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こんにちは、テラシマユウカです。

日常生活の中で、どんな人間にとっても与えられた時間は同じであるという事は何も疑問にも思わなかった概念ですが、その決められた枠組みの中での時間の流れは個人個人で違うものであって、そんな時間に従って生きていることって、とても便利ではあるけれどなんだか不思議なことだなと感じます。

この瞬間の時間は刻一刻と過ぎ去っていって戻ることのできないものだけれど、過去起きた事は時間が経つにつれて次第に意味を変えていったりするし、後悔は先に立たないと言うように未来はどうにでも変えようがあるし、そういうところに生きる醍醐味ってあったりするのかなと思います。

今週はそんな、時間というものに触れるあたたかい映画をご紹介します!

Vol.108『1秒先の彼女』

☆3.8/☆5.0点中

公式サイト:https://bitters.co.jp/ichi-kano/

 

郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い。ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった…!? 消えた1日の行方を探しはじめるシャオチー。見覚えのない自分の写真、「038」と書かれた私書箱の鍵、失踪した父親の思い出… 謎は一層深まるばかり。どうやら、毎日郵便局にやってくる、人よりワンテンポ遅いバスの運転手・グアタイも手がかりを握っているらしい。そして、そんな彼にはある大きな「秘密」があったー。 失くした「1日」を探す旅でシャオチーが受け取った、思いがけない「大切なもの」とは…!?

 

第57回台湾アカデミー賞(金馬奨)で最多5部門(作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、視覚効果賞)を受賞した、『熱帯魚』『ラブ ゴーゴー』のチェン・ユーシュン監督最新作。

人よりワンテンポ早い彼女と、ワンテンポ遅い彼の、決して交わることのないふたりの”時間”をめぐるオリジナリティあふれる新たなラブストーリー。

台湾映画特有の安心感が漂っており、ビルが建ち並ぶ近代的な街並みと奥ゆかしい歴史のある古い街並みの景色のバランスが心地よくて、じんわりと心がホカホカし、遊び心のあるファンタジー色が満載のゆったりと観れる映画です。

ある日出会ったハンサムなダンス講師の彼から積極的なアプローチを受け、七夕にデートの約束をするシャンチー。ですが当日の朝、目が覚めるとなぜかバレンタインの1日が終わっていて……。

前半ではバレンタインの記憶がないシャンチーの物語、後半では毎日一通手紙を出しにくるグアタイに主人公が変わり、失くしてしまった記憶と時間を解き明かし取り戻していく、巧妙な構成でストーリーが展開していきます。

平凡な日常に奇妙さが入り混じる様子が楽しく、伏線回収も面白い。1秒早く生きてるためにシャキシャキと動くシャオチーがとてもチャーミングでユーモラスで、また、捉え方によっては怖い人となりそうだけれど、健気で一途な、次第に誠実な人柄だと伝わってくるグアタイと、キャラクターもとても愛おしい存在でなんだかちょっぴり笑えて元気が出てくる。

台湾では七夕がバレンタインデーということもあり、違った時間の流れの中で生きている2人が七夕の日に織姫と彦星のように巡り合うような、この季節にぴったりの作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
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Vol.18『クロール-凶暴領域-』
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Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
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Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
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Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
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Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
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Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ 、ウタウウタ、キャ・ノンからなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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