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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

師走ってなんだかんだバタバタとしてしまって文字通り”師走”だなあと感じる12月を過ごしています。

2020年を振り返るとやはり、楽しみに待っていた多くの映画達が公開されず来年へと持ち越しになってしまった事が悔やまれます。

公開日が近づけば近づく程、また延期と告げられてしまうのではないかとFilmarksと睨めっこしながらヒヤヒヤ過ごした一年でした。

そんな中で今週は延期に延期を重ね、最終的には公開が1週間早まるという奇跡の起きた作品をご紹介します!

Vol.79『ワンダーウーマン 1984』

☆4.2/☆5.0点中

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/wonderwoman/

 

スミソニアン博物館で働く考古学者・ダイアナのもうひとつの顔――それはヒーロー界最強とも言われる桁外れのスーパーパワーを秘めた戦士<ワンダーウーマン>。1984年、人々の欲望を叶えると声高に謳う実業家マックスの巨大な陰謀と、立ちはだかる正体不明の敵チーターを前に、ワンダーウーマンに絶体絶命の危機が訪れる。ワンダーウーマンはたった一人で世界の崩壊を止められるのか?

 

DCコミックスが生んだ女性ヒーロー、ワンダーウーマンの誕生と活躍を描き、全世界で大ヒットを記録したアクションエンターテイメント「ワンダーウーマン」の続編である今作。

ワンダーウーマン(ダイアナ)はアマゾン族として驚異的な身体能力、戦闘術など幅広い特殊能力を身に付けたほぼ不老不死の戦士。

新型コロナウイルスの影響により当初全米公開予定日であった6月5日から大幅な公開延期を経て、12月25日の全米公開に先駆け日本では12月18日に待望の劇場公開となりました。

前作でもメガホンをとったパティ・ジェンキンス監督のもと、前作と同じく主人公ワンダーウーマンを演じるガル・ガドット、そして、ダイアナの恋人クリス・パイン演じるスティーブも再び登場しています。

前作が第一次世界大戦時の1918年が舞台でしたが、今作ではその66年後、1984年のお話となります。考古学者として博物館に勤めているダイアナは、ある力を持った宝石と関わることになり、その宝石が巨大な陰謀を持つ実業家マックスの元へと渡り、世界を混乱へと陥れてしまいます。

タイトルにもある通り80年代の時代背景が特徴的に映し出されています。文化や産業など見るからに華やかな文明が花ひらいた時代でもある一方で、景気が落ち込みつつ、米ソ冷戦の余波があり核戦争への恐怖もあった時代。ポップカルチャーと破滅への危機が隣り合わせのご時世での象徴としてマックスがキーになっており、人間の欲望とそれに伴う代償が描かれていく。

前作と比べてヴィランの人物像やその背景がより濃くなっていましたが、神々の闘いであった前作ほどの強さはなく、アクションシーンがあえて抑えめになり、よりパーソナルな部分に焦点が当てられていた印象でした。

ダイアナの唯一の願いである恋人スティーブの存在と、世界を救うための自身の力、究極の選択に迫られ乗り越えていくダイアナの成長物語であり、時空を超えたロマンチックな恋愛映画としての側面も持ち合わせています。恋愛、家族愛、人が人を想う描写が印象的に映し出されている為、思わず感情移入せずにはいられません。

世界を救うために更にパワーアップして帰ってきた美しく優しい戦士「ワンダーウーマン」。2020年に唯一公開となった待望のアメコミ映画、クリスマスシーズンにも、年の瀬の締めくくりにもふさわしい一作です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ の4人からなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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