深夜2時頃からホラー映画を見始めるのが最近のマイブーム。
配信がスタートして間もない『ヘレディタリー/継承』と『ハウス・ジャック・ビルト』を2日間連続で深夜に観てしまい流石に精神的にキそうなので、普段絶対観ない少女漫画実写化の青春胸キュン甘酸っぱいラブコメでも手を出してみるかと変な気持ちになっています。
どうもこんにちは、テラシマユウカです。
今週は、人間と遊園地のアトラクションとの奇想天外なラブストーリー映画ご紹介します。
Vol.83『恋する遊園地』
☆3.7/☆5.0点中
公式サイト:http://klockworx-v.com/jumbo/
内気なジャンヌにとって、楽しみはアトラクションのミニチュアを制作すること。彼女は幼い頃から通ってきたテーマパークの夜間スタッフとして働きはじめる。そこで彼女は新たに導入されたアトラクション“ムーブ・イット”に出会う。煌々と輝くライト、美しいメタリックのボディ、熱く流れる油圧のオイル、そのすべてに魅力されたジャンヌはひと目で恋に落ちる。ある静かな夜、「“ジャンボ”って呼んでいい?」と語りかけるジャンヌ。やがて、彼女の想いに呼応するようにジャンボはライトを灯し動きはじめた…。
監督のゾーイ・ウィットックが、エッフェル塔と恋に落ち実際に結婚したアメリカ人女性の新聞記事を読み、そこから本作の着想を得たという、人間の女性とテーマパークの巨大なアトラクションとの恋を描いた奇想天外な物語。
主人公のジャンヌを演じるのは「燃ゆる女の肖像」でリュミエール賞の主演女優賞に輝くノエミ・メルラン。
そして、もうひとつの主役はジャンヌが恋に落ちるアトラクション「ジャンボ」。フランスでイメージ通りのアトラクションを見つけた制作陣は撮影地となるベルギーへ移動させ、1年もの時間をかけてカスタマイズしてジャンボとして生まれ変わらせたそう。
テーマパークのスタッフであるジャンヌが新たに導入されたアトラクションに次第に惹かれていくが、母親や周囲からの理解を得られず、”人の恋愛の対象は人でないといけない”という固定概念に悩まされ、普通じゃないと分かっていても気持ちは止められず必死にその思いを訴えかける主人公と、そんな娘の個性と苦悩しながらも向き合おうとする母親の姿が描かれています。
アトラクションに人間が恋をするという特殊で非日常的なシチュエーションですが、この作品はただのファンタジーではなく、ジャンヌのようにただ多数派でない考えを持っているだけで理解されず否定され、少数派が間違いであるという考えが成り立ってしまう事実は、私たちの身近な出来事に置き換えても日常的に起こっていることであり、多数派でないジャンヌが自分自身の個性を隠すことなく貫き通す姿はとてもかっこよく映し出されていました。
「燃ゆる女の肖像」に引き続き素晴らしいノエミ・メルランの演技や美しく幻想的な映像、親子の絆や多様性。様々な愛の形が描かれた”現代のおとぎ話”を是非、劇場で。
※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。
「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!
Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
「それでも映画は、素晴らしい。」のバックナンバーも合わせてチェック!!
【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)
【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
【連載】Vol.8『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(推薦者:松隈ケンタ)
【連載】Vol.9『シカゴ』(推薦者:ユイ・ガ・ドクソン)
【連載】Vol.10『トイ・ストーリー3』(推薦者:T-Palette Records 古木智志)
【連載】Vol.11『青春の殺人者』(推薦者:岩淵弘樹)
【連載】Vol.12『時計じかけのオレンジ』(推薦者:BiS ムロパナコ)
【連載】Vol.13『トレインスポッティング』(推薦者:蒲鉾本舗高政高政社長)
【連載】Vol.14『ドリーマーズ』(推薦者:美容室code+LIM ワタロー)
【連載】Vol.15『トゥルー・ロマンス』(推薦者:UGICHIN)
【連載】Vol.16『メリー・ポピンズ』(推薦者:ヤママチミキ)
【連載】Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』(推薦者:アヤ・エイトプリンス)
【連載】Vol.18『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(推薦者:平賀哲雄)
【連載】Vol.19『天使にラブ・ソングを…』(推薦者:テラシマユウカの母)
【連載】Vol.20『少年は残酷な弓を射る』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.21『ローマの休日』(推薦者:エビナコウヘイ)
【連載】Vol.22『湯を沸かすほどの熱い愛』(推薦者:セントチヒロ・チッチ)
【連載】Vol.23『あの日々の話』
【連載】Vol.24『万引き家族』(推薦者:ハルナ・バッ・チーン)
【連載】Vol.25『クレイマー、クレイマー』(推薦者:テラシマユウカの父)
【連載】Vol.26『プラダを着た悪魔』(推薦者:LEBECCA boutique ブランドディレクター、赤澤える)
【連載】Vol.27『ザ・マジックアワー』(推薦者:ごんちょく)
【連載】Vol.28『下妻物語』(推薦者:キャン・GP・マイカ)
【連載】Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(推薦者:ナルハワールド)
Vol.30『ホラー映画オススメ10選』
vol.31『きみに読む物語』(推薦者:ももち)
テラシマユウカ
テラシマユウカ、月ノウサギ、