こんにちは、テラシマユウカです。
個人的にホラー映画や救いようのない映画が大好きなのですが、最近はポジティブな明るい人間になりたいという謎の願いを込めて、ワザとそういう作品避けて観るようにしていました。
ですが、自分の傾向として映画でドン底まで気持ちを落とされて現実世界に戻ってきたときに逆に元気になる性格で、バランスよくハッピーエンドを摂取しないと虚しくなってしまいそうになったので、今週は暗い気持ちになれるトラウマに残りそうな映画を皆さんにオススメしたいと思います。
トラウマレベルを低中高の3段階に分けてご紹介します。
トラウマレベル★☆☆
『ファンタスティック・プラネット』
https://www.youtube.com/watch?v=icA4hCcA-m4
物語の舞台は宇宙のどこかの星。進んだ科学を操る巨大な人型宇宙人ドラーグ族と、彼らから虫けらのように虐げられる、地球人によく似た人類オム族。ドラーグ族による大規模な掃討作戦を前に、ついに二つの種族の全面対決が始まる……!
トラウマレベルとしては低めですが、誤って子供に見せちゃうととんでもないトラウマを植えつけてしまう作品。
映像やサイケな音楽全てが不気味でシュール、未知との遭遇の様な世界観が作り込まれています。独特で好みが別れそうですが、人の心を引き込む力が強く中毒性が高い。
この地球上での支配者は人類ですが、ドラーグ族の星では支配されて駆除される存在。まるで虫ケラのように人が死んでいく怖さと、この地球では食物連鎖から外れている私達が何の気無しに世界に対してやっているであろう事が重なり、それをファンタジーとして描く面白さと自分たちに対する恐怖が湧き上がってきます。
トラウマレベル★★☆
『震える舌』
郊外の団地に三好昭と妻の邦江、娘の昌子の三人家族は住んでいた。その付近には、まだ葦の繁みがあり、ある日昌子は湿地の泥の中を、蝶を追って捕虫網をふりまわしていた数日後、母の邦江は昌子の小さな異常に気づいた。食事中、昌子は食物をポロポロこぼし、トイレに立った後ろ姿は鵞鳥のような歩き方をしている。風邪かなと邦江は心配したが、その直後に昌子は絶叫をあげて倒れる……。
破傷風に侵されてしまった少女とそれを看病する家族をホラー映画のように強烈に描いた異色の映画。
カテゴリー的にホラー映画ではなく、グロテスクな表現もほぼないのですが、自分ももしこうなってしまったら…… と考えられる身近さが死ぬ程恐ろしく、コロナウイルスが蔓延している現在の世界であるからこそより痛感させられる題材なのではないかと感じます。
子供があんなにも痛そうに悶え苦しむ姿や、数日の看病でノイローゼにまで追い込み家族の精神を狂わせていく様子に、病気ほど怖いものはないとひしひしと思い知らされます。
なによりも子供の演技が迫真で、あまりの痛さに噛みちぎりそうな程舌を噛み口から血を出しながら悶え苦しむシーンは、脳裏に焼き付いて離れません。
重々しいストーリーですが、悪い事ばかりでは終わらずしっかり感動もあり、そして、まさに今大切な事を改めて教えてくれる素晴らしい作品です。
トラウマレベル★★★
『マーターズ』
1970年初頭のフランス、行方不明となっていた少女リュシーが路上を彷徨っているところを発見される。何者かに廃墟に監禁され、長期に渡って拷問と虐待を受けていたリュシーは事件の詳細を語らないため捜査は難航を極めていた。養護施設に収容されたリュシーは、母親のような少女アンナの献身的な介護で平穏な生活を取り戻してゆくが……。
フランスの新鋭、パスカル・ロジェ監督が手掛ける究極の残酷ホラー。幼いころに誘拐され、拷問と虐待がトラウマになった女性と、彼女を支える親友を描いた戦慄のトラウマ作品です。
前半と後半ではガラリと雰囲気が変わり、別の恐怖が待ち構えています。ホラーというよりバイオレンスでカルト的。先の読めない二転三転していく驚きの展開と次第に明かされていく真相の中で、残酷で痛々しく容赦ない描写が最強に胸糞悪く悪趣味です。救いようのなさがズバ抜けていて、不条理を通り越して最早清々しさを感じてしまう程。
緊迫感のあるカメラワークとカット割り、目を覆ってしまいそうになる程に非人道的な行為と異常な世界観に息苦しく、観賞後のドッと襲いくる疲れがとても快感で心底嫌な映画を観てしまったなと陰鬱な気持ちになれるので、こういうジャンルが好きな方にはもってこいの傑作です。
同じくパスカル・ロジェ監督作品の昨年公開された「ゴーストランドの惨劇」はまだライトな恐怖で割りかし似ているトラウマ映画なのでそちらもオススメです。
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