テラシマユウカの映画コラムVol.84『ズーム／見えない参加者』

2021年は去年大量に公開延期になったものが巡ってきてかなりの作品数のホラー映画が公開される予定なのですが、

『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
『ゴーストバスターズ／アフターライフ』
『Last Night in Soho』

の延期がまたもや発表となってしまい悲しみに暮れています…。

007やキングスマンなどもいよいよ、何回目やねん！ と発表を見ながら大声でツッコミを入れてしまうくらいになってきました。

毎週映画コラムを書かせて頂いていますが、公開予定日などを眺めながらなんとなくどの時期にこの映画コラムを書こうかな〜なんてビジョンが特にここ半年程はまったく想像通りにいかなくなってしまいました。

映画館へ足を運ぶタイミングも週1と、従来よりは減ってきてしまった分これを機にそろそろマーベル作品にしっかり手を出してみようかな〜なんて考えています。

Vol.84『ズーム／見えない参加者』

舞台は新型コロナウイルスでロックダウン中のイギリス。Zoomを介して死者との交信を行う交霊会を始めた6人の男女に次々と異変が起こる恐怖を描く。

監督・脚本は17才で初監督を務めた『Strings』で、英国インディペンデント映画賞レイダンス賞を最年少で受賞したロブ・サヴェッジ。

撮影は全編Zoomで行い、監督やスタッフ、出演者は1度も接触すること無く安全に行われました。実際の撮影では出演者が不可解な音を聞き、突然物が倒れる心霊現象が発生したそうです。

全編PC画面で進行する映画は、過去にも『アンフレンデッド』や『search』、そして『真・鮫島事件』などがあり、脚本などの巧妙さが光る作品揃いとなっています。

物語の緩急がしっかり付けられており、前半は他愛ないよくあるオンライン飲み会風景が続き登場人物のキャラクター性も薄らとみえてくるのですが、なかなかの緩さ具合でした。

後半からはZoomならではのフリーズや回線落ち、顔に反応するフィルターや仮装背景のシチュエーションも交えての恐怖の畳み掛けが素晴らしく、画面越しには友人がいても部屋にひとりの状況で回線が切れると一気に静まり返る不安や、Zoomの画面に制限され全貌が把握できない恐怖との対峙はとてもスリリングでした。

至ってシンプルなストーリー、68分というコンパクトさ、チケット一律1000円と気軽に手を出せる条件が揃った作品となっています。

全編Zoom上にて巻き起こる、今のご時世だからこそ生まれたアイデア映画。

個人的には、この作品は家でパソコンを通して鑑賞し、まるで自分もZoom交霊会に参加しているかの様にリアルさと臨場感を体験したい作品だと感じます。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。

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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー４』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール－凶暴領域－』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT／イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
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Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
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Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
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Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
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Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
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Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
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Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
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Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
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