watch more
StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

ここ最近は、作詞をしたり振り付けを考えたりという時間が多いのですが、考え事をしている時のメモって字として成立していないので後から読めなくなってしまって途方に暮れています。

振り付けに関しては棒人間を踊らせたメモを書いているのですが、絵に味がありすぎて自分でも引くレベル。

そんなこんなで新しいことを始めたりするのは最初は試行錯誤で効率の良いやり方だったりを見つけるのに時間がかかってしまいますが、そんな遠回りも自分の中の糧になっていたり、成し遂げたときの達成感は清々しくて良いものだなとしみじみ感じています。

7月22日リリースPARADISESの1stアルバムはもちろんのこと、ライヴという形でも皆さんにはやくお届けしたいなという気持ちです!

Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』

☆3.5/☆5.0点中

公式ページ:https://graceofgod-movie.com/

 

妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドルは、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため、過去の出来事の告発を決意する。
最初は関りを拒んでいたフランソワ、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエルら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。
また、アレクサンドルたちは沈黙を破った代償──社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発のゆくえは──?

 

フランスで現在も裁判が進行中の「プレナ神父事件」。過去にベルナール・プレナ神父に性的虐待を受けた1人の男性から発端し、ついには80人以上もの男性たちが名乗りを上げ告発したという実話に基づいた物語であり、かつて性的虐待を受けていた3人の男性それぞれの視点で描いたヒューマンドラマです。

はじめに声をあげた男性アレクサンドル役にグザヴィエ・ドラン監督作の「わたしはロランス」で圧倒的美しさを放ったメルヴィル・プポー、フランソワ役に「ブラッディ・ミルク」でセザール賞を受賞したスワン・アルロー、そしてエマニュエル役に「ジュリアン」ドゥニ・メノーシェ。メインを務めた3人は揃ってセザール賞にノミネートされており、アルローが助演男優賞を獲得しています。

幼少期に神父から性的虐待を受け、時を経てもなおトラウマに苦しむ男性たちが虐待を告発するまでと、告発した事による大きな苦難や葛藤。3人それぞれの性格や生まれ育った環境の違い、歩んできた人生によって事件に対する向き合い方の姿勢の三者三様な違いが映し出されていました。

家族によって揉み消されてしまった少年たちの声や、神父の罪を認めるも彼を擁護して責任から逃れようとする教会という組織。

今作は教会や宗教に限った話ではなく、矛盾していながらも見過ごされてきた身近に潜んでいる世の中の問題や、それに立ち向かう難しさと勇気ある1人の決意によって多くの人間を動かすことになった行動の大切さなどを描き出した、他人事では終わらせてはいけない作品となっているのではないでしょうか。

息子が父に問いかけた、「今でも神を信じている?」という問いかけが印象的で心を締め付けられました。

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』7月17日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』

「それでも映画は、素晴らしい。」のバックナンバーも合わせてチェック!!

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)
【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
【連載】Vol.8『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(推薦者:松隈ケンタ)
【連載】Vol.9『シカゴ』(推薦者:ユイ・ガ・ドクソン)
【連載】Vol.10『トイ・ストーリー3』(推薦者:T-Palette Records 古木智志)
【連載】Vol.11『青春の殺人者』(推薦者:岩淵弘樹)
【連載】Vol.12『時計じかけのオレンジ』(推薦者:BiS ムロパナコ)
【連載】Vol.13『トレインスポッティング』(推薦者:蒲鉾本舗高政高政社長)
【連載】Vol.14『ドリーマーズ』(推薦者:美容室code+LIM ワタロー)
【連載】Vol.15『トゥルー・ロマンス』(推薦者:UGICHIN)
【連載】Vol.16『メリー・ポピンズ』(推薦者:ヤママチミキ)
【連載】Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』(推薦者:アヤ・エイトプリンス)
【連載】Vol.18『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(推薦者:平賀哲雄)
【連載】Vol.19『天使にラブ・ソングを…』(推薦者:テラシマユウカの母)
【連載】Vol.20『少年は残酷な弓を射る』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.21『ローマの休日』(推薦者:エビナコウヘイ)
【連載】Vol.22『湯を沸かすほどの熱い愛』(推薦者:セントチヒロ・チッチ)
【連載】Vol.23『あの日々の話』
【連載】Vol.24『万引き家族』(推薦者:ハルナ・バッ・チーン)
【連載】Vol.25『クレイマー、クレイマー』(推薦者:テラシマユウカの父)
【連載】Vol.26『プラダを着た悪魔』(推薦者:LEBECCA boutique ブランドディレクター、赤澤える)
【連載】Vol.27『ザ・マジックアワー』(推薦者:ごんちょく)
【連載】Vol.28『下妻物語』(推薦者:キャン・GP・マイカ)
【連載】Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(推薦者:ナルハワールド)
Vol.30『ホラー映画オススメ10選』
vol.31『きみに読む物語』(推薦者:ももち)

テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールドの3人からなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

PICK UP