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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

急に冷え込む日が飛び込んできました。
冬支度がまだ終わっておらず、とりあえずの寒さ対策をして凌いでいますが気温が下がるとともに何か行動を起こすタイミングも遅くなってしまうような気がしています。

冬生まれなので寒さは得意な方ですが、毛布にくるまってだらだらと時間だけが過ぎていく冬あるあるをもうすぐ経験してしまうのだろうと思うと、ほんの少し憂鬱な気分になってしまいます。こういうのって自身の精神との戦い以外の解決法はあるのでしょうか。

Vol.230『私がやりました』

☆3.9/☆5.0

https://gaga.ne.jp/my-crime/

 

有名映画プロデューサーが自宅で殺された。
容疑をかけられたのは、貧乏な若手女優マドレーヌ。法廷に立たされた彼女は、ルームメイトの新人弁護士ポーリーヌが書いた「自分の身を守るために撃った」という正当防衛を主張する完璧なセリフを読み上げ、見事無罪を獲得。それどころか、悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、アッという間にスターの座へと駆け上がる。豪邸に引っ越し、優雅な生活を始めるマドレーヌとポーリーヌ。
しかしそんなある日、とある女が彼女たちを訪ねてくる。彼女の名前はオデット。一度は一世を風靡するも今や目にすることも少なくなった、かつての大女優だ。
そしてオデットの主張に、マドレーヌたちは凍り付く。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も自分のものだというのだ。
いったい真相は如何に?
こうして、女優たちによる「犯人の座」を賭けた駆け引きが始まる――!

 

フランス動員100万人超えの特大ヒットを記録したフランソワ・オゾン監督の最新作『8人の女たち』『スイミング・プール』など、彼の作品群の中でもひときわ高い人気と評価を誇る、女性をお洒落に魅力的に描いたオゾン流ミステリー・エンターテインメント。新たな才能の輝きとベテラン俳優の凄み、ひねりのきいたユーモアと心躍るクライマックスで観客を映画の世界に一気に引き込んでいく。

主演のマドレーヌとポーリーヌ役には、チャーミングな凸凹コンビを作り上げたナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデール。
また、2人の前に立ちはだかるヴィラン・オデットを演じるのは、強烈なインパクトで登場するイザベル・ユペール。

やはり、映画プロデューサーの性被害事件と聞くとワインスタイン事件の#MeeToo運動などが頭をよぎります。本作ではそんな性被害の告発にメインを置くのではなく、権利の弱かった女性の立場を逆手に取って果敢に戦ったマドレーヌとポーリーヌたちの強さ、女性の尊厳について描いている。ユーモアとブラックジョークに溢れたクライムミステリーを、煌びやかなファッションからインテリア、1930年代のパリの魅力も満載に圧倒的なエンターテインメントとして映し出しました。

マドレーヌとポーリーヌの雄弁でテンポよくまくしたてるような会話劇は、判事や検事のダメ男たちに対してエネルギーが凄まじく、かつ登場人物の人となりも分かりやすい。フランソワ・オゾンのコメディセンスの爆発力と相待ってまるで傍聴席に座っているかのような感覚で引き込まれていきます。

フランスのコメディ特有のシニカルな雰囲気に、”犯人の座”をめぐって女性たちが仕掛ける法廷劇は毒っ気のある監督の持ち味を加えた痛快で気持ちの良い見事なサスペンスでありととてもスカッと爽快な気分になります。

クラシカルなセットやファッション、街並み、劇中劇の入れこみの演出など次々巧妙な目の離せないシーンの連続に魅了される。物語の締めやエンドロールも心残りすることなく、クスクス笑え、1930年代を舞台にしつつも今日的な問題にも触れているバランスにも優れた作品でした。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
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Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
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Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
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Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
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Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
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Vol.62『インセプション』
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Vol.68『ミッドナイトスワン』
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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。2022年5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、2023年5月10日(水)にはメジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリース。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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