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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

私の好きな監督の1人、ウェス・アンダーソンの最新作がついに公開となりました!

試写会にてひと足お先に鑑賞させて頂いていたのですが、前売り券についてくる宇宙人Tシャツが欲しいのと、結局最低でも2回は観るだろうからと前売り購入し、そこそこの頻度で宇宙人とともに生活を営んでいます。

渋谷PARCOのポップアップショップやZOZOVILLAとのコラボ商品もあり、種類が豊富でどれを購入するかずっと迷っています。これだけグッズがあるのはとてもありがたく豊かな秋の始まりを過ごすことができています。

Vol.220『アステロイド・シティ』

☆4.4/☆5.0

https://asteroidcity-movie.com/

 

時は1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街、アステロイド・シティ。隕石が落下してできた巨大なクレーターが最大の観光名所であるこの街に、科学賞の栄誉に輝いた5人の天才的な子供たちとその家族が招待される。
子供たちに母親が亡くなったことを伝えられない父親、マリリン・モンローを彷彿とさせるグラマラスな映画スターのシングルマザー──
それぞれが複雑な想いを抱えつつ授賞式は幕を開けるが、祭典の真最中にまさかの宇宙人到来!?この予想もしなかった大事件により人々は大混乱!街は封鎖され、軍は宇宙人出現の事実を隠蔽しようとし、子供たちは外部へ情報を伝えようと企てる。
果たしてアステロイド・シティと、閉じ込められた人々の運命の行方は──!?

 

アカデミー賞4部門、ゴールデン・グローブ賞作品賞を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』などで、世界に一つだけのウェス・ワールドを披露し、映画ファンの心を歓喜で満たしてきたウェス・アンダーソン監督待望の最新作がついに日本公開。

出演はウェス作品の常連で本作で主演を務めるジェイソン・シュワルツマンを筆頭に、トム・ハンクス、スカーレット・ヨハンソン、マーゴット・ロビーなどハリウッドスターが集結。

舞台は1950年代のアメリカ。人々が豊かな日々を謳歌し、アメリカが最も輝いていたと言われる時代。宇宙開拓への夢も広がり、誰もが不可能なことなどないと信じていた。そんな中、人口わずか87人の砂漠の街アステロイド・シティで開かれたジュニア宇宙科学賞の祭典に思わぬ訪問者がやってきた!

展開は少々ややこしく多層的な構成である劇中劇となっている。すなわち、俳優は作品内で別の俳優を演じ、二重でキャラクターを演じることとなります。特にスカーレット・ヨハンソン演じる女優は劇中で女優を演じており、更にその女優のキャラクターがまた演技を見せるシーンが存在するのです。

彩度高めのカラーでカラフルに描かれる劇「アステロイド・シティ」とモノクロで描かれる現実世界の舞台の裏側が交差しながら進んでいく物語。ふたつの完璧に創り上げられた独特な世界観は新鮮で奥深い映画体験を映し出し、相変わらずのウェス・アンダーソンワールド全開。いや、普段以上に彼の世界が詰め込まれ、シンメトリーを基調とした精巧なポップアートのような映像に豪華キャストが演じる個性豊かなキャラクターたちが織りなすSF要素を含んだ一癖も二癖もある楽しい物語が広がります。

今作はコロナ禍で撮った最初の作品であり、とあるひとつの未知との遭遇をきっかけに隔離状態に陥った町を舞台に描かれた物語となっています。ひょんなことからちいさなコミュニティで強制的に親交が深まり、そこに集った人たちの生活がほんの少しだけ変わっていく。人生ままならないことばかりだけれど、まぶしい太陽と陽気な音楽の元で風変わりな人たちが大事な何かに気づいていく、ちょっぴりおかしくてちょっぴり切ない、それでも人生は素晴らしく愛おしいと思わせてくれるのです。

緻密に構築された世界は、序盤は情報過多により混乱する瞬間もしばしばありますが、難解で言葉にしきれない事柄から次第に想像を膨らませる余地が生まれ始め、独創的なキャラクターの内面的変化に共感する瞬間も存在し、観れば観るほど味わい深く、そして変化も伴う非常に興味深い作品です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
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Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
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Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。2022年5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、2023年5月10日(水)にはメジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリース。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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