こんにちは、テラシマユウカです。
サスペンスやミステリー、ホラーに関して特に思うことなのですが、この謎は知りたかったけど明かされなかったとか、事件が終わってから更に先の話までは知りたくなかったけど描かれてしまったとか、人それぞれの塩梅があるので物語のオチをつけることって大変なことだなあと、優柔不断な性格なので結末が存在するすべての物語になんだか尊敬してしまいます。
死ぬほど時間をかけて紡いできた物語に終わりをつけエンドロールをスパン!と潔く流すタイミングってどういった風に決めてるんだろう、制作の過程でどう変化していったんだろうと、色んな事がついつい気になってしまいます。
今週はそんなオチ問題に関して、めちゃくちゃ良いところで結末を迎えエンドロールが最高に気持ち良くハマった!と個人的に感じた作品をご紹介します。
Vol.127『マリグナント 狂暴な悪夢』
☆4.3/☆5.0点中
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/malignant/
ある日を境に、目の前で恐ろしい殺人を目撃するという「悪夢体験」に苛まれはじめるマディソン。予測不能な素早い動きと超人的能力で、人々を殺していく漆黒の殺人鬼。彼女が夢の中で見た殺人の数々は、現実世界でも起きてしまう――。 殺人が起きる度、マディソンはリアルな幻覚かのように殺人現場を疑似体験し、少しずつ自身の秘められた過去に導かれていく。そして、ついにその邪悪な手がマディソンの元へ届くとき、その“狂暴な悪夢”の正体=G が明らかに…!?
「死霊館」ユニバースを生み出し、「ソウ」や「インシディアス」シリーズなど数々のホラーを手がけながら、「ワイルド・スピード SKY MISSION」「アクアマン」などアクション超大作も大ヒットさせている、予想できない驚きと未知の恐怖が記憶に残り続ける数々の傑作ホラーを生み出してきたホラー界の異才、ジェームズ・ワン監督が自ら書き下ろした完全オリジナルストーリーで描くホラー。
児童期にみられる、そこには誰にもいないのに遊び相手や話し相手として接する、実在しない空想上の仲間”イマジナリーフレンド”。
主人公マディソンが幼い頃にイマジナリーフレンドとして存在していたG=”ガブリエル”。
大人になり記憶からその存在を忘れ去った彼女が、ある日を境にかつてのイマジナリーフレンドが実体化し、そして対峙するストーリーかと思いきや。。。
ジャンルはホラー映画に属していますが、モンスター映画のような始まりから、繰り広げられるサスペンスや家族ドラマ、そしてハイレベルなアクションシーンなど、ジャンルミックスな要素を持った作品となっており、監督曰く「一か八か大胆にやってみるしかない。」と、今までになく独特で新次元の恐怖の世界に誘われていきます。
冒頭シーンから得体の知れぬ存在”ガブリエル”が大暴れし、そして脈略なく突然、現代に時が戻りマディソンの話が始まったと思えば、はたまた唐突にマディソンがガブリエルの殺しの悪夢を見る、という関連性のない断片的な話がかわるがわるに進んでいきます。
前半から中盤までの謎に謎を重ねじっくりと時間をかけて煮詰めた予測不能なサスペンス的展開が、終盤にきて大爆発を起こし猛スピードで種明かしされていく怒涛の展開はまるでアトラクションにのっているかのように楽しい。
歪なパズルのピースが美しく組み合わさってからの、一気にアクション映画へと様変わりしていく展開は新しい次元のものを観に来てしまったと悦びを感じるアドレナリンドバドバ映画でした。
想像の斜め上をいく脚本、縦横無尽に動く綿密に計算し尽くされたカメラワーク、シーン毎の違和感をあえて感じさせる独特な音楽の使い方。
ジェームズ・ワンは天才だった…と思わずため息がこぼれてしまう素晴らしいアイデアが発揮され、様々な作品のオマージュも込められた、エンターテイメント性に極めて優れた最高に期待を裏切ってくれる、観客に”楽しい”を届けてくれる作品です。
ネタバレ厳禁。
この衝撃を是非、劇場で。
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テラシマユウカ
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