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StoryWriter

いよいよ2019年の終わりが近付いてきました。

今年は人生の中で最も1年が早く感じた気がします。2019年、何があったかな〜とGoogleカレンダーを遡ったりするのですが意外な事がまだ今年起こった事だったりと驚きや発見があり毎年12月の楽しみとなっています。

今年もあと1ヶ月、後悔のないよう生き抜きましょう。

ちなみに私は大晦日はガキ使派です。

Vol.24『ドクター・スリープ』

☆4.3/☆5.0点中

公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/doctor-sleep/index.html

 

40年前の惨劇を生き延びたダニー(ユアン・マクレガー)は、心に傷を抱えた孤独な大人になっていた。父親に殺されかけたトラウマ、終わらない幼い日の悪夢。そんな彼のまわりで起こる児童連続失踪事件。ある日、ダニーのもとに謎の少女アブラ(カイリー・カラン)からメッセージが送られてくる。

彼女は「特別な力(シャイニング)」を持っており、事件の現場を”目撃”していたのだ。

事件の謎を追う二人。やがて二人は、ダニーにとって運命の場所、あの”呪われたホテル”にたどりつく。

呪われたホテルの扉が開くとき、すべての謎が明かされる――

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』や『ミスト』など数々の作品が映画化されるほどの、世界屈指のベストセラー作家スティーヴン・キングの作品の中で、最も傑作の呼び声が高い『シャイニング』。

>>Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』

雪に閉ざされたホテルに巣食う禍々しい力が引き起こした狂気と血の惨劇は1980年に映画化され、今もモダンホラーの金字塔として、永遠の名作に数えられています。

かつての管理人が家族を惨殺したことから、呪われた場所となっていたホテルでひと冬を過ごすことになったジャック一家。そんなジャックの突然の狂気によって殺されかけますが、なんとか逃げ切ることに成功した少年ダニー。

そんな、1980年に映画化された『シャイニング』の40年後の物語が今作の『ドクター・スリープ』。

かつての惨劇を生き延びた少年ダニーが大人になって再びあの呪われたホテルへ向かうことになり、40年越しの新たな恐怖を描き出しています。

なぜ父は狂気に駆られてしまったのか。ダニーの持つ特別な力”シャイニング”の正体とは。なぜあのホテルで事件は起きたのか。『ドクター・スリープ』の意味とは。

今作で全ての謎が明らかになります。

冒頭はまさに『シャイニング』の続きとなっておりワクワクな始まり。

ですが、原作は未読なので、前作映画ではほぼ描かれておらず、恐らく小説では描かれていたであろう特別な力シャイニングの能力が今作ではありったけ使われており、能力バトルの様な展開に、観る映画を間違えたかと驚く部分が前半には多くありました。

しかし後半。怒涛のラストスパートが素晴らしすぎる。ついにあの”オーバールック・ホテル”へと舞台を移してからのカメラワークとBGM、そして登場してくる全てのものが前作ファンの興奮度を一気にMAXまでブチ上げ、これぞ『シャイニング』の続編! と言った展開を繰り広げます。

前作はダニーの父親の狂気に堕ちていく様を軸としホラー要素強めだったのに対し、今作はダニーの持つ力”シャイニング”に焦点を当てており、普通の人と違う事から逃げず恐れずに立ち向かって生きる強さを描いていました。

ここで多くを語りすぎるのは勿体無いので是非とも劇場で体感してみて下さい。

今作を観るにあたって前作『シャイニング』を観るのは必須条件となるので、まだの方は絶対に観て頂きたい。

また、前作をかなり前に観たきりという方も多いでしょうが、今一度復習してから今作に挑むと更に最高な気分になれるので併せて是非。

スタンリー・キューブリックが監督を務めた前作では、原作と違いシャイニングの特別な力の描写がほぼなく人物像や結末など内容が大幅に改変されていたことにスティーヴン・キングはご立腹だったそうですが、今作では原作・映画版どちらのテーマも上手く通じているであろう出来栄えでキングが太鼓判を押したのもなんだか納得しました。

続編なので出来はいかがなものかと胸がザワザワしていたのですが、個人的に今年一番の興奮と感動が得られた映画でした。

スティーヴン・キングは期待を裏切りません。

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テラシマユウカ


2014年に結成され、現在10人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

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