こんにちは、コンパクトに部屋に置けてiPhoneに連携してAmazonプライムとか観れちゃうお手頃なプロジェクターを探している、この頃です。
かなりの機械音痴で、説明を読んでも何がどんな機能を持っていてどう使えるのかイマイチ分からず、どのプロジェクターがいいのか分からず困った日々を過ごしています。
なにかそういう類に詳しい方から是非ともアドバイスを頂きたいという気持ちでいっぱいです。
ホームシアターで真っ暗闇のなかひとり、夜な夜なホラー映画を観て過ごす日々を今か今かと夢見ています。
Vol.26『カツベン!』
☆3.6/☆5.0点中
子どもの頃、活動写真小屋で観た活動弁士に憧れていた染谷俊太郎。”心を揺さぶる活弁で観客を魅了したい”という夢を抱いていたが、今では、ニセ弁士として泥棒一味の片棒を担いでいた。そんなインチキに嫌気がさした俊太郎は、一味から逃亡し、とある小さな町の映画館〈青木館〉に流れつく。青木館で働くことになった俊太郎は、”ついにホンモノの活動弁士になることができる!”と期待で胸が膨らむ。しかし、そこには想像を絶する個性的な曲者たちとトラブルが待ちうけていた! 俊太郎の夢、恋の運命やいかに…!?
『それでもボクはやってない』『舞妓はレディ』などを手掛けた、周防正行監督の5年ぶりの待望の最新作。
カツベンとは、映画が”活動写真”と呼ばれまだ音が無かった時代に、楽士の奏でる音楽に合わせ、自らの語りや説明で映画を彩る活動弁士の事。今作品はその活動写真が盛んだった頃の活動弁士に憧れる主人公と、その主人公を取り巻く個性の強い様々な人物たちの笑いあり涙ありのアクションコメディです。
成田凌、黒島結菜、高良健吾、永瀬正敏、竹中直人、池松壮亮、井上真央、竹野内豊、山本耕史、小日向文也などなど個性的で濃い面々が繰り広げるてんやわんやのドタバタ劇。
映画に音があって当たり前の時代に生まれた私は勿論、無声映画を観たことがないのでとても新鮮な題材でした。音が無いので活動弁士たちが各々で独自の脚本を組み立てる事ができ、同じ作品でも全く違う物になってしまう。それは音のある今の時代にはあり得ない事で、活動弁士が活躍する時代を少しでも体験したかったという気持ちが募ります。
また、劇中に登場する無声映画にはモノクロなので分かりづらいですが、よく見ると城田優さんや上白石萌音さんなどが出演しており小ネタも盛り込まれていたりと細かいところで驚かされる面白さがありました。
観た人にはわかる成田凌さんと高良健吾さんのタンスバトルや、竹野内豊さん演じる刑事のどこからか漂う銭形警部っぽさ、自転車の逃走劇など思わず声を出して笑ってしまうシーンが良い塩梅に散りばめられています。
俊太郎が有名な活動弁士の真似事ではなく自分のオリジナリティある活弁をするまでの過程のストーリーが欲しかったなと物足りなさを感じる部分は多少ありましたが、途中でさりげなく張られた伏線を終盤に掛けて回収しラストにはきちんとオチがついたと思える作品でした。
チャップリンなどオーバーアクションで伝える欧米のサイレント映画とは違い、日本は物語文化だったため解説を入れないと作品が伝わらなかったため活動弁士なる存在が生まれたのだそうですが、今まであまり気にする事のなかった映画館の歴史についても触れる事ができ興味深かったです。
簡単にDVDや配信サイトなど家で映画が観れてしまう便利な今の時代だからこそ、特に”映画館で楽しむべき”作品なのかも知れないと感じます。
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テラシマユウカ
2014年に結成され、現在10人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。