけれど、絶対に観るべき作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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テラシマユウカ


2014年に結成され、現在9人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

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