皆さんは、他人の人柄を見る時どの部分に注目して判断しますか?
一つの判断基準でしかありませんが、個人的には、人を何かしら評価する際にその人のマイナスな部分を前置きしてから褒める人はあまり信頼できないなぁと感じたりします。
当事者の視点からしたら褒めているつもりで無意識のうちに発してしまっている言葉なのかもしれませんが、その無意識に人柄の大部分が詰まっていると思います。
人間というのは怖いものでどの視点に立つかよってマイナスにもプラスにも捉え方が180度変わってしまう。
今日はそんな人の視点、見え方を巧みに利用した恐ろしい人間の物語をご紹介します。
Filmarksさんの試写会にて先行視聴させて頂きました!
Vol.23『テッド・バンディ』
☆3.9/☆5.0点中
公式HP:http://www.phantom-film.com/tedbundy/
極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣
世界を震撼させたシリアルキラーの裏側に迫る――
IQ160の頭脳と美しい容姿で、司法・メディアを翻弄し、”シリアルキラー”の代名詞となった実在した殺人鬼テッド・バンディ。1970年代から多くの若い女性を強姦、殺害し死体に対する陵辱も行っており、少なくとも30人を殺害しているといわれています。
今作品では驚く事に、彼がいかにして人を殺め残虐性の高い人間であるかを表現した描写は無く、恋人や周囲の人間、メディアに見せた顔に焦点を当てて物語は進んでいきます。血も涙もない残酷な殺人シーンを描かずに表された彼の姿は、事件当時、実際に一部の人々の目に映ったであろう無実の罪にかけられてしまった容姿端麗・頭脳明晰で魅力的な1人の男を私達にも体感させるものでした。
視点によって見え方が全くもって変わるのは怖いもので、テッド・バンディの巧みな話術と自信に満ち溢れた佇まいによって、彼が何者であるか事前知識がある私でも次第に彼の表向きの姿に脳が支配され、与えられる情報によって、実は彼は罪を犯していないのではないかと翻弄させられてしまう人間の弱さに鳥肌が止まりませんでした。
映画でよく描かれるシリアルキラーのサイコパスな描写を求めて鑑賞すると拍子抜けするかも知れません。
ですが、観る側に”彼は本当に罪を犯してはいないのではないか?”と錯覚させるために決定的なシーンを避け、実際にも決定的証拠がなく確信に至らないため終始フワッと視聴者側に委ねられる部分が多いのですが、最後の最後に衝撃的なモノを見せつけられ残虐な描写がなかった反動で凄まじくゾッと血の気が引いていきます。
頭のキレも良く容姿も素晴らしい、一見非の打ち所のない魅力的な彼ですが、見た目や立ち振る舞いで自分の愚かさを誤魔化す滑稽さも見え隠れする一面もあったり。
テッド・バンディを知らない方は是非、そのまま知らずに観て頂きたい。そして観賞後に詳しく調べて驚愕の彼の本当の姿を知るのも楽しみ方のひとつです。
12月20日公開の『テッド・バンディ』。是非劇場で彼の恐ろしさを体感してみては如何でしょうか。
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テラシマユウカ
2014年に結成され、現在10人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。