こんにちは、テラシマユウカです。
私はただのホラー映画オタクなのですが、中でも特に悪魔とエクソシストものが大好物。
近頃は嬉しいことに、『エクソシスト』や『死霊館のシスター』の続編公開日が決定し、なんどもポスタービジュアルや予告編を見返し生き生きとしてしまっています。
特に悪魔ヴァラクのビジュが好きなので、続編を心待ちにしていたわけです。こんなにも悪魔の映画が続々と公開される年が過去にあったでしょうか?
ということで、
今週はそんな悪魔ホラーをご紹介致します。
Vol.214『ヴァチカンのエクソシスト』
☆4.3/☆5.0
https://www.vatican-exorcist.jp/
1987年7月――サン・セバスチャン修道院。
アモルト神父はローマ教皇から直接依頼を受け、憑依されたある少年の《悪魔祓い》(エクソシズム)に向かう――。変わり果てた姿。絶対に知りえないアモルト自身の過去を話す少年を見て、これは病気ではなく“悪魔”の仕業だと確信。若き相棒のトマース神父とともに本格的な調査に乗り出したアモルトは、ある古い記録に辿り着く。中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判。その修道院の地下に眠る邪悪な魂――。
全てが一つに繋がった時、ヴァチカンの命運を握る、凄惨なエクソシズムが始まる――
カトリック教会の総本山ヴァチカンのローマ教皇に仕え、生涯で数万回の悪魔祓いを行った実在のチーフ・エクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父。悪魔との戦いについて記したガブリエーレ・アモルト神父の著書『エクソシストは語る』を基に、『オーヴァーロード』のジュリアス・エイバリーが映画化。実在したガブリエーレ・アモルト神父をアカデミー賞受賞の名優ラッセル・クロウが演じました。
共演には『ドント・ブリーズ』『イット・フォローズ』のダニエル・ゾバット、『ドクター・スリープ』のアレックス・エッソーなど。また、本作が映画初出演となる子役も悪魔に憑依される変貌ぶりを見事に演じ、強烈なインパクトを残しています。
神父と人間に憑依した悪魔の対決といえば、ウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』。そんな『エクソシスト』をはじめとした悪魔ホラーの王道を踏襲しながら現代版にアップグレードされ、エクソシスト映画好きのをツボをドンピシャに押さえエンタメに昇華した堪らない一作となっています。
ラッセル・クロウ演じるガブリエーレ・アモルト神父のキャラクターが印象的で、ドキュメンタリー『悪魔とアモルト神父 -現代のエクソシスト-』という作品にもなっている、実在した有名なエクソシストであり、ローマ・カトリック教会公認の国際エクソシスト協会という団体も設立しているエクソシスト界の重要人物。劇中では、でっかい身体にちっちゃなスクーターを乗り回す様子はなんだか愛しさがあり、悪魔に対しても冗談を言ったりする愛嬌のあるキャラクターとして描かれています。
また、ガブリエーレと共に悪魔祓いをすることになるトマース神父も素晴らしいキャラクター。ラテン語で祈りを唱えることもおぼつかないまだ若く純粋さのある彼の真っ先に悪魔にやられてしまいそうでありながらも、次第に真っ向から対峙していく姿はなんだか成長物語を見守っている親のような気分であり、ガブリエーレと同様に愛くるしさのあるキャラクターです。
性質として対照的なガブリエーレとトマースですが、凸凹ながら力を合わせて悪魔と戦っていく彼らはバディものとしての面白さとアツさが詰まっていました。
また、修道院に隠された秘密を探るミステリー要素や異端審問の背景に悪魔がいたという、やや危険な宗教的要素ともジャンル融合され、最初から隠すことなく容赦のない悪魔からの攻撃とダイナミックなCG、魅せ方にかなりこだわりを感じます。ホラー度合いでいうとジャンプスケア控えめで、慣れている身からするとマイルド寄りではありますが、恐怖心を煽るよりも悪魔と神父のバトルを重点的に描いたオカルト的なエンターテインメントとして最高に楽しい娯楽作品に仕上がっています。
「アスモスデウス」という最強の悪魔との戦いはまるでヒーロー映画を観ているかのように派手な演出で画面が彩られ、ガブリエーレまでが憑依されてしまうという絶体絶命のピンチに陥ってからバディの見せ所で新たに魅せていく展開は気持ちよく、後味も最高の出来。
トマースがエクソシストとして成長していく姿を描くことで、地図に描かれた場所を新たに巡って悪魔祓いをこれからガブリエーレと共に行っていくであろうと予感させるラストから、続編も期待してしまうエンディングでした。これからも注目していきたい一作です。
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