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StoryWriter

8月真っ只中ながらも、数日間涼しい日が来たことによりまだまだ暑い日が続くのにも関わらず気持ちが秋へと移ろいつつあるこの頃です。

皆さんこんにちは、テラシマユウカです。

世間的には絶賛夏休み中というのもあり、新作映画も続々と公開され、暑さと低気圧のダブルパンチに悩まされる憂鬱な日々をなんとか乗り越えられています。

自粛の夏は2度目ですが、私にとっての夏といえばやっぱり、終電も終わりかけのレイトショーでホラー映画をぼっちで鑑賞し、明け方心地よい涼しい風に吹かれながら妙に清々しい気持ちに浸りつつ帰宅するという過ごし方をできない夏はなんだか物寂しさを感じてしまいます…。

来年こそ、取り戻したい夏。みんな元気で過ごせていたらいいなぁという気持ちです。

Vol.114『フリー・ガイ』

☆4.0/☆5.0点中

公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movie/Freeguy.html

 

ルール無用・何でもありのオンライン・ゲーム<フリー・シティ>のモブ(背景)キャラとして、平凡で退屈な毎日を繰り返すガイ。ある日、彼は新しい自分に生まれ変わるため、ゲーム内のプログラムや設定を完全に無視して自分勝手に立ち上がる―。ありえないほど“いい人”すぎるヒーローとして。ゲーム史上最大の危機が迫る中、はたしてガイに世界は救えるのか…!?

 

ヒーローらしからぬ自由奔放なスタイルとクールで過激なアクションで、世界中を魅了した「デッドプール」シリーズのライアン・レイノルズ主演、何でもありのゲームの世界を舞台に今度はありえないほど”平凡すぎる”新キャラクターに挑む、バーチャル時代の全く新しいアクション・アドベンチャー映画。

ゲームを舞台とした作品は多く存在しますが、モブキャラを主人公におく設定は意外にも今までの映画にはなく新鮮であり、友情・恋愛・SF…… さまざまなジャンルの要素が組み込まれており、どのジャンルとして見ても完成度が高く、ゲームと現実世界の2つの世界線がリンクしていく模様は巧妙で面白い。

開始早々からパロディや小ネタも満載で思わず笑ってしまうシーンも多々あり、次第に加速していくストーリーとおふざけの割合が完璧で吹き出さずにはいられません。

平凡でプログラミングされている決まった日常を送っていたただのモブキャラが、ある日を境にしてゲームの設定を完全無視してヒーローになり、シナリオ通りに進む世界に例外が生まれる大逆転の物語。ゲームの中の世界のお話だけど、毎日が同じルーティンでそこから抜け出せないという状況は現実の世界でも変わらないことであり、繰り返しの日常から抜け出すのは怖くて勇気がいることだけれど、そんな私たちに一歩踏み出す活力と生活に彩りをプラスしてくれる作品でした。

今までどこか無意識にあった、AIが自覚を持ち自分の意思で動き出すということに対しての恐怖心やマイナスイメージを払拭して夢を見せてくれるという点においても、バーチャルという新時代への期待を膨らませてくれます。

「良い日ではなく、素晴らしい1日を!」

この映画を見れば、そんな1日をなること間違いなしです!

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
Vol.100『ファーザー』
Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Vol.108『1秒先の彼女』
Vol.109『ブラック・ウィドウ』
Vol.110『17歳の瞳に映る世界』
Vol.111『プロミシング・ヤング・ウーマン』
Vol.112『日常対話』
Vol.113『ザ・スーサイド・スクワッド』

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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ 、ウタウウタ、キャ・ノンからなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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