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こんにちは、テラシマユウカです。

GANG PARADEは4月にワンマンツアーを10都市まわらせて頂くことが決定していますが、つい先日リハーサルを終え、いよいよ始まるんだ、、!と実感が湧きすこしの緊張感を抱きながら日々を過ごしています。

5月10日には新しくアルバムをリリースするので沢山の新曲を引っさげてのツアーとなりますが、フロアにお客さんがいる光景を想像しながら、ツアーが始まってそれが現実になる瞬間って何度経験しても魂が震えるような貴重な瞬間だなって幸せを噛み締めています。

4/1 広島 BLUE LIVE
4/2 香川 festhalle
4/5 北海道 Zepp Sapporo
4/9 宮城 SENDAI GIGS
4/21 大阪 Zepp Osaka Bayside
4/23 福岡 Zepp Fukuoka
4/25 愛知 Zepp Nagoya
のチケットがまだ発売中なので、すこしでも興味ある方は是非遊びにきてみてください!

https://t.co/LXUiLTajeV

Vol.196『The Son/息子』

☆4.0/☆5.0

https://www.theson.jp/

 

高名な政治家にも頼りにされる優秀な弁護士のピーターは、再婚した妻のベスと生まれたばかりの子供と充実した日々を生きていた。そんな時、前妻のケイトと同居している17歳の息子ニコラスから、「父さんといたい」と懇願される。初めは戸惑っていたベスも同意し、ニコラスを加えた新生活が始まる。ところが、ニコラスが転校したはずの高校に登校していないことがわかり、父と息子は激しく言い争う。なぜ、人生に向き合わないのか?父の問いに息子が出した答えとは──?

 

初監督作『ファーザー』で、斬新な表現スタイルが絶賛され、アカデミー賞脚色賞を受賞したフロリアン・ゼレール。その最新作『The Son/息子』で描かれるのは、親子の心の距離の物語。本作はゼレール監督自身の戯曲として描いてきた家族三部作の第二部。前作『ファーザー』とはまた異なる手法で、親子関係と心の問題を丁寧に紐解いていく。

完成した脚本に惚れ込んだヒュー・ジャックマンが、自ら名乗り出て主演と製作総指揮を務め、さらに『ファーザー』で2度目のアカデミー賞に輝いたアンソニー・ホプキンス、『マリッジ・ストーリー』で同賞を獲得したローラ・ダーンなど、現代のエンターテインメント界におけるトップが共演を果たしました。

互いを理解していると信じ、ごく当たり前の日常を送っていた家族に、突然起こる異変。それは私たちにとっても、決して他人事ではありません。ヒュー・ジャックマンが、「このテーマをここまで美しく、そしてはっきりと描き出した作品に参加できて誇らしい」と胸を張る衝撃の愛の物語は、鬱病の息子に翻弄される両親の苦悩を綴った闘病ドラマであり、心と心の対話の真髄を覗いているように重くのしかかる。まるで精神的な臨死体験を味わってしまったかのような気分です。

前作では、認知症の父親とその家族の関係を新しいスタイルとして、認知症である当事者の視点から描き出し、観客に認知症を疑似体験させるかのような変わった演出でしたが、今作はほぼ脚本と演技だけで勝負しており、シンプルな演出のため本作の持つメッセージ性がまっすぐ届き、彼らへの感情移入も自然と深くなっていきます。

両親が離婚していても息子に対する愛はあり、決してピーターは悪い父親ではないはずなのに、鬱病に対する理解が乏しい点もあり、なぜ学校に行かない?なぜ自傷行為をするんだ?とニコラスを責めてしまい解決策を見出せず、すれ違い続けてしまう。親と子の繋がりや、息子の気持ちを汲み取り心から落ち着ける居場所を作ることの難しさは不確かで、苦しむことにも疲れ果ててしまうほどに息が詰まる。

人生は続かないし、愛は無力。

伝わらないもどかしさ、究極の選択を迫られるが何も正解がわからない苦しみ。いつの時代も親と子の関係性は模索しながら探し続けるものですが、その答えをひとつ掲示するのではなく残酷な方法ながらも考えるきっかけを与えてくれる、すべての人にとって重要なメッセージを持つ作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
Vol.100『ファーザー』
Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
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Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
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Vol.109『ブラック・ウィドウ』
Vol.110『17歳の瞳に映る世界』
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Vol.114『フリー・ガイ』
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Vol.117『ドント・ブリーズ2』
Vol.118『うみべの女の子』
Vol.119『レミニセンス』
Vol.120『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
Vol.121『キャッシュトラック』
Vol.122『DUNE/デューン 砂の惑星』
Vol.123『キャンディマン』
Vol.124『最後の決闘裁判』
Vol.125『ラストナイト・イン・ソーホー』
Vol.126『アンテベラム』
Vol.127『マリグナント 狂暴な悪夢』
Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
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Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
Vol.132『キングスマン:ファースト・エージェント』
Vol.133『マトリックス レザレクションズ』
Vol.134『ドント・ルック・アップ』
Vol.135『ハウス・オブ・グッチ』
Vol.136『さがす』
Vol.137『偶然と想像』
Vol.138『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
Vol.139『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
Vol.144 『林檎とポラロイド』
Vol.145『ナイトメア・アリー』
Vol.146『TITANE/チタン』
Vol.147『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
Vol.148 『ハッチング―孵化―』
Vol.149『モービウス』
Vol.150『カモン カモン』
Vol.151『パリ13区』
Vol.152『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』
Vol.153『流浪の月』
Vol.154『死刑にいたる病』
Vol.155『犬王』
Vol.156『トップガン マーヴェリック』
Vol.157『FLEE フリー』
Vol.158『PLAN75』
Vol.159『ブラック・フォン』
Vol.160『ベイビー・ブローカー』
Vol.161『X エックス』
Vol.162『呪詛』
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Vol.164『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
Vol.165『グレイマン』
Vol.166『女神の継承』
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Vol.168『NOPE/ノープ』
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Vol.170『LAMB/ラム』
Vol.171『手』
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Vol.174『マイ・ブロークン・マリコ』
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Vol176. 『窓辺にて』
Vol.177『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
Vol.178『RRR』
Vol.179『ファイブ・デビルズ』
Vol.180『ザ・メニュー』
Vol.181『ザリガニの鳴くところ』
Vol.182『ラーゲリより愛を込めて』
Vol.183『MEN 同じ顔の男たち』
Vol.184『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
Vol.185『ケイコ 目を澄ませて』
Vol.186『ファミリア』
Vol.187『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
Vol.188『ノースマン 導かれし復讐者』
Vol.189『ピンク・クラウド』
Vol.190『すべてうまくいきますように』
Vol.191『バイオレント・ナイト』
Vol.192『バビロン』
Vol.193『ボーンズ アンド オール』
Vol.194『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
Vol.195『フェイブルマンズ』

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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、11月16日(水)にはメジャー4thシングル「Priority」のリリースが決定している。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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