こんにちは、テラシマユウカです。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
お家で過ごす時間が増えていますでしょうか?
新作映画の公開も続々と延期になり、映画館に気軽に行けない状況なので、しばらくはお家で楽しめる作品をご紹介したいと思います。
今週のテーマは『青色映画ポスター』特集!
クールで魅惑的、冷たすぎず温かみの残った様々な表情を見せてくれる青色のポスター作品を4つ選出しました。
1. 『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
あらすじ
渋谷、新宿。二人は出会う。優しくてぶっきらぼうな、最高密度の恋愛映画、誕生。
看護師として病院に勤務する傍ら、夜はガールズバーで働き、言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香(石橋静河)と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年、慎二(池松壮亮)が排他的な東京で生きづらさを抱えながら出会い、そして、恋がはじまるーー。
最果タヒによる詩集の映画化。詩の世界観を映像表現したということで、台詞一つ一つに重みがあって突き刺さる。
大都市東京に住むとある男女を描いた物語であり、親元を離れ頼れる人間もおらず、東京に孤独な居心地の悪さを感じながらも生き抜こうとする姿にギュッと胸が掴まれます。
昼は看護師、夜はガールズバーで働く美香と日雇い労働者として働く慎二の二人の姿はリアルで残酷。不安を抱えながら生きることに追われている姿は、今この時代に生きる私達にとって完全に他人事とは切り離させません。
自己投影するかしないかによって見方が変わる作品ですが、苦しみの中でも身近にふと感じる幸せや、田舎を離れ都会に過ごすうちに暗くなることのない東京のネオンの美しさに魅了されていく様子にとても前向きになれる一作です。
2. 『シェイプ・オブ・ウォーター』
あらすじ
1962年、アメリカとソビエトの冷戦時代、清掃員として政府の極秘研究所に勤めるイライザ(サリー・ホーキンス)は孤独な生活を送っていた。だが、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と一緒に極秘の実験を見てしまったことで、彼女の生活は一変する。
人間ではない不思議な生き物との言葉を超えた愛。それを支える優しい隣人らの助けを借りてイライザと“彼”の愛はどこへ向かうのか……。
類を見ない世界観の恋愛映画。過去のトラウマで声を失ってしまっており会話は基本手話の主人公・イライザ。そのイライザの働く研究所に運び込まれてきた不思議な生き物、半魚人と次第に心を通わせ始める不思議な御伽噺。
愛の形は多様であり、半魚人と人間の恋愛という歪な形ですが物語の美しさが圧倒的で、なんの違和感もなく作品の世界観に溺れることができる不思議なバランスを持った作品。
言葉を使えない2人が、お互いの欠けた部分をどの様にして補い合いながら愛を紡いでいくのか、純粋なラブストーリーとして見応えがあります。
シェイプ・オブ・ウォーター”水の形”というタイトルの通り、形を持たない水と同様に愛の形も掴めないものであり、どんな形として捉えるのか様々な解釈ができる、とても美しい物語です。
3. 『Mommy/マミー』
あらすじ
2015年、架空のカナダで起こった、現実——。 とある世界のカナダでは、2015年の連邦選挙で新政権が成立。2ヶ月後、内閣はS18法案を可決する。公共医療政策の改正が目的である。中でも特に議論を呼んだのは、S-14法案だった。発達障害児の親が、経済的困窮や、身体的、精神的な危機に陥った場合は、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に入院させる権利を保障したスキャンダラスな法律である。ダイアン・デュプレの運命は、この法律により、大きく左右されることになる。
ADHDを持った息子スティーブと一人で子を育てる母親ダイアンの深い愛情と葛藤を描き出した、グザヴィエ・ドラン監督作品。
まずこの作品は通常の映画のスクリーンの比率とは違い、1:1の正方形になっており、物語の展開としても重要になってくるポイントです。
母と子のリアルすぎる葛藤に温かみのある色彩の映像、スティーブの表情や奔放で真っ直ぐな感情、シングルマザーの愛情だけではどうにもならない苦しさ、描かれる全てが印象的で心の底から感情を抉り出される感覚になる。
この選択で良いのかともやもやとすっきりしないながらも、人生に正解などない。どれだけ困難な道でも、それでも前を向き歩きつづけていくのが人間であり、”愛情”の難しさ、尊さを根本の部分から見せつけられます。
生涯、心に残り続ける大傑作。
4. 『ミッドナイト・イン・パリ』
あらすじ
ハリウッドの売れっ子脚本家ギルは、婚約者と憧れの街パリにやって来た。それなのにどこか満たされない彼は、本格的な作家に転身し、ボヘミアンな人生を夢見ている。そんなギルが深夜0時を告げる鐘の音に導かれ、さまよい込んだ先は、活気漲る芸術&文化が花開いた1920年代だった! これは夢か、はたまた幻かと驚くギルの前に、偉大な芸術家たるヘミングウェイやピカソ達と、官能的な美女アドリアナが現れて……。
昔の時代に憧れを持ちすぎているギルがタイムスリップし、彼が尊敬する人たちに会い価値観が変わっていくお話し。パリの風景、街並み、音楽、芸術、恋、どこをとっても魅力的で美しいパリの街をこの目で見たいと思わされる。コメディ要素もありファンタジーでもある、芸術について少し知識があればさらに楽しめます。
人間は今に不満を抱き、過去に囚われ未来に期待する。過去の方が良いと思ってしまう事はどの時代の人も思うような幻想であり、今を精一杯生きることが大事だと気付かされ価値観について考えさせられます。
今を精一杯愛そうと思える映画。
以上、青色映画ポスター特集いかがでしたでしょうか? 外に出歩けず塞ぎがちな生活になってしまう状況ですが、お家で充分に楽しめる気分転換としてひとつ映画でも観てみよう、そんな時に少しでも参考になれば嬉しいです。
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