こんにちは。テラシマユウカです。
暑くて寝苦しい日が続いたと思えば、雨で少し肌寒かったりとなんだか気怠げに感じる事の多い日々です。
大阪の実家の玄関先に紫陽花が植えてあるのですが、今年も咲いたと父親から写真が送られてきてなんだかほっこりしました。
実家には庭にも玄関にも色々な植物が植えられていて、この季節ナメクジが大量に発生してキモかったな〜なんて懐かしさに浸りながら、ついつい私も花瓶を買いベッドサイドテーブルにお花を飾る事にしました。
家に花があるという少しの変化だけで、気分が上がるしちゃんと季節を感じることができるので継続していきたいと思います。
ということで今週はオンライン試写で先行視聴させて頂いた、観るには少々覚悟がいるかもしれない作品をご紹介します!
Vol.53『アングスト/不安』
☆4.3/☆5.0点中
公式ページ:http://angst2020.com/
1980年、オーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した実録スリラー映画。7月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開。
1983年にオーストリアで製作され、そのショッキングすぎる内容により1週間で上映打ち切り、他ヨーロッパでも上映禁止、イギリスとドイツではビデオの発売も禁止。アメリカではXXX指定を受けて配給会社が逃げたといい、日本では1988年に『鮮血と絶叫のメロディ/引き裂かれた夜』のタイトルでレンタル用VHSとして極僅かにだけ発売された禁断の作品が、37年の時を超えてついに解禁となります。
刑務所出所後の殺人鬼・狂人が感じる不安やプレッシャーによる異様な行動と心理状態を凶暴かつ冷酷非情に映し出しており、注意事項には「娯楽を趣旨としたホラー映画ではなく、特殊な撮影手法と奇抜な演出は観る者に取り返しのつかない心的外傷を及ぼす危険性がある」とまで書かれる程、あまりにもショッキングすぎる内容となっています。
殺人鬼自身の独白によって話が進み、淡々と説明される事によって共感はできずとも彼の精神状態が伝わってくる構成になっているので、いつの間にか支離滅裂な言葉に支配され、異常な心理に飲み込まれる様な感覚に陥ります。
また、音楽とカメラワークの芸術性が高く特徴的で、まるで彼の強迫観念や冷徹な空気感を表すかの様なサウンドと目を逸らしたくても逃げ場のない、直視せざるを得ないまとわりつく不安なカメラワークになっており、加えて長回しが多く、より一層リアルにまるでその空間にいるかの様な、殺害現場の緊張感や焦燥感が死ぬ程伝わってくる。
今まで『ハウス・ジャック・ビルト』や『セブン』などといくつものシリアルキラー作品を観てきましたが、『アングスト』は群を抜いて異常性が高く、映画だからといってストーリーがどうのという問題ではなく、実際に殺人鬼が一家惨殺していく様子をひたすら横で眺めさせられる感覚の作品になっています。
犯行動機は無く、ただそこにある狂気に取り憑かれているだけの衝動的殺人の様子をリアルに映し出した唯一無二のあまりにも危険すぎる最高に最悪な傑作。
軽い気持ちで人にオススメできる様な映画ではないですが、是非劇場で。
※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。
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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
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Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
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Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
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Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
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Vol.21『マチネの終わりに』
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Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
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Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
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