watch more
StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

知らないうちにすっかり梅雨入りをしていたようで、どんよりとした日が続きます。

はやく終わってほしいなと思いつつも、梅雨が明けてからの夏の訪れの方が地獄なのでじめじめしたままでいてくれと願ってしまいます。

今年の梅雨の目標は、傘をなくさない です。

コンビニで慌てて傘を買った回数って人生で1番無駄なものな気がしますが、ほんのちょっとだけ何回だろうと気になるなあと、くだらないことを考えてしまいます。

Vol.208『M3GAN/ミーガン』

☆3.9/☆5.0

https://m3gan.jp/

 

おもちゃ会社の優れた研究者であるジェマは、子供にとって最高の友達であり、親にとって最大の協力者となるようにプログラムした、まるで人間のようなAI人形<M3GAN(ミーガン)>を開発している。
ある日、交通事故で両親を亡くし孤児となった姪のケイディを引き取ることになったジェマは、ミーガンに対し「あらゆる出来事からケイディを守るように」と指示し、力を借りる事にするが、その決断は想像を絶する事態を招くことになる―。

 

「ソウ」「死霊館」や「アナベル」シリーズで知られる 巨匠ジェームズ・ワンと「ハロウィン」「透明人間」のジェイソン・ブラム率いるブラムハウスが待望の再タッグ! 心に傷を負った少女の親友になるようプログラムされたAI人形<M3GAN>の行き過ぎた愛情と狂気を描く、制御不能サイコ・スリラー。

M3GANは、Model 3 Generative Androidの略称。少女のような見た目で、聞き上手で話し上手。ダンスもお絵かきも得意で、頭脳明晰で勉強も教えてくれる。子供にとっては親友であり、親にとっては最大の協力者。使命はケイディをあらゆる出来事から守ること…。

現在話題のAIチャットサービス、チャットGPTを筆頭にAIが世界に急速に蔓延し始めており、クリエイターがAIに作品を奪われてしまったりと、こういった高度技術の発達は、人間の仕事を奪うだけでなく、それ以上の危険を及ぼす可能性も含んでいます。

AIが現実世界で身近になり始めた今、AIロボットを用いてAIの脅威をどう映画で描くのか?
“今後起こるかもしれない未来”を映像化し、テクノロジーへの依存とこれからの私たちの未来について考えるきっかけとなり得ます。

AIがテーマの映画というと、「ターミネーター」「マトリックス」「A.I.」「ブレードランナー」「2001年宇宙の旅」などと現実よりも先駆けて存在してきたもので、AIの意思を持った反乱を描いたものが主でしたが、今作はぐっと身近に寄った現実的な観点から描くAIホラーとなっています。

ミーガンは、可愛らしくもどこか不気味な見た目と印象的な独特な動きやノリノリのダンスなどからTikTokでも話題となり最速で新たなホラーアイコンとしての地位を確立させました。この不気味なミーガンですが、一部を除いてCGではなく実際に人間が演じており、元々ダンサー経験者である子役が顔にマスクをつけて撮影されたものであるため、ぱっと見人間のように見えます。しかし、まじまじと見るとロボットに見えるという絶妙な特殊効果によってより生々しい恐怖を与えることを可能にしました。

両親を亡くした孤児の心のケアの役割をテクノロジーが果たしてくれると、近ごろの現実世界でもAIが話し相手としてメンタルケアに役立つのではと注目されています。ですが、一時的なツールとしては最適でも根本の解決策には至りません。AIに依存し過ぎると子どもの心は親から離れ、ロボットには自我が芽生えて子どもを守りたい一心で、邪魔者を排除してしまう恐れがあり行き着く先には親すらも排除されてしまうのではないかという現代を生きる我々への教訓を描いていました。

プロット的には2019年版チャッキーと似通ったものがあり、公開当初に観た時は危機感を感じませんでしたが、AIの話題で持ちきりの2023年に観るともうミーガンの世界はすでに始まってしまっているのかもしれないと、笑えなくなってしまいます。

ある意味これが、1番怖いホラーなのかもしれません。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
Vol.100『ファーザー』
Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Vol.108『1秒先の彼女』
Vol.109『ブラック・ウィドウ』
Vol.110『17歳の瞳に映る世界』
Vol.111『プロミシング・ヤング・ウーマン』
Vol.112『日常対話』
Vol.113『ザ・スーサイド・スクワッド』
Vol.114『フリー・ガイ』
Vol.115『サマーフィルムにのって』
Vol.116『アナザーラウンド』
Vol.117『ドント・ブリーズ2』
Vol.118『うみべの女の子』
Vol.119『レミニセンス』
Vol.120『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
Vol.121『キャッシュトラック』
Vol.122『DUNE/デューン 砂の惑星』
Vol.123『キャンディマン』
Vol.124『最後の決闘裁判』
Vol.125『ラストナイト・イン・ソーホー』
Vol.126『アンテベラム』
Vol.127『マリグナント 狂暴な悪夢』
Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
Vol.129『リトル・ガール』
Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
Vol.132『キングスマン:ファースト・エージェント』
Vol.133『マトリックス レザレクションズ』
Vol.134『ドント・ルック・アップ』
Vol.135『ハウス・オブ・グッチ』
Vol.136『さがす』
Vol.137『偶然と想像』
Vol.138『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
Vol.139『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
Vol.144 『林檎とポラロイド』
Vol.145『ナイトメア・アリー』
Vol.146『TITANE/チタン』
Vol.147『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
Vol.148 『ハッチング―孵化―』
Vol.149『モービウス』
Vol.150『カモン カモン』
Vol.151『パリ13区』
Vol.152『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』
Vol.153『流浪の月』
Vol.154『死刑にいたる病』
Vol.155『犬王』
Vol.156『トップガン マーヴェリック』
Vol.157『FLEE フリー』
Vol.158『PLAN75』
Vol.159『ブラック・フォン』
Vol.160『ベイビー・ブローカー』
Vol.161『X エックス』
Vol.162『呪詛』
Vol.163『ソー:ラブ&サンダー』
Vol.164『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
Vol.165『グレイマン』
Vol.166『女神の継承』
Vol.167『サバカン SABAKAN』
Vol.168『NOPE/ノープ』
Vol.169『ブレット・トレイン』
Vol.170『LAMB/ラム』
Vol.171『手』
Vol.172『秘密の森の、その向こう』
Vol.173『ホラー・ショートフィルム特集』
Vol.174『マイ・ブロークン・マリコ』
Vol.175『アフター・ヤン』
Vol176. 『窓辺にて』
Vol.177『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
Vol.178『RRR』
Vol.179『ファイブ・デビルズ』
Vol.180『ザ・メニュー』
Vol.181『ザリガニの鳴くところ』
Vol.182『ラーゲリより愛を込めて』
Vol.183『MEN 同じ顔の男たち』
Vol.184『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
Vol.185『ケイコ 目を澄ませて』
Vol.186『ファミリア』
Vol.187『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
Vol.188『ノースマン 導かれし復讐者』
Vol.189『ピンク・クラウド』
Vol.190『すべてうまくいきますように』
Vol.191『バイオレント・ナイト』
Vol.192『バビロン』
Vol.193『ボーンズ アンド オール』
Vol.194『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
Vol.195『フェイブルマンズ』
Vol.196『The Son/息子』
Vol.197『オットーという男』
Vol.198『エスター ファースト・キル』
Vol.199『ザ・ホエール』
Vol.200『生きる LIVING』
Vol.201『search/#サーチ2』
Vol.202『AIR/エア』
Vol.203『それでも私は生きていく』
Vol.204『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
Vol.205『最後まで行く』
Vol.206『aftersun/アフターサン』
Vol.207『テリファー 終わらない惨劇』

「それでも映画は、素晴らしい。」のバックナンバーも合わせてチェック!!

【連載】Vol.1『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.2『ライフ・アクアティック』(推薦者:渡辺淳之介)
【連載】Vol.3『そこのみにて光輝く』(推薦者:ココ・パーティン・ココ)
【連載】Vol.4『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(推薦者:沖悠央/SCRAMBLES )
【連載】Vol.5『ライフ・イズ・ビューティフル』(推薦者:GANG PARADE マネ 辻山)
【連載】Vol.6『ヘアスプレー』(推薦者:花柄ランタン ぷき)
【連載】Vol.7『はじまりへの旅』(推薦者:ランタン 村上真平)
【連載】Vol.8『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(推薦者:松隈ケンタ)
【連載】Vol.9『シカゴ』(推薦者:ユイ・ガ・ドクソン)
【連載】Vol.10『トイ・ストーリー3』(推薦者:T-Palette Records 古木智志)
【連載】Vol.11『青春の殺人者』(推薦者:岩淵弘樹)
【連載】Vol.12『時計じかけのオレンジ』(推薦者:BiS ムロパナコ)
【連載】Vol.13『トレインスポッティング』(推薦者:蒲鉾本舗高政高政社長)
【連載】Vol.14『ドリーマーズ』(推薦者:美容室code+LIM ワタロー)
【連載】Vol.15『トゥルー・ロマンス』(推薦者:UGICHIN)
【連載】Vol.16『メリー・ポピンズ』(推薦者:ヤママチミキ)
【連載】Vol.17『ハイスクール・ミュージカル』(推薦者:アヤ・エイトプリンス)
【連載】Vol.18『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(推薦者:平賀哲雄)
【連載】Vol.19『天使にラブ・ソングを…』(推薦者:テラシマユウカの母)
【連載】Vol.20『少年は残酷な弓を射る』(推薦者:テラシマユウカ)
【連載】Vol.21『ローマの休日』(推薦者:エビナコウヘイ)
【連載】Vol.22『湯を沸かすほどの熱い愛』(推薦者:セントチヒロ・チッチ)
【連載】Vol.23『あの日々の話』
【連載】Vol.24『万引き家族』(推薦者:ハルナ・バッ・チーン)
【連載】Vol.25『クレイマー、クレイマー』(推薦者:テラシマユウカの父)
【連載】Vol.26『プラダを着た悪魔』(推薦者:LEBECCA boutique ブランドディレクター、赤澤える)
【連載】Vol.27『ザ・マジックアワー』(推薦者:ごんちょく)
【連載】Vol.28『下妻物語』(推薦者:キャン・GP・マイカ)
【連載】Vol.29『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(推薦者:ナルハワールド)
Vol.30『ホラー映画オススメ10選』
vol.31『きみに読む物語』(推薦者:ももち)

 

テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、11月16日(水)にはメジャー4thシングル「Priority」のリリースが決定している。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

テラシマユウカ Twitter

PICK UP