皆さん、お元気ですか？
外出自粛要請が広がる中で、おうち時間を豊かに過ごそうと、ゲーム・YouTube・音楽・映画など様々なジャンルでいろんな工夫が凝らされていて、ひとりで家にいても全てSNS上で解決してくれるというネットの素晴らしさに感謝するばかりの日々です。
私は最近ニンテンドースイッチライトを購入したので、『どうぶつの森』を始めました。まだ2日目なのでひたすら雑草を抜き、虫や魚を捕まえてたぬきに売る作業をしています。
さて、今週はオンラインのフランス映画祭〈MyFrenchFilmFestival〉が過去10年間に配信してきた短編映画を無料で再配信するという企画「お家にいよう MyFFF STAY HOME EDITION」が開催中なので、その中から好きな作品を4つご紹介したいと思います。
こちらでは全70作品も配信されており、大体1作品15〜30分なので普段2時間も映画を観続けていられない！ という方にもオススメです。サイトではメールアドレスを登録するだけで鑑賞できますが、YouTubeにも配信されているので是非ともお気軽に。
MyFrenchFilmFestival STAY HOME Edition
https://www.youtube.com/user/MyFrenchFilmFestival
1. 『ジュディット・ホテル』(16分)
永遠の眠りにつくこと。それこそがレミの夢。8年前から不眠症に悩んできたレミにとって、この世はもはや苦難でしかない。そんな人生を変えようと、「ジュディット・ホテル」に予約を入れたレミ。大変評価の高いホテルのはずなのだが…。
本当に16分間しか無かったのかと疑う程のストーリー展開の上手さに見応えがあります。
美しさと混じり合う死と隣り合わせのダークな不穏さ、真っ赤な制服のメイド達や青いペンを食べる男性など個性的な登場人物、赤と青が印象に残る色使い、独特なシーン転換など、あらゆるポイントから感じるちょっとした違和感にじわじわと浸食され世にも奇妙な世界へと誘われます。”死”を近くに感じた時に、”生”へ執着する。始まりから皮肉の利いたラストまで素晴らしい作品です。
2. 『美味しい美女』(15分)
グルメな人肉食、オスカー・モングーは、同じ建物のアパートに住む、植物のように美しい隣人マドモワゼル・キャロットに熱烈な恋をしている。しかし上手くいかないことは目に見えていた。彼女はベジタリアン、オスカーは野菜恐怖症なのだ。そんなある晩、彼女から夕食に招待され…。
カニバリズムの男とベジタリアンな女の恋。
どこを切り取っても絵になるポップな色彩と、それぞれ食べている物がファッションやインテリアにまで可愛く映し出されており、言葉は少ないながらに表情・動作・音で語っていく展開や時折混ぜられるアニメーションが見ていてとても面白く楽しい、少しブラックでユーモア溢れる愛おしさが炸裂した作品でした。
3. 『ノー・ドロウニング』(17分)
人間たちは声だけで動き、あらゆることは機械にコインを投入することで機能している。孤独こそがもっとも美しいとされ、世界を支配していた。しかし、二人の夢見る人間が出会い、とつぜん世界に反逆を始める。ピープショーでストリップをする人魚と、人々の「願い」をかすめ取る潜水夫。二人をとりまく世界は、一体どうなってしまうのか？
コインを投入することが全ての世界で出会った不思議な男女の物語。
無機質で退廃的な街の様子や、ぼやけたネオンにピンクヘアーの人魚と、とても目を惹かれる世界に終始見惚れてしまいます。機械に動かされ人同士の関係性が薄くなっている中で感じた人の温かさと思いきや…… 思わず「やられた〜！」と感じてしまう最高のラストにショートフィルムの醍醐味が詰まっています。
4. 『夜明け』(22分)
高校の卒業試験が終わり、若者たちは浜辺で祝宴をひらいていた。そこでゴムボートを見つけた三人は、真夜中の舟旅に漕ぎ出す。しかし目を覚ませばすでに翌朝。水も食料も屋根もない吹きさらしのボートは、海の真ん中を漂っていた。
ちいさいボートに乗った高校生男子2人女子1人が酔った勢いで船を走らせ遭難してしまう所から始まる悲劇。
次第に襲い来る不安恐怖、絶望感。全体的にブルーがかった映像の中での海や空など様々な表情の青色が美しくも残酷で、次第に日焼けでボロボロになっていく若者たちの姿や徐々に追い詰められていく絶望の表情、22分という短さだからこそ耐えられるストーリーの重苦しさに心をかき乱され、まるで自分まで漂流してしまったかのように恐怖が襲います。
比較的前半にワクワクが詰まっており、後半の展開に意外性はないですが後味の悪さは格別。
今回ご紹介した作品以外にもまだまだMyFrenchFilmFestivalには素晴らしい作品達が溢れているので、他にも気になる物があれば空いた時間に是非。
お家で過ごす時間を映画で豊かに楽しんでいきましょう！
※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。
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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー４』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール－凶暴領域－』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT／イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン！』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
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