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StoryWriter

毎年恒例、長い様であっという間の1週間。

WACK合同合宿オーディション2022が先日終わりを迎えました。

GANG PAPADEにはWAggのアイナスターが昇格、候補生から1人新メンバーが加入、そして活動休止中のナルハワールドが復帰することになり、5月からなんと13人体制となります!

驚きのビッグファミリーとなりまして、多人数でずっとやってきたものの未知の領域に入り、これからどんなパフォーマンスが魅せれるのだろうか、どんなグループへと創り上げていこうかととてもワクワクしています。

受かった子も落ちてしまった子も、全ての候補生の方たちのひたむきに向き合う姿に刺激を受けて、じっとしていられない気持ちでずっと合宿の配信を観ていました。

メンバー同士切磋琢磨して火傷するくらいの熱量を生み出して、まだ立ったことのないでっかいステージで輝けるグループへと成長できる様に日々精進してきます。フレッシュに負けてらんない!

これからも、何卒宜しくお願い致します!
合格本当におめでとう!

Vol.145『ナイトメア・アリー』

☆3.8/☆5.0点中

https://www.bitters.co.jp/ringo/

 

1939年、ショービジネスでの成功を夢見る野心溢れる青年スタンがたどり着いたのは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座。そこで出会った読心術師のジーナに気に入られたスタントンは、彼女の仕事を手伝い、そのテクニックを身につけていく。人を惹きつける才能と天性のカリスマ性を武器にトップのショーマンとなるが、ある日精神科医と名乗る女性と出会い、その先には想像もつかない闇が待ち受けていた。

 

『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞したギレルモ・デル・トロ監督が、ブラッドリー・クーパーはじめ豪華キャストを迎えて送り出すサスペンススリラー。

過去にも映画化されたことのある、1946年に出版された名作ノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作に、野心にあふれ、ショービジネス界で成功した男が、思いがけないところから人生を狂わせていく悲劇を描く。

1940年代のアメリカの移動遊園地と都市部を舞台とし、摩訶不思議で異世界感のあるおとぎ話のような空気に酔わせながらも、成功を手に入れていたはずのスタンがどうして道を外れ破滅へと足をすすめてしまったのか、彼にさまざまなきっかけを与えた3人の女性を通じて、人間の本性が抱える闇の深さに切り込んでいきます。

本作では『シェイプ・オブ・ウォーター』などを描いてきたギレルモ・デル・トロ監督作品にしては珍しく”異形の存在”が登場しませんが、カーニバルで操られる獣人という存在を見せながら、やがて金と権力に魅了され読心術から降霊術まで手を出してしまい、まさに”怪物”と化してしまったスタンが更に恐ろしい権力を持った”怪物”達に翻弄され、人間の内部に潜む怪物性に踏み込んでいくことで目に見える形ではない”怪物”が姿を表して圧倒的なインパクトを残していきます。

目に見えた異形が出てこない分、生きたニワトリの首を引きちぎり生き血を吸う獣人や、ホルマリン漬けの奇形児「エノク」、スタンが権力者をボコボコにしてぐちゃぐちゃになった顔をしっかりと見せてきたり、車で盛大に轢き殺したり、普段の監督作品よりかは控えめながらもしっかりと見せてくれる。構図、色味、セット、衣装、美術全てが素晴らしく、ギレルモワールドを感じる作品です。

人か獣か、という点ではなく、いかにして獣へと成り行くのかを描いた今作は人間の中身をこれでもかと引き摺り出す様であり、より上の世界で生きたいと望みながらも我々が生きながら目を背けている心の闇を見せつけながら、何を信じていいか分からないほどに情報が溢れている今の世の中で目の前に出されたものを簡単に信じてしまうことが、必ずしもそれが幸せに繋がるというわけではないのかもしれないと伝えてくれます。

視覚的な怖さよりも、人間の悪意の怖さを描いた作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
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Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
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Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
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Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
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Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
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Vol.83『恋する遊園地』
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Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
Vol.129『リトル・ガール』
Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
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Vol.133『マトリックス レザレクションズ』
Vol.134『ドント・ルック・アップ』
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Vol.136『さがす』
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Vol.138『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
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Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノンの10人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。 2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、 2020年3月よりGO TO THE BEDSとPARADISESの2グループに分裂し活動開始。精力的にライブを実施し、2021年には両グループ合わせて270本ものライブを敢行。 2022年1月1日、満を持して再結成を果たす。 多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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