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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

先日、『TENET テネット』の試写会に招待して頂き、公開前に一足先に鑑賞してきました……!

ノーランと同じ時代に息をしているという素晴らしさに鼻水が永遠に止まらず、ネタバレにならないよう感想をぼかしてなんとか言おうとも、言葉にならない感動が込み上げてきて吐きそうになるので、とりあえず一旦落ち着いて公開初日に鑑賞しに行き、もう一回あのノーランワールドを浴びてから、来週のコラムに書きたいと思います。

ということで、今週は別のノーラン作品をご紹介致します。

Vol.65『インターステラー』

☆4.8/☆5.0点中

公式サイト:https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=4366/

 

地球の寿命は尽きかけていた。

居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。

彼を待っていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙。

はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか?

 

9月18日、ノーラン監督最新作『TENET テネット』公開を控えて行われているノーラン祭り。『ダークナイト』『ダンケルク』『インセプション』と続き、ついにラストを締めくくったのは『インターステラー』。

アカデミー主演男優賞受賞マシュー・マコノヒー、アカデミー助演女優賞受賞アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステインといった実力派俳優らが出演し、2014年に公開されました。異常気象と飢饉により絶滅の危機に立たされた人類の新天地を求め、地球に家族を残して旅立つ宇宙飛行士を描いたSF映画。

本作では圧倒的な宇宙空間が映し出されており、徹底的にリアリズムにこだわるノーラン監督は極力CGを使用せず、約60万坪もの広大なトウモロコシ畑を一から栽培し、実物大の宇宙船や、5次元宇宙空間までも創り上げたのです。

そして更に、宇宙空間をよりリアルにするべくノーベル物理学賞のキップ・ソーンをスタッフとして迎え、地球と宇宙で流れる時間のスピードは異なるという科学的考証に基づいたギミックを用い、時間を超越した親子の絆を描きました。

過去に何度も観たことはありましたが、グランドシネマサンシャインのフルスクリーンのIMAXでこの宇宙空間を体感してしまうと、段違いの没入感。ノーラン祭りで再上映された作品は全てIMAXで鑑賞しましたが、その中でも本作は圧倒的にIMAXで観ることを推奨したい作品です。

宇宙船離陸時の轟音、砂嵐、静寂な宇宙での完全なる無音に包まれるシーン、探査先の惑星での大波、氷に覆われた惑星、ブラックホール、、あげ出すとキリがない映像や音響効果の数々。

とにかくスケールの大きい作品だからこそIMAXの重要さを切に感じさせられ、過去に鑑賞した際にこんなにも見えていない世界が大きかったのだと驚愕せざるを得ませんでした。この映画のためにIMAXが生み出されたのではと思ってしまうほど。iPhoneなどで手軽に作品を観れる様になった現代だからこそ、”映画”と”映像”の違いの本質的な部分を見せつけられた感覚が衝撃的でした。

自分も宇宙に飛び立ったのではないかと錯覚してしまい、心が飲み込まれ意識を奪われてしまいますが、この物語の本質は愛でありクーパーとマーフの最初から最後まで貫かれた親子の愛は涙無しでは観ることができません。

ストーリーが難解で、相対性理論や量子力学など知識がないと理解が追いつかないものが多く登場し、2時間49分という超長尺でもある一見ヘビーな作品ですが、全く飽きる事なく置いてけぼりになる事もなく、人間の本質は愛であり数式や理論で証明できない存在こそ確かなものであるのではないかと、心に直接語りかけてくるような、何度でも味わえる名作であることは間違いありません。

9月17日まで全国の映画館で再上映されているので、『TENET テネット』公開前にもう一度、観てみたいと思います。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールドの3人からなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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