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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

10月1日公開の『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』、4D上映試写会に先日招待して頂きまして、一足お先に死霊館ワールドを堪能してきました…!

いっっちばん大好きなホラーシリーズ死霊館。私の悪魔好きに拍車をかけた作品でもある死霊館シリーズ待望の新作。そして4D上映。

あとアナベルちゃんもちゃっかり1列目に着席しているという、そんな最高の状況にアドレナリンがドバドバで2時間興奮しっぱなし。

ホラーを4D上映で観るのは初めてだったのですが、スリリングさが増し心拍数が速くなって、より死を間近に感じられるので素晴らしい映画体験でした。

公開日が近づいたらまた詳しいレビューをこちらのコラムにて書かせて頂きますが、はやく感想を誰かと言い合いたくて口がムズムズしてしまいます。

スピンオフ含めた過去の7作品を公開順ではなく、時系列順で見返していきながら、10月1日の公開日を待ちたいと思います。

Vol.116『アナザーラウンド』

☆4.1/☆5.0点中

公式サイト:https://anotherround-movie.com/

 

マッツ・ミケルセン演じる冴えない高校教師とその同僚3人は、ノルウェー人哲学者の理論を証明するため、仕事中にある一定量の酒を飲み、常に酔った状態を保つというとんでもない実験に取り組む。すると、これまで惰性でやり過ごしていた授業も活気に満ち、生徒たちとの関係性も良好になっていく。同僚たちもゆっくりと確実に人生が良い方向に向かっていくのだが、実験が進むにつれだんだんと制御不能になり…。

 

第93回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞し世界中で映画賞を総なめにしている本作。

仕事も家庭もいまいち楽しめず、退屈な毎日に輝きを取り戻すべく、ノルウェー人の哲学者が提唱した「血中アルコール濃度を一定に保つと、仕事の効率が良くなる」という仮説を身をもって証明しようとする、4人の中年男性たちの悲哀を描いた喜劇。

そんな主人公の冴えない歴史教師をデンマークを代表する俳優、マッツ・ミケルセンが熱演しており、トマス・ヴィンターベア監督とは『偽りなき者』に続き二度目のタッグとなります。

『ファンタスティック・ビースト3』、『インディ・ジョーンズ5』への出演も決まったマッツは酔っ払っている姿だけでも見事なまでに優雅な佇まいであり、特に終盤に魅せるダンスシーンは、この為だけに作品があるのではないかと思うほど、元ダンサーの彼ならではの魅力を存分に爆発させている素晴らしい見せ場となっています。

撮影現場では飲酒は完全に無しのシラフ状態、酔った姿は全て演技ということで、ほろ酔い・泥酔・二日酔い……様々な酔いの状態をリアル過ぎるほどに演じ分けている4人の表現力の高さに驚かされます。

ストーリーはいたって単純でわかりやすく、お酒の楽しさと怖さが静かに淡々と描かれています。お酒の良い面と悪い面、2つの側面を持っているという描き方と同様にうまくいくシーンと落ち込むシーンの映像の明暗もリンクしており美しい描写となっています。

また、お酒の話だけでなく時に人間臭く、哀愁漂うおじさんたちの中年ならではの苦悩や、歳を重ねても変わらない友情、そして愛情。ビターで愛しい人間ドラマも丁寧に描かれています。

誰がなんと言おうと好きに生きればいい。
人生は一回きりの素晴らしいものだ。

4人の男たちの姿を通して人間の本質を問い、笑って呆れて涙して、感情を揺さぶられる。
人生讃歌でもある映画『アナザーラウンド』にすっかり酔いしれてしまいました。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
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Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
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Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
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Vol.49『ゴシック映画特集』
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Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
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Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
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Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
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Vol.94『BLUE/ブルー』
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Vol.99『ノマドランド』
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Vol.103『猿楽町で会いましょう』
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Vol.113『ザ・スーサイド・スクワッド』
Vol.114『フリー・ガイ』
Vol.115『サマーフィルムにのって』

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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ 、ウタウウタ、キャ・ノンからなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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