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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

生きていくなかで生産される熱量のぶつけどころってどこに置いていますか?

仕事、勉強、スポーツ、ゲーム、その他の趣味など、熱量をかけられる場所は沢山存在しています。

私はそれこそ、毎週書いている映画コラムやアイドルとしてのライヴがそういった場なのですが、色々と世界的な流行りもありライヴが出来ずエネルギーの発散しどころを失っています。

ライヴに行くことを生きがいにしている方々も同じ気持ちだと思うのですが、なんだか生きている心地がしない日々が続いています。

だからといって何もしてない訳でもなく、日々ボイトレだったりダンスレッスンに行ったり色々活動してはいるものの、最終的な着地点では無いのでエネルギーを虚構に投げ込んでいる気がしてもどかしい気持ちばかりです。

そして改めて、ステージに立つことによってお客さんから発せられているエネルギーを受け取って自分の活力や向上心に変換出来ているというか、本当に生かされているんだと実感しました。

結果をすぐに求めすぎず何事も未来を見据える事が長く続けるコツだと思っているので、今は気長に待つのが最善なのかもしれません。

『自分にはこれしか出来ないから』と感じてしまうのは可能性を狭めてしまっている気がして、生き方に多様性を見出せればもっと幅広く行動できて楽しいのかもな、なんて考えたりします。

“頑張る”って辛いことだと私達は認識しがちですが、実際そんなことないと思うんですよね。時には辛い事も人生のスパイスとして重要だと思いますが、喜怒哀楽どの感情も失ってはいけないと思うので多種多様に頑張りたいですね。

健康に生きていたらきっと大丈夫なので積極的に予防に気を掛けて日々を過ごしていきましょう。

Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』

☆3.7/☆5.0点中

公式ページ:http://www.phantom-film.com/donovan/

 

2006年、ニューヨーク。人気俳優のジョン・F・ドノヴァン(キット・ハリントン)が29歳の若さでこの世を去った。自殺か事故か、あるいは事件か。謎の真相の鍵を握るのは、一人の少年だった。それから10年の歳月が過ぎ、ドノヴァンと当時11歳の少年だったルパート・ターナー(ジェイコブ・トレンブイ)の“秘密の文通”が一冊の本として出版される。今では注目の新進俳優となったルパートが、100通以上の手紙の公開に踏み切ったのだ。さらにルパートは、著名なジャーナリストの取材を受け、すべてを明かすと宣言するのだが──。

監督を務めたグザヴィエ・ドランといえば元々は俳優だったのですが、2009年に『マイ・マザー』で監督・脚本デビューし注目を浴びました。その後も監督として『Mommy マミー』『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』などと”らしさ”を確立させた作品で話題を集め続け、俳優としても『ある少年の告白』『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』などにも出演しており、素晴らしい逸材っぷり。

そして待ちに待ったドランの新作『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』。スターと少年。決して会うことのないふたりの、”秘密の文通”に綴られた真実。グザヴィエ・ドラン自身が幼少期にタイタニックで一世を風靡したレオナルド・ディカプリオにファンレターを送っていたという実話が基になった作品だとか。

少年とスターの秘密の文通やドノヴァンの死の真相を、大人になった少年の回想から膨らましていくという主に2つの時間を行き来しながら話を進める構成となっています。ドノヴァン、ルパートと2人の主人公が存在し、大人になったルパート、ルパートの母親と焦点を変えていきつつ、スターと少年や母と子との関係性など様々な物語が絡まり少々ややこしい作品に仕上がっているかもしれません。

こういう回想シーンや視点が行き来する映画は、別々のエピソードが展開していく中で最後に1つに纏まりバラバラだったパズルのピースが次第にはまっていくというものが多いです。今作はクライマックスのようなシーンが多く、「あ、さっきのシーンで終わりじゃ無いのか!」と拍子抜けする箇所があります。

監督の大きな武器であるエモーショナルさがクドくなっている所もありますが、母子再会シーンでコテコテにスタンド・バイ・ミーが流れて泣かせにかかってくるなど、構成が難しくなっている中で感情移入がスムーズにしやすい印象でした。

今作でなんといっても素晴らしいのは子役ジェイコブ・トレンブレイの演技力の高さ。『ワンダー 君は太陽』『ルーム』などでも見せてきた顔に加え表現の幅が広がり感情を揺さぶってくるパワーが圧倒的。彼の表情に何度涙が溢れそうになったことか。

少年の、母親のために役者になろうと奮闘するも母親に理解されず、お互い愛するが故のすれ違いと葛藤。スターとしての自分のイメージを守る為にセクシャリティな部分を隠し作り上げる偽りの自分との葛藤。

そんな葛藤を持つ2人が文通を通して自身の気持ちを告白し、誰にも邪魔されることなく希望を持つ事ができた唯一の心の支え。

少年の憧れ、夢。スターの陰と陽、孤独や苦悩。そして母と子の絆。様々な感情がぐるぐると渦巻いていくような映画でした。

またグザヴィエ・ドラン監督といえば、やはり『Mommy マミー』での画面比の演出が衝撃的で一生忘れられず心に残っているのでそちらも合わせて是非ともお勧めしたい作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
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Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』

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テラシマユウカ


2014年に結成され、現在10人組として活動中のアイドル・グループGANG PARADEのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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