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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

流行に疎すぎる私ですが、この頃イカゲームというNetflixオリジナルドラマが流行っているという情報をやっとキャッチしました。

こういった配信オリジナルドラマが軒並み大流行していますが、ネトフリの『アンブレラアカデミー』と、アマプラの人種差別をテーマにしたホラードラマ『ゼム』の2作品しかちゃんと観たことがありません。

気になる配信ドラマをメモに書き留めて時間あるときに観ようとは思っているのですが、走り出してしまうと睡眠時間など日常生活が完全に終わってしまうと分かりきっているので、なかなか何十話もあると手を出せずにいてしまいます。

美容室やネイルなど、店員さんと会話する際に映画の話はなかなか通じないこともあるのですが、配信ドラマに関しては話をふられることが多く、現代においての配信の影響力の大きさにただただ感心するばかりです。

Vol.122『DUNE/デューン 砂の惑星』

☆4.4/☆5.0点中

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/

 

全宇宙から命を狙われる、たった一人の青年、ポール・アトレイデス。
彼には”未来が視える”能力があった。
宇宙帝国の皇帝からの命令で一族と共に、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる、過酷な<砂の惑星デューン>へと移住するが、実はそれはワナだった……。
アトレイデス家と宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家の壮絶な戦いが勃発。父を殺され、巨大なサンドワームが襲い来るその星で、ポールは全宇宙のために立ち上がるのだが……。

 

原作はSFファンに50年以上愛され続け、1984年にはデヴィッド・リンチ監督によって映画化された、映像化が困難と言われ続けた伝説的SFシリーズが、これまで現実を飛び越え驚くような異次元の世界観を生み出してきた『メッセージ』、『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によって全世界待望の映像化となりました。

本作はタイトルには入っていないものの映画の冒頭で”PART ONE”と表記されており、続きが前提の作品となっています。今作は序章に過ぎない物語なのかもしれませんが、想像を遥かに凌駕した世界に圧殺され、ただ呆然と眺めることしかできません。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、IMAXで上映することを念頭にIMAX認証デジタルカメラを使用して撮影しており、監督が意図したクオリティの映像&⾳響が独自の臨場感を演出し、360度まるで自らの体が砂の惑星に存在しているのではないかと錯覚してしまう程に洗練された世界を突きつけてくる、究極の映画体験を体感できる空間が精巧に作り込まれています。

果てのない銀河の世界に浮かぶ惑星、その惑星に聳え立つ巨大な建造物や、広大な砂漠から現れる謎の巨大生物サンドワーム。際限のない空間に映像美だけでなく、繊細な砂の音の表現やシールドの音、サンドワームが迫り来る重く響き音など、ハイレベルなサウンドまでも響かせ、視覚や聴覚に留まることを知らず全ての感覚を取り込み、心をざわつかせます。

無機的なだけでなく、先進的でもあり退廃的でもある砂の惑星の景色は息を呑むほど美しく、朝昼夜と時刻によって姿を変える砂漠にいつのまにか虜になり、我々の好奇心をくすぐるロマンに興奮せずにはいられません。

そしてキャスト陣も豪華であり、主演のティモシー・シャラメはじめ、彼の父を演じるオスカー・アイザック、そしてジョシュ・ブローリンやジェイソン・モモアなど、それぞれが主役になった物語を見てみたいと熱望してしまうほどに凄まじい顔ぶれとなっています。

シャラメ演じるポール・アトレイデスの佇まいは圧倒的な映像美にも引けをとらずCGで作られたかの様に美しく、我々にとって非現実的であるデューンの世界に説得力を持たせる存在として一際輝きを放っています。

まさに”奇跡”と言っても過言ではない至高の一作。

ここまでのものを観せられてしまっては、この世にもう表現できないものは存在しなくなってしまったのではないかという不安になってしまう程であり、これまでのSF映画の歴史を確実に変えてしまう一本になるのではないでしょうか。

『DUNE/デューン 砂の惑星』によってこの世に生み出されてしまった、未だかつて経験したことのない極上の映画体験。この時代に生まれて良かったと涙を流さずにはいられません。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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テラシマユウカ

テラシマユウカ、月ノウサギ、ナルハワールド、キラ・メイ 、ウタウウタ、キャ・ノンからなるアイドルグループ、PARADISESのメンバー。2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、2020年4月からはグループが分裂。PARADISESのメンバーとして活動中。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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