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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

最近はテレタビーズやウェンズデーなど心待ちにしていた作品の配信が始まり、夜な夜なNetflixに時間を溶かす日々を送っています。

テレタビーズは幼少期に観ていたキャラクターもので特に記憶に残っている作品で、子ども向けのものではありますが大人になった今観ると懐かしさが溢れ出してシナプスが刺激される感じがします。

ウェンズデーはまだ観始めたばかりですが、ファンタジーとミステリーのバランスが素晴らしく、ハリーポッターを彷彿させる部分もあったりと大好物の要素が多く思わず一気見してしまいそうな高揚感があります。

Netflixのマイリストは日々溜まっていっているのでどこかのタイミングで一気に消化したいものです。

Vol.180『ザ・メニュー』

☆3.8/☆5.0

https://www.searchlightpictures.jp/movies/themenu

 

太平洋岸の孤島を訪れたカップル。お目当ては、なかなか予約の取れない有名シェフが振る舞う、極上のメニューの数々。
「ちょっと感動しちゃって」と、目にも舌にも麗しい、料理の数々に涙するカップルの男性に対し、女性が感じたふとした違和感をきっかけにレストランは徐々に不穏な雰囲気に。
なんと、一つ一つのメニューには想定外の“サプライズ”が添えられていた… 。
果たして、レストランには、そして極上のコースメニューにはどんな秘密が隠されているのか?そしてミステリアスな超有名シェフの正体とは…?

 

舞台は、世界で最も予約の取れないレストラン、ホーソン。
全てを美食のために捧げるこのレストランのチケットを獲得したのは、著名料理評論家、人気映画俳優、エンジェル投資家など、選び抜かれたゲストたち。
その中で、ボーイフレンドと共にレストランを訪れる主人公マーゴにはNetflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』や『ラストナイト・イン・ソーホー』などで圧倒的な存在感とファッションセンスで全世界を魅了し、今ハリウッドで出演オファー殺到中の、最高にフレッシュな女優、アニャ・テイラー=ジョイ。

そして、芸術的なまでに美しく、完璧なコース料理の数々を振る舞う天才的なセンスとカリスマ性に満ちた伝説のシェフ、スローヴィクには、その類稀な気品と謎めいた佇まいで、映画ファンを魅了し続ける『グランド・ブダペスト・ホテル』『キングスマン:ファースト・エージェント』のレイフ・ファインズ。

予告から観てとるに怪しげなシェフが招待客を取って食うバトルロワイヤル的な話に思えますが、実際は美食文化や権力社会、グルメの上層の業界とそこに通うのを日常とするような人たちを切り刻むように皮肉的に描いた、ブラックユーモアたっぷりの鋭い風刺作品となっています。

落ち目の役者に、このレストランのオーナー部下である成金集団、料理の本質へ理解を示すが的外れな評論家、何を食べたか覚えていないセレブな老夫婦、頭でっかちな美食家に、”一般人”のマーゴ。
どれだけ手間をかけ時間をかけ魂を込めて作った料理でも、シェフの料理やスタッフたちの努力に価値を感じることはなく、有名な高級店で食事するというステータスのためだけに店を訪れる真の美食家たるものを履き違えた支配的階級の者やどこぞのグルメ評論家に一蹴され、シェフとしての自信や名誉、地位を一口にして踏みにじられる。

そんなシェフたちの、”奪われる側”の壮絶な復讐劇を描いたのが今作であり、孤島のレストラン内というワンシチュエーションで繰り広げられる壮絶なドラマは世界観や設定が作り込まれており、想像の斜め上をいく展開に終始極上の驚きとワクワクが提供され続けます。

提供する側とされる側の本来あるべき立場を示す作品であり、料理だけに留まらず、映画評論家などといった創作することはできないが丹念に作り上げた作品を一度観ただけで簡単に批評し、時には酷評もする、評論家たちへの痛烈な批判も込められており、胸が痛む部分もあり。

非常に多くの不可解な点が残るところもありますが、様々な角度からの解釈や考察のしがいのある映画であり、旨味がギュと濃縮された至極のサイコスリラーです。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
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Vol.91『ビバリウム』
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Vol.99『ノマドランド』
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Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
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Vol.110『17歳の瞳に映る世界』
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Vol.120『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
Vol.121『キャッシュトラック』
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Vol.126『アンテベラム』
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Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
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Vol.137『偶然と想像』
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Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
Vol.144 『林檎とポラロイド』
Vol.145『ナイトメア・アリー』
Vol.146『TITANE/チタン』
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Vol.148 『ハッチング―孵化―』
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Vol.154『死刑にいたる病』
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Vol.169『ブレット・トレイン』
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Vol176. 『窓辺にて』
Vol.177『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
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Vol.179『ファイブ・デビルズ』

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「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、11月16日(水)にはメジャー4thシングル「Priority」のリリースが決定している。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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