ゴールデンウィークが始まりますが、いかがお過ごしでしょうか?
どこにも行けない連休になってしまい色々な欲求が溜まっていますが、私の行き着いた今の欲望は”ディズニーシーのソアリンに乗りたい”です。
ソアリンには一回だけ乗ったことがあるのですが、あの大きな画面と動く椅子だけで擬似世界旅行体験をして、なんだか底知れぬ感動がわいてきて拍手しちゃう、みたいなそういうものが今必要なんじゃないかなって気がします。
全ての物事に不満が募ってしまいがちですが、マイナスなことを吐き出してどんどん嫌なことばかり考えるターンに入ってしまうより、今できる精一杯のプラスな感情になれることをしてみんな明るく過ごせたらいいなあ、と願うばかりです。
映画館も休業になり、きっと公開延期作もさらに増えるだろうし映画コラムどうしよっかな〜ともどかしい気持ちにもなってしまいますが、そろそろ100回を迎えるこのコラム、この状況下でも楽しめるように書き続けていきたいと思っています。
Vol.97『ザ・スイッチ』
☆3.9/☆5.0点中
公式サイト:https://theswitch-movie.jp/
女子高生のミリー(キャスリン・ニュートン)は、今日も憂鬱な一日をやり過ごそうとしていた。家では夫と死別した悲しみを紛らわすかのようにアルコールに溺れる母と、警察官の姉の板挟み。学校では、嫌がらせのターゲットにされ、我慢を強いられる日々。親友のナイラ、ジョシュと過ごす時間が、わずかな慰めだった。その日の夜、アメフトの応援後に無人のグランドで、母の迎えを待っていたミリーに、邪悪な影が忍び寄る。連続殺人鬼ブッチャー(ヴィンス・ヴォーン)が、鳴り響く雷鳴とともに短剣を突き刺したとき、異変が起こる。ふたりは入れ替わってしまったのだ。
24時間以内に入れ替わりを解除しなければ一生元の身体に戻れない状況の中、殺戮を企てるブッチャーからミリーは身体を取り戻すことはできるのか? 女子高生と連続殺人鬼がぶつかり合う、長い長い夜が幕を開けようとしていた……。
『ゲット・アウト』『アス』『透明人間』など、とんでもないエッジの効いた信頼のホラー作品を世に放ってきたスタジオ・ブラムハウスから、新たにオリジナルホラー映画が誕生。
監督・脚本には、女子大生が殺される日を繰り返すタイムリープとシリアルキラーの融合新感覚ホラー映画『ハッピー・デス・デイ』や『パラノーマル・アクティビティ』シリーズのクリストファー・ランドン、製作にはジェイソン・ブラムが加わり、映画ファンが期待に胸を膨らませずにはいられない最強タッグによる最新作となっています。
ミリー役には『名探偵ピカチュウ』のキャスリン・ニュートン。そして、連続殺人犯ブッチャーには、『Mr.&Mrs.スミス』のヴィンス・ヴォーンが演じています。
入れ替わってしまう映画といえば新海誠監督の『君の名は。』が頭に浮かびますが、今回はそんな青春ストーリーとは180度違った”史上最悪”の入れ替わり。今時の可愛らしい女子高生と血も涙もない狂いに狂った殺人鬼の入れ替わりは強烈。
躊躇なく手当たり次第に同級生を虐殺していく連続殺人鬼となってしまった女子高生と、中年男の姿ながらも自らの体を取り戻すべく奮闘する中身はキュートな女子高生の姿がキャッチーに描かれており、この1人2役の演技がコメディ要素満載でめちゃくちゃ笑えてきます。
もともと醜い殺人鬼なはずのブッチャーがなんだか次第に愛しく思えてきて、まさかのラブストーリー展開もドキドキしながら、ちぐはぐでニヤニヤしてしまいます。
また、ミリーの親友ナイラとジョシュの個性的で色濃い掛け合いや、ミリーが自分の体を失ったことで見えてくる自身の弱さや家族との関係性のストーリーなどの描写も丁寧にされており、ホラー映画では登場人物のパーソナルが希薄になりがちですが、ひとりひとりのキャクターを愛せるよう描かれています。
それに加えて、清々しいほど気持ちのいい殺戮描写。冒頭から、観客の心臓を握り潰すかの如く容赦なく襲いくるブッチャーの虐殺っぷりに、スプラッター系が好きな私でも思わず息を呑むほど。ここまでくると逆にグロ苦手な人でも最早笑って観られるのでは? と思ってしまいます。
ストーリー展開は基本的にお約束パターンなのですが、殺人の数に加えて殺害方法もバリエーションが豊かで常にアドレナリンドバドバな虐殺の数々は見ていて飽きがくることなく、最高のストレス発散方法になります。個人的には冒頭の殺戮シーンが得体の知れないものがやって来た感があって1番好きだったかもしれません。
無惨にも手当たり次第に人間が死んでいきますが、最後にはなんだかスカッとして元気がわいてくるような作品です。
これまで味わったことのない斬新で新鮮なホラー映画を是非、劇場で!
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