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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

いよいよ2020年ラストのコラムとなります!

2020年、なんだかんだ長いようで短く、コロナで何もできなかったようで色々な出来事があったなぁと振り返ってセンチメンタルな気分になります。

年末になると来年の目標など求められる事もありますが、私は具体的な目標を決めすぎるとそれが達成された時に満足しきってしまうタイプなので毎年、達成されたかどうか人によって判断が変わるであろう抽象的な目標しか決めないようにしています。今年に関しては、ただ生きていればそれでいい、そう思ってしまいます。

ところで、皆さんの2020年ベスト映画は何だったでしょうか?

私はもう少しゆっくり考えて決めたいですが、今パッと頭に浮かぶのはやはり今年1番映画ファンが熱くなったであろう『TENET テネット』です。

最速上映会のチケット争奪戦に打ち勝ち深夜に2回連続大画面大迫力でテネットを浴びた快感は一生忘れられません。

2021年も沢山の素晴らしい作品に出会えればいいなぁと思います。

Vol.80『ソング・トゥ・ソング』

☆3.9/☆5.0点中

公式サイト:https://songtosong.jp/

 

音楽の街、オースティン。何者かになりたいフリーターのフェイ(ルーニー・マーラ)は、成功した大物プロデューサーのクック(マイケル・ファスベンダー)と密かに付き合っていた。そんなフェイに売れないソングライターBV(ライアン・ゴズリング)が想いを寄せる。

一方、恋愛をゲームのように楽しむクックは夢を諦めたウェイトレスのロンダ(ナタリー・ポートマン)を誘惑。愛と裏切りが交差するなか、思いもよらない運命が4人を待ち受けていた……。

 

ルーニー・マーラ、ライアン・ゴズリング、マイケル・ファスベンダー、ナタリー・ポートマン、など主役クラスの豪華俳優陣が共演を果たし、更にはリッキ・リー、イギー・ポップ、パティ・スミス、ジョン・ライドン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど様々なミュージシャンが出演しており、多彩な音楽と美しい映像と共に繰り広げるラブストーリー。

アメリカで指折りの音楽の街オースティンで、それぞれに幸せを求め生きてきた4人の男女の痛々しくひりついた恋心が交差していく。

今作で監督を務めたのは「天国の日々」「シン・レッド・ライン」「聖杯たちの騎士」などを手掛けたテレンス・マリック監督。

特殊な撮影技術、カメラワーク、登場人物の独白によって紡がれていくストーリー、皆さんが想像するであろう映画とは全く違った概念のものに仕上がっており、まるでドキュメンタリーの様に、セリフらしいセリフは存在せず演技の大部分がアドリブかのような、日常を感情のままに切り取り羅列した映像はとても斬新で、ストーリーとして捉えるには少しばかり不親切すぎる描き方かもしれませんが、そうする事によって登場人物それぞれの感情や考え方があまりにもリアルに浮き出てみえてきます。

類を見ない芸術作品のような映像美と、詩的な描写。4人の大人が自分の人生を探す普遍的な物語の中に、まるで自分が4人それぞれの人生を体験しているような感覚になり、痛み、裏切り、戻れない青春、幸せとはなんなのか、大人になっても恋愛で間違いを続けてしまう甘くて苦い破滅的なラブストーリーが描かれています。

映画を観ようと思って観るエンターテイメント作品の類ではなく、時系列も飛び飛びで不定形であり気軽に見るには難しい映画かもしれませんが、先進的な映画体験をできること間違いなし。この作品に時系列やストーリーを求めるべきなのか、ただ流れに身を任せてもいいのではないかと、そんな気にさせてくれる作品です。

SpotifyではSong to Song Official Playlistも公開されているので併せて。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』

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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ の4人からなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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