年齢を重ねるにつれて変化することは沢山ありますが、味覚の変化が1番不思議な感覚がします。
思考の変化は何か吸収したり影響を受けたり外部から内側への矢印のベクトルで変化したと感じることは多々ありますが、味覚の変化は特に外部からの影響を自覚することが少なく知らない間に気づいたら嫌いだったもの受け入れるようになっていたと驚きに気付くことがあります。
昔食べれなかったものが食べれるようになったり、食べれていたはずのものが突然受け付けなくなってしまったり、それは脳からの影響を受けているのだろうかと人体の不思議を実感し垣間見ているような気がして、たまーに体が拒絶反応を起こしてしまうくらい嫌いな食べ物に挑戦してみたくなったりします。
そんなチャレンジ精神は大人になった証なのか、子どものままだと感じるのか、それもまた時によって変化がありそうで面白みが深く、一生こうやって生きていくんだろうなとゾクゾクしてしまいます。
Vol.150『カモン カモン』
☆4.0/☆5.0点中
https://happinet-phantom.com/cmoncmon/
NYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹・ヴィヴから頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが…
『レディ・バード』『ミッドサマー』など、数々の話題作を生み出してきた気鋭の映画会社A24が製作した本作。
『ジョーカー』にてその卓越した演技力で狂気を見事に体現し、アカデミー賞主演男優賞に輝いたハリウッドの名優ホアキン・フェニックスが、次なる出演作に選んだのは狂気のイメージを180度覆す優しい物語。
9歳の甥・ジェシーの面倒を見ることから、子育ての厳しさを味わうと共に驚きに満ち溢れたかけがえのない体験を経験することになり、それぞれの孤独を抱えたふたりが、ぶつかりながらも真正面から向き合い歩み寄ろうとすることによって新たな絆を生み出していく、叔父と甥の想定外で愛おしい日々を描いた優しいヒューマンドラマです。
監督を務めるのは『人生はビギナーズ』『20センチュリーウーマン』など身近にいる大切な人をテーマに描き続けるマイク・ミルズ。自身の子どもをお風呂に入れている時に着想を得た今作は、デトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオリンズの4都市を舞台とし、モノクロの映像で表現することによって現実世界と寓話を見事に調和させています。
ジョニー演じるホアキン・フェニックスとジェシー演じるウディ・ノーマンの互いの化学反応がたまらなく良く、ずっとこの2人の過ごす時間や掛け合いを眺めていたいと願ってしまいます。ウディ・ノーマンの幼くも知的で挑戦的ですらある存在感は特に目をひく人物でもあります。
色彩豊かに描かれることが当たり前になった今だからこそ、大人と子どもの普遍的であるテーマをモノクロという少ない色の情報で描くことによって登場人物ひとりひとりの内面により深く引き込まれ、純度の高い心地よさが存在していました。
物語の中で各地の子ども達にインタビューした様子がたびたび使われており、随所で語られる実際にインタビューされた子ども達の生の想いは聞き応えがあり、大人になってしまった私達にはすぐに答えの出せないものばかりで、子ども達の純粋さが痛いほどリアルに感じ取れフィクションとドキュメンタリーの絶妙なバランス感を生み出し、子どもを子どもと思って接するのではなく1人の同じ人間として正直に向き合うことの大切さを学ばさせてくれる作品でもあります。
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テラシマユウカ
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノンの10人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。 2016年に行われた新生BiSの合宿オーディションに参加し、BiS公式ライバル・グループSiSのメンバーとして活動を始めるが、お披露目ライヴ直後にまさかのグループが活動休止。2016年10月にGANG PARADEへ電撃加入し、 2020年3月よりGO TO THE BEDSとPARADISESの2グループに分裂し活動開始。精力的にライブを実施し、2021年には両グループ合わせて270本ものライブを敢行。 2022年1月1日、満を持して再結成を果たす。 多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在に。映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「それでも映画は、素晴らしい。」の連載スタート。