こんにちは、テラシマユウカです。
次第に緊急事態宣言が解除される地域が出てきて、少しずついつも通りの生活に戻りつつある方もいらっしゃるのでしょうか?
東京もそろそろ解除されそうな感じはしますが、それによる気の緩みで第二波がきてしまうんじゃないかという不安が募ります。
エンターテイメントの世界が以前の様に戻ってくるのはまだもう少しかかりそうですが、それを取り戻す為にもひとつひとつに丁寧に気をつけて生活していくしかないなと改めて気を引き締めています。
私の所属するPARADISESとしては5月23日にキラ・メイちゃんが加入し新体制がスタートしたので、早く皆さんにパフォーマンスを見てもらいたいなという気持ちで溢れています!
7月22日に1stフルアルバムのリリースが決定しまして、リード曲の「TWINKLE TWINKLE」が先行配信されたので是非聴いてみて下さい。
https://paradises.lnk.to/SG0523
そしてグループの公式Instagramも開設され、今まで以上にPARADISESを発信していく幅が広がったと思うので、より多くの方々に楽しんで頂ければ幸いです!
ということでそろそろ本題へ。
今週は退廃的な雰囲気が美しく魅了されるゴシック映画をご紹介したいと思います!
1. 『回転』
ロンドンで暮らす大金持ちの男(マイケル・レッドグレーヴ)から、郊外の屋敷で暮らす甥と姪の家庭教師として採用されたミス・ギデンス(デボラ・カー)。男からの注文は、私の手を煩わせず、自分自身で問題を解決するようにとのことだった。
屋敷を訪れた彼女を待っていたのは、幼いフローラ(パメラ・フランクリン)と世話人のグロース夫人(メグス・ジェンキンス)。ほどなくして兄のマイルス(マーティン・スティーヴンス)が寄宿学校を退学させられ、屋敷へと帰ってくる。
しばらくは平穏な日々が続いていたが、屋敷の中や外で不気味な人影をたびたび目撃するギデンス。それは以前ここで働いていた使用人と家庭教師の幽霊ではないかと疑い始めた彼女は、幼い兄妹を邪悪な幽霊から守ろうと決意するのだったが……。
幼い兄妹に取り憑いた邪悪な幽霊と対決しようと奮闘する家庭教師を描いたゴシックホラーであり、心理サスペンス。
ジャンルにするとホラー映画となりますが、幽霊というよりも心理的な怖さがあり、驚くほどの心理描写が魅力の作品となっています。
モノクロ映像というアクセントにより退廃的に美しく不気味に表現され、カメラワークや音、光の使い方どこをとっても洗練されており、上品で独特な憂鬱感が漂い続け癖になります。
この映画での幽霊とは不吉な兆候でしかなく、最後の最後まで幽霊だったのかなんなのか曖昧で分からず、不確かな存在が確実にそこにいるという恐怖がこの作品のミソ。聞こえるはずのない声や見えるはずのない人影、妄想なのか現実なのか輪郭がはっきり捉えられない恐怖に支配される本質的な怖さのある傑作中の傑作です。
2.『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』
https://www.youtube.com/watch?v=ng-0MD8-xcc
18世紀末、最愛の妻を亡くし、絶望の淵に沈む彼の前に現れた悪魔的美貌の吸血鬼レスタト。彼によって永遠の命を与えられたルイは、レスタトと共に世紀末の夜をさまよう現代のサンフランシスコ。街を見下ろすビルの一室で、インタビュアーを前に美しい青年ルイが自らの半生を語り始めた。
自らをヴァンパイアだと名乗る男・ルイのインタビューで語る200年にも及ぶ数奇で壮絶な半生の物語。
若かりしトム・クルーズとブラッド・ピットのハリウッド屈指の究極の2大美男子の共演というファンタジーの様なうっとりせずにはいられない耽美映画です。
物語としては基本暗く、人間の心を捨てきれていないが闇の中でしか生きられない苦悩に苛まれる美しくも哀しき人間味のあるヴァンパイアの姿が描かれています。
気高さと儚さを併せ持ち、観るものを惑わせる官能的な色気が最高で、女性だったら一度は観るべき腐女子心をくすぐられる作品。
3.『ヴィオレッタ』
女流写真家の母アンナ(イザベル・ユペール)は仕事で滅多に家に帰ってこず、母の愛情を求める娘のヴィオレッタ(アナマリア・バルトロメイ)は優しい祖母に育てられながら母の帰りを待つ。ある日、突然帰ってきたアンナは、ヴィオレッタを写真のモデルへと誘う。母親に気に入られたいヴィオレッタはモデルになる事を決心。しかし、アンナの要求は徐々にエスカレートし、大胆なカットを要求される。最初はごく普通のあどけない少女だったが煌びやかな衣装とメイクで次第に大人の女の色香を漂わせ、退廃的な少女に変貌していく……。
母親が娘のヌードを撮影した実話を基にした物語であり、当事者のモデルだったエバ・イオネスコ自身が脚本、監督をした作品。
ヴィオレッタの圧倒的美しさと母親が好んだゴシックな衣装、絵画の様な芸術的映像に相反する母親の歪んだ愛の形や娘の母親への憎悪が混じり合い痛いほど悲しみが胸に刺さります。
母親の「私なりに愛しているのよ」という台詞が全てを物語るいきすぎた愛。特別を求める者と普通を求める者、相入れないはずのものを求めすぎるあまりに倫理観を見失い、娘に投影させてしまった母親は見ていて痛々しくとても辛いですが、視覚芸術としてはひたすらに美しく神秘的な作品です。
※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。
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テラシマユウカ
テラシマユウカ、月ノウサギ、