watch more
StoryWriter

最近、『007』、『ワイスピ』、『DUNE』、『ジュラシックワールド』、『バットマン』、『フラッシュ』と次々と映画ファン待望の作品達の公開延期が発表され、なんとも言えない気持ちになっています。

どうも、テラシマユウカです。

コロナの影響で劇場公開せずに配信に切り替えて公開する作品も少なからず出てきて、劇場で観ることにこだわりのある身としては落ち込むことが多くなってきました。

世の中の状況が良くなるまで延期し続けるというのも大変ですが、配信になってしまうのではなくなんとか劇場で観れないものかと願ってしまいます。

この影響で延期された先が2021年に多いので来年の楽しみが増えたとポジティブに考えてこれからも少しでも映画産業に救いがあるよう劇場へと足を運び続けたいと思います。

Vol.69『悪魔はいつもそこに』

☆3.8/☆5.0点中

公式サイト:https://www.netflix.com/jp/title/81028870

 

オハイオ州ノッケンスティフ。アーヴィン・ラッセルは自分とその家族を守るべく、亡き父にまつわるトラウマを克服しようとしていた。そんなアーヴィンの周りに邪悪な者たち―強盗で生計を立てるカップル、腐敗した保安官、俗世の欲にまみれた牧師―が集ったとき、世にもおぞましい惨劇が引き起こされてしまう。

 

愛する者を守ろうともがく若い男(トム・ホランド)の周りで、邪悪な人間たちの思惑が渦を巻く。トム・ホランドが主演を務め、ロバート・パティンソン、セバスチャン・スタンなど豪華共演による、アメリカ中西部を舞台に描いたサスペンスと魅惑あふれるNetflixオリジナルのゴシック映画。

本作はドナルド・レイ・ポロックが2011年に出版した小説『The Devil All the Time』を原作とし、原作者の彼は登場人物の心情や背景などを説明するナレーターとして映画でも重要な役割を担っています。

物語はトム・ホランド演じる主人公アーヴィンの父親ウィラードが第二次世界大戦から戻った日から始まります。2つの戦争が象徴的に物語の冒頭と結末に描かれており、冒頭では第二次世界大戦で地獄を見た父親、結末にはこれからベトナム戦争の泥沼に足を突っ込もうとしている転機にいる息子。

レノーラも教会から親の生きた人生とリンクした運命を辿ることになり命を落としてしまい、サンディは夫カールの欲求に付き合い人間が死にゆく様の撮影に付き合い続け、そんな生活から抜け出そうと2度試みるが抜け出せずに彼女も死んでしまう。

アーヴィンは父親に対する恨みを抱き続けたまま成長するがレノーラをいじめた相手を徹底に仕返しするなどと、次第に昔の父の姿と重なっていく。ラストにはアーヴィンがヒッチハイクした車のラジオから聞こえる、ベトナム戦争での共産主義には屈しないという大統領の言葉にも資本主義的思想が込められており、小さな町に生きる人々の負のループを描いた人間ドラマになっていました。

神を信じる人々が残酷な決断や行動をしていくストーリーで、宗教的価値観がテーマでありキリスト教色が強く出ている為、馴染みがない方も多いかもしれません。ですが、豪華なキャスト陣の演技を見ているだけでも見応えたっぷりの2時間18分となっています。

スパイダーマンでお馴染みのトム・ホランドや、話題作である『TENET テネット』や新作『ザ・バットマン』でも主演を務め再注目されているロバート・パティンソンも出演していることもあり、目を離せない作品です。

Netflixで配信中ですので、是非。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』

「それでも映画は、素晴らしい。」のバックナンバーも合わせてチェック!!

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)
【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
【連載】Vol.8『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(推薦者:松隈ケンタ)
【連載】Vol.9『シカゴ』(推薦者:ユイ・ガ・ドクソン)
【連載】Vol.10『トイ・ストーリー3』(推薦者:T-Palette Records 古木智志)
【連載】Vol.11『青春の殺人者』(推薦者:岩淵弘樹)
【連載】Vol.12『時計じかけのオレンジ』(推薦者:BiS ムロパナコ)
【連載】Vol.13『トレインスポッティング』(推薦者:蒲鉾本舗高政高政社長)
【連載】Vol.14『ドリーマーズ』(推薦者:美容室code+LIM ワタロー)
【連載】Vol.15『トゥルー・ロマンス』(推薦者:UGICHIN)
【連載】Vol.16『メリー・ポピンズ』(推薦者:ヤママチミキ)
【連載】Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』(推薦者:アヤ・エイトプリンス)
【連載】Vol.18『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(推薦者:平賀哲雄)
【連載】Vol.19『天使にラブ・ソングを…』(推薦者:テラシマユウカの母)
【連載】Vol.20『少年は残酷な弓を射る』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.21『ローマの休日』(推薦者:エビナコウヘイ)
【連載】Vol.22『湯を沸かすほどの熱い愛』(推薦者:セントチヒロ・チッチ)
【連載】Vol.23『あの日々の話』
【連載】Vol.24『万引き家族』(推薦者:ハルナ・バッ・チーン)
【連載】Vol.25『クレイマー、クレイマー』(推薦者:テラシマユウカの父)
【連載】Vol.26『プラダを着た悪魔』(推薦者:LEBECCA boutique ブランドディレクター、赤澤える)
【連載】Vol.27『ザ・マジックアワー』(推薦者:ごんちょく)
【連載】Vol.28『下妻物語』(推薦者:キャン・GP・マイカ)
【連載】Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(推薦者:ナルハワールド)
Vol.30『ホラー映画オススメ10選』
vol.31『きみに読む物語』(推薦者:ももち)

テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールドの3人からなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

テラシマユウカ Twitter

PICK UP