世界のショートフィルムを無料配信する、ショートフィルム専門のオンラインシアター「ブリリア ショートショートシアター オンライン(BSSTO)」。
映画館に行くのはハードルが高かったり、時間がなかったり。そんな方々の暮らしにシネマチックなひと時を気軽に提案してくれるショートフィルム。
毎週水曜日に世界のショートフィルムをお届けしてくれるBSSTOが、10月31日までの期間限定でハロウィンシーズンにぴったりの「ホラー・ショートフィルム特集」を実施しています。
今週はそんな特集で公開された4本のホラーをひとつずつ紹介していきたいと思います。
会員登録で全ての短編映画が無料視聴可能になります。
『ブッチャーズヒル:甘い罠』
☆3.4/☆5.0
(2008年/10分)
1699 年、ニューイングランド。
お腹を空かせた兄妹は、ブッチャーズヒルの森の中の家に忍び込む。家の中には美味しそうなものばかり。しかし二人は気づいていなかった、その家に潜む黒い影に……。
日本初公開、当時8歳のティモシー・シャラメが出演するメルヘンホラー。
まるでホラー版「ヘンゼルとグレーテル」かのような物語であり、幼いティモシーの天使のようなあどけなさと美しさを兼ね備えたその瞳に吸い込まれるように神秘を感じていると、抜かりなくそこそこにショッキングな映像が飛び出してくる。
ショートフィルムなので細かい設定の粗さはさておき、起承転結はしっかりしているので徐々心拍数が高まる過程を楽しむことができます。
甘い匂いにつられて気を緩ませてしまうとまんまと罠に引っかかってしまうので要注意。
『夜行バス』
☆3.9/☆5.0
(2020年/20分)
深夜バスでネックレスが盗まれた。この事件が、悲劇的な交通事故を引き起こす。一連の出来事には、愛と憎しみ、復讐劇が隠されていた。暗い沿岸の空の下で、バスは炎上し、きらめいている…。
2021年のアジア最大級の国際短編映画祭「SSFF & ASIA」でオーディエンスアワードを受賞した台湾ホラー。
ネックレスが盗まれたことから始まるピタゴラスイッチのようなサスペンスホラーは、約20分足らずで人間の愚かで残酷な汚い部分や、愛憎劇を巧みに描き出し、サスペンス的に進んでいくかと思えば事件に事件を重ねて阿鼻叫喚のホラーへと変化をとげていく。
一目でわかる異質感のある不気味な絵柄が物語と絶妙にマッチングし、また、アニメーションであることからグロすぎずちょうど良くホラー感を演出している。
負の運命が連鎖し地獄絵図を生み出していく様は、生々しい恐怖心を煽ってくれます。
『自分の部屋で迷子になるには』
☆3.6/☆5.0
(2021年/12分)
霧深い景色。ここは主人公のジョンイムがプレーするVRゲームの中。ゲームの目的は見知らぬ場所から自分の家に帰り着くこと。彼女は順調にゲームを進め家に辿り着くが、ゲームは終わらない。
韓国発の都市伝説ホラー。
VRで自宅の住所を入力して見知らぬ土地からそれを目指すゲームであり、”発想力の勝利”な作品。
まるで我々までもがVRを装着したかのような視点は没入感があり、中盤までの呑気な雰囲気から後半の違和感を感じ始めるまでの流れは巧妙で、現実世界とVRがリンクし始めてゲームと現実の境界線が曖昧になった時にゾクっとしてしまう。
なんとなくオチは読めてしまうものの、あえてその先を見せてくれない残された余白に想像力を掻き立てられるラストは不気味で好奇心くすぐられます。
『ナイトブレーカーズ』
☆4.0/☆5.0
(2021年/18分)
地下トンネルを重い足取りで進む人々がいる。電気やバッテリーをたくさんつけたスーツに身を包み、真っ暗闇を照らしながら…。暗闇の中に潜む危険、そして何よりも自分自身と立ち向かわなければならない。
完成度の高さから長編化が噂されている、スリラー・ホラー。
ライトとバッテリーを身に纏い、暗闇から忍び寄る”何か”を恐れながらトンネルを進み続ける人々を描いた作品。
人が灯りに照らされなくなった途端、”何か”に襲われる。ショートフィルムなので、世界観の状況説明や登場人物たちの背景などは描かれずこちら側で察することになり、想像力を存分に発揮できる楽しさもあり。
長編映画のクライマックスから観始めたかの様な美味しいとこだけ味わっている感覚であり、スタートから畳み掛けてくる緊迫感は満足度最高値。
“何か”に襲われる恐怖よりも追い込まれた人間がとる行動の恐ろしさを描いた作品でもあり、ここから肉付けして長編映画として公開されても確実に面白くなると確信させてくれます。
※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。
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Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
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