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StoryWriter

4月も下旬となり5月病への恐怖がじわじわと近づく季節となりましたが、気づけば、ハムスターと暮らし始めてから1年が経っていました。

ソファに寝そべると向き合えるようにハムのおうちが置いてあり、一人暮らしの家で感じる自分以外の生命の気配にホームシックも紛れ、夜中カラカラと一生鳴り続けて睡眠妨害される回し車の音も愛しくてたまりません。

プディングハムスターという種類の中では比較的、身体の大きめな子をお迎えしたのですが、日に日にぽてぽてしていってフルーツ大福にそっくりだなと思いながら日々ハムのお尻を追いかけています。

温度に敏感な生き物なので気温に振り回されやすい日本は大変ですが、できるだけ快適に健やかに長生きしてほしいなと願うばかりです。

Vol.149『モービウス』

☆3.5/☆5.0点中

https://www.morbius-movie.jp/

 

天才医師マイケル・モービウス。
彼は幼いころから血液の難病を患っていた。
同じ病に苦しみ、同じ病棟で兄弟のように育った親友のマイロの為にも、一日も早く、治療法を見つけ出したいという強い思いからマイケルは実験的な治療を自らに施す。
それはコウモリの血清を投与するという危険すぎる治療法だった。
彼の身体は激変、全身から力がみなぎり隆起した筋肉で覆われ、超人的なスピードと飛行能力、さらには周囲の状況を瞬時に感知するレーダー能力を手にする。しかし、その代償として、抑えきれない“血への渇望”。
まるで血に飢えたコウモリのように。
自らをコントロールする為に人工血液を飲み、薄れゆく〈人間〉としての意識を保つマイケルの前に、 生きる為にその血清を投与してほしいとマイロが現れる。
懇願するマイロを「危険すぎる、人間ではいられなくなる」と拒み続ける、マイケル。
しかし、NYの街では、次々と全身の血が抜かれた殺人事件が頻発する――。

 

モービウスはマーベル・コミックでスパイダーマンの宿敵として描かれているヴィランですが、そんなダークヒーローの誕生が描かれる時がついにやってきました。

本作は「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)」を構成する一作となり、スパイダーマンに登場するキャラクターで成り立つ独自のユニバースであるSSUの1作目『ヴェノム』2作目『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』に続き3作目となります。SSUの今後の重要人物となりそうなキャラクターですが、本作は独立した作品でもあり、他の作品を気にする必要もなく単独で楽しめるものとなっています。

主人公のマイケル・モービウスは、2013年に『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞した徹底した役作りで知られるジャレッド・レト。マイケルの親友であり、敵対するマイロには、『ラストナイト・イン・ソーホー』で、ジャックを演じ圧倒的な存在感を見せたマット・スミス。監督は『チャイルド44 森に消えた子供たち』や『ライフ』を手がけたダニエル・エスピノーサが務めています。

根は善人だったが治療の失敗で怪物になってしまった人命を救う天才医師と、人の生き血を吸わないと生きていけない怪物の二面性に、手に入れてしまった能力を自分自身で抑制できないことに苦悩する様が描かれており、何かとスケールが肥大化しがちな昨今のアメコミ映画の中で、丁度良く無駄のない、ヒーローの誕生、葛藤、対決の流れがシンプルに描かれたストーリーは力の抜けた気持ちで観ることのできる作品となっています。

吸血鬼の能力を封じこめたいマイケルと、血清によって目覚めた能力で暴れたいマイロとの考え方の違いから決裂し2人は戦うことになりますが、空間を縦横無尽に利用したアクションのスピード感にはパワーがあります。
また、能力を使う時だけ顔が怪物のように変化する戦闘時の視覚的変化は斬新で面白く、マイケルを演じたジャレッド・レトとマイロを演じたマット・スミスの、血液の病に苦しみ青白く痩せた体の不健康な姿とコウモリの血清を投与し筋肉のついた身体に変貌した姿、そして戦闘時の怪物のような姿の3段階にわけて変化していく過程は素晴らしく見事に演じ分けています。

また、マイケルとマイロの深い関係性も見どころであり、マイケルにとってのマイロはたった1人の親友・兄弟のような存在ですが、マイロにとってのマイケルは唯一、”死”や”孤独”を共有できる存在であり、自分にはないマイケルの才能への憧れや嫉妬、依存といった幼少期から秘かに抱いていた根深い感情が痛いほど重く結果的にひんまがった感情の発散になってしまう様子にはえもいえぬ感情になってしまいます。

マーベル作品にしては、キャラクター性に関してや繊細な感情表現など、不透明な部分が多くもっと深掘りしてほしいとうずうずしてしまう部分が多く存在しますが、ラストシーンからみるに、本作はこれから始まる物語の”序章”に過ぎないのではないかと、今後の展開に期待が膨らみます。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノンの10人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。 2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、 2020年3月よりGO TO THE BEDSとPARADISESの2グループに分裂し活動開始。精力的にライブを実施し、2021年には両グループ合わせて270本ものライブを敢行。 2022年1月1日、満を持して再結成を果たす。 多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。

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