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最近モノクロ映画の魅力に気付き、一気に観たい映画リストが増えています。

こんにちは、テラシマユウカです。

モノクロ映画にはなかなか触れる機会がなく、ましてや映画館で観れる機会なんてほぼほぼ無い現代ですが、根本のシナリオの巧妙さを際立たせ、白黒の濃淡で視覚に驚きを与えてくれる、何年経っても色褪せない作品の素晴らしさをもっと知っていきたいと私の好奇心をくすぐってくれます。

モノクロ映画といえば、以前コラムでちらっとご紹介させて頂いた『回転』という1961年のゴシックホラーがとても好きです。

素朴だけれど静謐で美しい白黒の世界をもっと深掘りしていきたいです。

今週は試写会にて先行視聴させて頂いた、日本公開待望のモノクロ映画をご紹介します。

Vol.106『ライトハウス』

☆4.5/☆5.0点中

公式サイト:https://transformer.co.jp/m/thelighthouse/

 

孤島にやって来た2人の灯台守
海が荒れ狂うとき、
隠された秘密が暴かれてゆく-

1890年代、ニューイングランドの孤島に2人の灯台守がやって来る。 彼らにはこれから4週間に渡って、灯台と島の管理を行う仕事が任されていた。 だが、年かさのベテラン、トーマス・ウェイクと未経験の若者イーフレイム・ウィンズローは、そりが合わずに初日から衝突を繰り返す。 険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで2人は島に孤立状態になってしまう。

 

『ミッドサマー』『mid90s』A24製作、『ウィッチ』ロバート・エガース監督最新作。ロバート・パティンソンとウィレム・デフォー、2大スターがW主演を務めました。

外界から遮断された謎めいた孤島にやって来た2人の灯台守が、次第に狂気の世界へと足を踏み入れ極限状態に陥ってゆく様子を恐ろしくも美しい映像で描き出した、人間の狂気と恐怖の根源に迫る、映画史に残る傑作スリラー。

サイレント映画時代を模した1.19:1というほぼ正方形のアスペクト画面の白黒映画となっており、この画面サイズでの上映に対応できる映画館がないことから日本公開が絶望視されていましたが、2021年7月9日〜ついに待望の日本公開となります。

モノクロで表現することによりはっきりと映し出された陰影のコントラストと、正方形に押し込まれた風景の閉塞感。出演者はたった2人だけで、限られた台詞の中にも現実なのか夢なのかどちらともつかないシーンが多く挟み込まれており、観客を息の詰まる正方形の小さな世界に窮屈に詰め込んでいく。

狭い画面の中で縦に伸び、異質なまでにそびえ立つ灯台は縮尺感覚を狂わせ、また、地鳴りのように永遠となり続ける霧笛、機械音、カモメの鳴き声、耳にこびりついて離れない不穏な音に追いかけ続けられる時間は、我々の正常な感覚を狂わせ奪い去ってしまいます。

『ライトハウス』の世界に気づけば侵食され、気付かぬうちにジワジワと毒がまわっていくような、得体の知れぬ世界感に全てを知った上でもう一度戻りたくなる中毒性の高い不快さ抜群の傑作です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
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Vol.104『コンティニュー』
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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ 、ウタウウタ、キャ・ノンからなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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