こんにちは、テラシマユウカです。
少し前に流行ったMBTI診断というものがありましたが、質問内容かなにかが新しくなったと噂を聞いたので、今更感を感じながらも電車の暇な時間に診断してみました。
診断結果の名称は忘れてしまったのですが、どんな性格か調べたところこの診断結果が1.2番目くらいに割合が少ないものらしく、変なヤツ、場に馴染めないと書かれていてレアでいいんだか悲しいんだかよく分からないちょっぴり切なく、気まずい時間をひとり過ごしてしまいました。
大人になるにつれて人間って変われない生き物なんだなと思うことが多いのですが、年齢やその時の精神面など性格の変化にどのくらい影響を与えるのか、すごく興味深いことなのかもしれません。
Vol.218『シャーク・ド・フランス』
☆3.9/☆5.0
http://unpfilm.com/sharkfrance/
舞台はフランス南西部にあるリゾート地ラ・ポワント。ある日、ひとりの男性が正体不明の怪物に襲われる事件が発生。観光客でにぎわうビーチはパニックになり、封鎖されることに。
早期退職を予定していた海上警察官の一員マジャは、これがサメの仕業であると推測。
最後の任務としてサメ退治に挑み、勇敢な彼女はサメの捕獲に成功する。地元の人からも祝福され、晴れて引退したマジャだったが、海岸地帯で新たな犠牲者が出る。
一転して非難を浴びることになったマジャは、再びサメ退治に向かう。
すっかり夏の風物詩として市民権を得てきた、サメ映画。パニック、SF、コメディ、ハリウッドB級サメ映画やら竜巻で飛んでくるサメやらサメとタコのハーフのモンスターサメやらとにかくなんでもアリのやりたい放題に作られているサメ映画というジャンルだが、今年の夏はなんとフランスでは初となるサメ映画がついに誕生!
前作の『テディ』が、第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選出され、日本では第12回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルで初披露され注目を集めたフランス人の双子監督ルドヴィック&ゾラン・ブケルマ監督が手掛けた本作。
もう1度原点に立ち帰ろうと、サメ映画の金字塔、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』にオマージュを捧げ脚本を書き上げた作品であり、引退間近だった女性海上警察官がサメ退治に挑む姿を、他のサメ映画とは一線を画しオフビートかつスタイリッシュでユニークに描き出しました。
主人公マジャを演じるのは、『私は確信する』『ヴィーガンズ・ハム』『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』、さらに第53回東京国際映画祭でグランプリを受賞した『ザ・ビースト』などの話題作への出演が続く注目のフランス人俳優マリナ・フォイス。
フランス国旗をイメージカラーとする背景から飛び出る大口を開けたサメに、「サメをジョーズに捕獲しろ!」と書かれたポスターからはイメージとしてコミカルな印象を初めに抱きます。
ですが、実際のところ前半はポスターから想像する通りのユニークさのあるものでしたが、後半は非常に硬派なサメ映画の展開が繰り広げられます。今やありえないハチャメチャな設定で暴れ散らかすネタとしてのジャンルが確立されてしまい、海から登場しないサメ映画が常識であると捉えてしまう身としては、『ジョーズ』をこれ程にまで”真面目に”お手本として受け継がれた映画が現代に存在するのかと驚きがありました。
派手なシーンはあまりなくサメが直接的に登場する時間こそは少ないですが、その分サメ以外の登場人物の人間関係にスポットが当たっており、コメディ調ではありながらも風刺的でシリアスな一面もある描写がある、今の時代ならではの表現が織り込まれたサメ映画として完成度が高いものとなっています。
おバカなサメ映画と思いきや真剣なサメを取り巻く人間ドラマであり、空を飛んだり飛び道具じゃないサメの静かなる怖さを思い出す作品でした。
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