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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

最近以前にも増して失くしものが多く、自分の注意力の無さに驚いてしまいます。

よく自宅でiPhoneが行方不明になるので、「Hey Siri、音楽流して」と呼びかけてどこに居るのか探すという変なことを結構な頻度でやっているのですが、Siriも愛想を尽かしたのかなかなか返事をしてくれません。

手に持ったものをどこにでも無意識に手から離さないように気をつけていても、なかなか人の習性って治らないものだな…… と自分自身に頭を抱える日々を繰り返しているので、そろそろ治したいものです。

Vol.111『プロミシング・ヤング・ウーマン』

☆4.1/☆5.0点中

公式サイト:https://pyw-movie.com/

 

30歳を目前にしたキャシー(キャリー・マリガン)は、ある事件によって医大を中退し、今やカフェの店員として平凡な毎日を送っている。その一方、夜になるとバーで泥酔したフリをして、お持ち帰りオトコたちに裁きを下していた。ある日、大学時代のクラスメートで現在は小児科医となったライアン(ボー・バーナム)がカフェを訪れる。この偶然の再会こそが、キャシーに恋ごころを目覚めさせ、同時に地獄のような悪夢へと連れ戻すことになる……。

 

2021年アカデミー賞脚本賞を受賞、作品賞を含む5部門にノミネートされた注目作。

タイトル通り、 “前途有望な若い女性”『プロミシング・ヤング・ウーマン』だったキャシーに起きた悲しい事件をきっかけに、スリリングな復讐劇でもありスウィートなラブストーリーでもあり、社会派映画でもあるジャンルを超えた作品となっています。

酔った女性をお持ち帰りしようとする男性にただ制裁を加えるだけではなく、男女の固定観念、ジェンダーバイアスにも本質的に問題提起を問いかける痛烈なテーマは、既に公開された国では様々な議論が巻き起こっているほど。

内容は重くシリアスでジメジメしていますが、映像はポップでビビッドな色彩で印象的であり、ピンクの部屋、主人公のガーリーな衣装、音楽がちぐはぐで、絶妙で素晴らしい塩梅となっています。

本作を手掛けたのは、エメラルド・フェネル監督。エディ・レッドメイン主演『リリーのすべて』にも出演していた彼女が、本作で長編映画監督デビューを果たしました。

そして、主人公キャシーを演じるのは、キャリー・マリガン。彼女の持つ怒りや絶望、悲しみをキャリー・マリガンが二面性のある演技で見事に表現しており、映像の色味のポップさとキャリー・マリガンの毒づく言葉がとてもマッチしています。

クラブで踊る男性の股間やお尻のアップを映し出し、男性が主人公を見る目など、いやらしい感じのする印象的なシーンから始まる本作。

多くの人が想像するであろう従来の復讐劇とはひと味もふた味も違う、ラストまで予想することのできない展開に頭を殴られたような衝撃の残る作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
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Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
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Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
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Vol.69『悪魔はいつもそこに』
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Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
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Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
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Vol.84『ズーム/見えない参加者』
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Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
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Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
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Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
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Vol.100『ファーザー』
Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Vol.108『1秒先の彼女』
Vol.109『ブラック・ウィドウ』
Vol.110『17歳の瞳に映る世界』

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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ 、ウタウウタ、キャ・ノンからなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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