2021年最後の更新、気づけば毎週連載を書き始めてから3年越え。
今年は遂に100連載目を突破し、映画監督との対談連載が始まったり、映画コメントを書かせて頂いたりと、コラム以外の映画のお仕事も充実した1年でした!
本職の方も新メンバーが加わり体制が変わったり、グループが変わったりと何事においても変化の多い1年だった気がします。バタバタとあっというまに365日が過ぎ去ろうとしています。
1月1日から『Swallow/スワロウ』を観に行き抜かりなく映画初めをした2021年、時期的に『キングスマン』で映画納めかなと思っていたのですが、嬉しいことに公開初日にレイトショーで観にいけてしまったので大晦日には何を観て幕を閉じようかと頭を抱えています。
『キングスマン』のお陰でスパイ映画のモチベ高いターンが来てしまっているので、キングスマンシリーズを見返しながら家でゆっくりするのもありだなと考えつつ、新作をもう一度おかわりする方向性でも考えています。
2021年、この連載を読んでくださったみなさん本当にありがとうございました。
2022年も引き続き、少しばかりでも映画の魅力をお伝えできれば嬉しいなと思いながら連載続けていきますので何卒宜しくお願い致します。
良いお年をお迎えください!
Vol.132『キングスマン:ファースト・エージェント』
☆4.1/☆5.0点中
公式サイト:https://www.20thcenturystudios.jp/movies/kingsman_fa
表の顔は、高貴なる英国紳士。裏の顔は、世界最強のスパイ組織“キングスマン“。国家に属さないこの秘密結社の最初の任務は、世界大戦を終わらせることだった…!
──1914年。世界大戦を密かに操る謎の狂団に、英国貴族のオックスフォード公と息子コンラッドが立ち向かう。 人類破滅へのタイムリミットが迫る中、彼らは仲間たちと共に戦争を止めることができるのか? 歴史の裏に隠されたキングスマン誕生秘話を描く、超過激スパイ・アクションシリーズ待望の最新作。 最も過激なファースト・ミッションが始まる!
スタイリッシュな英国紳士が過激なアクションを繰り広げる人気スパイアクション「キングスマン」シリーズの3作目。第1次世界大戦を背景に、ロシアを裏で操る黒幕の正体を探るべく、平和主義のイギリス貴族の父子が組織を束ねミッションに挑む、世界最強のスパイ組織「キングスマン」誕生の秘密が描かれた”エピソード0″。
世界を平和に導く為、秘密裏に悪と戦う独立した諜報機関「キングスマン」はなぜ誕生したのか? なぜテーラーが秘密基地なのか? キングスマンのエージェントはなぜ紳士であるべきなのか? これまで謎であった全てが解き明かされていきます。
紳士でスタイリッシュな装いでありながら、過激なアクションが特徴的であり、悪ノリとも言えるお祭り的ハイテンションな作風は健在。ですが、今作では過去シリーズとは違いオックスフォード公を中心とした重厚な人間ドラマが中心となっており、父と子の絆の物語であり、そして戦争映画でもあります。
イギリス、ドイツ、ロシアを絡めた第一次世界大戦を主軸に、戦争のきっかけとなったサラエボ事件など史実に基づいた物語となっており、過去作と比べると少々シリアスに感じるかもしれません。
100年前のネットワークがない時代の為、要人の下で働く使用人たちのネットワークを作り情報を集めるという発想や、紅茶を運ぶメイドが、暗号解読に励む兵士の目を盗みポットに仕掛けられた複写機で情報を盗んだり。戦闘シーンでも、最新鋭のものが登場することなく銃や剣を使用するなど、テクノロジーが発展した現代と比べると少し地味ではあるものの、アナログなガジェットを使ったユニークなアイデアが面白く、古き世界大戦の時代を楽しめるものとなっています。
ゾンビのごとく何度も立ち上がりバレエやコサックダンスのような不気味な動きをみせる怪僧ラスプーチンとの戦いや、クライマックスの羊飼いのアジトでの戦闘シーンはキングスマンらしさ全開の笑える迫力満点のアクションとなっており、前半のラスプーチンが作品の鍵であり全てを持っていっていると言わざるをえない存在となっています。
キングスマンの原点を描きつつ、過去作とは路線をガラッと変えた作風のため、シリーズのファンであるならキングスマンに何を求めるかで評価が変わってきそうなものではありますが、第一次世界大戦の史実の裏で実はこんなことが……というスパイ映画の原点ともいえる作品であり、ラストのシーンからみてとるに次回は第二次世界大戦が描かれていくのではないかと、100年後に描かれるエグジーとハリーの物語へと果たして関連性がでてくるのか、続編が楽しみになります。
シリーズ3作目となりますが、前日譚でありこれまでの2作との関連性は薄いので、単独でも気軽に観られる作品です。
個人的に、ヴィランであるモノクル姿のエリック・ジャン・ハヌンセン役ダニエル・ブリュールのビジュアルが刺さり最高でした。続編があるならばキーになってきそうな存在なので胸の高まりが抑えられません。
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