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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

つい先週からアメリカ大統領選挙での誤った情報拡散を防ぐため、TwitterでのRT機能が制限されるようになりました。

また、ジョージ・フロイド殺害事件を受けて”Black Lives Matter”と警察の暴力に抗議するムーブメントも良く目にする出来事であります。

そんな今このタイミングで公開されたばかりの、現在の状況と切っても切り離せないような60年代に実際に起きた事件を映画化した作品を今週はご紹介したいと思います。

Vol.71『シカゴ7裁判』

☆4.2/☆5.0点中

公式サイト:https://www.netflix.com/jp/title/81043755

 

1968年8月28日、イリノイ州シカゴで民主党の全国大会が開かれていた。同大会では、大統領選の候補者たちがベトナム戦争にどう対処すべきかという問題を盛んに議論していた。その頃、会場近くのグランド・パークでは、ベトナム戦争に反対する活動家・市民がデモのために集結しており、その数は1万5000人を超えていた。デモが大いに盛り上がった結果、一部の参加者が民主党大会の会場に押しかけようとしたが、警官隊はそれを制止していた。警官隊がデモ参加者を警棒で殴ったり、彼らに向かって催涙ガスを発射したりしたところ、怒った参加者が石やビンを投げるなどして応戦した。

この騒乱の結果、双方合わせて数百名の負傷者を出し、16人(警察官8人、デモ隊8人)が起訴されることとなった。このうち、暴動を扇動した容疑で告訴されたデモ参加者7人はシカゴ・セブンと呼ばれるようになった。本作はシカゴ・セブンの裁判の様子を描き出していく。

 

10月16日(金)より、Netflixにて独占配信開始された『シカゴ7裁判』。

『博士と彼女のセオリー』やファンタビシリーズなどで広く知られるエディ・レッドメイン、『インセプション』『(500)日のサマー』のジョセフ・ゴードン=レヴィット、『レ・ミゼラブル』のサシャ・バロン・コーエンや、マイケル・キートン、マーク・ライランスなど、超豪華キャストの共演が実現した作品となっています。

1968年、シカゴで開かれた民主党全国大会。会場近くでは、ベトナム戦争に反対する市民や活動家たちが抗議デモのために集結し、当初は平和的に実施するはずだったデモは激化していき、警察との衝突へと発展してしまいます。デモの首謀者とされたアビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)や、トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)などの7人の男達〈シカゴ・セブン〉は、暴動を煽り抗議デモを企てたという罪で逮捕・起訴されてしまう。今作はそんな壮絶で不条理な裁判を描いた、アメリカ史においても重要な存在である実話に基づくドラマとなっています。

タイトルの通り裁判劇を中心に物語が進行していきます。情報量がとにかく多く淡々と進んでいくので、登場人物をしっかり名前と紐づけて追っていくには少々大変な部分もありますがキャラクター達それぞれに抱える問題が明確に映し出されており、話のテンポが良く時系列もわかりやすくまとめられており、緊迫感とユーモアのバランスも絶妙で、実力派の名優達一人一人が燃え上がるようにぶつかり合う法廷ドラマには瞬く間に惹き込まれてしまいます。

作品内にいくつもの象徴的なシーンが存在しますが、裁判の過程で忘れかけてしまっていたそもそもの行動や活動の本質的な部分である、戦死者の名前をトム・ヘイデンが読み上げ訴えかけるクライマックスや、我々が法廷ドラマで求めがちな”逆転劇”というものに固執せず描かれ、最後に綴られる彼らの後日譚には胸を熱くし心を震わせられずにはいられませんでした。

今年の賞レースでも大注目されること間違いなしの『シカゴ7裁判』。 劇中で「The whole world is watching “全世界が見ている”」という非常に印象深い言葉が幾度となく叫ばれますが、正にNetflixを通して全世界にこの映画が配信されることは、事件から50年経った現在にも人種差別やファシズムなどといった問題に対して訴えかけられるものが非常に多く、見逃せない作品となっています。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ の4人からなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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